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デジタルトランスフォーメーション No6

2021-08-27 16:18:10 | 経営コンサルタント

このブログは一般社団法人日本経営士会(AMCJ)の「環境経営士®」向けに発信しているメルマガを転載しています。メルマガの内容はSDGs、CSR、環境経営(マネジメントシステム)関連です。AMCJは内閣府が進めています「地方創生SDGs官民連携プラットフォーム」の会員になり、分科会にも積極的に参加しています。
「環境経営士養成講座」は環境省等5省の環境人材育成認定講座で株式会社オルタナの推薦講座でもあります。詳細はhttps://www.compact-eco.com/ をご参照下さい。

CR環境ニュースは数回に分けてDX(デジタルトランスフォーメーション)について発信します。記事は主に経済産業省のDXガイドラインと筆者が他からの情報を加味してお伝えします。

DX No6

(2)DX を実現する上で基盤となる IT システムの構築 
《全社的な IT システムの構築のための体制》 
DX の実行に際し、各事業部門におけるデータやデジタル技術の戦略的な活用を可能とする基盤と、それらを相互に連携できる全社的な IT システムを構築するための体制(組 織や役割分担)が整っているか。  
経営戦略を実現するために必要なデータとその活用、それに適した IT システムの 全体設計(アーキテクチャ)を描ける体制・人材を確保できているか(社外との連 携を含む)。 

《全社的な IT システムの構築に向けたガバナンス》 
全社的な IT システムを構築するに当たっては、各事業部門が新たに導入する IT システ ムと既存の IT システムとの円滑な連携を確保しつつ、IT システムが事業部門ごとに個 別最適となることを回避し、全社最適となるよう、複雑化・ブラックボックス化しない ための必要なガバナンスを確立しているか。 
全社的な IT システムの構築に向けた刷新に当たっては、ベンダー企業に丸投げせず、 ユーザ企業自らがシステム連携基盤の企画・要件定義を行っているか。

 失敗ケース :これまで付き合いのあるベンダー企業からの提案を鵜呑みにしてしまう。 
 経営者がリスクを懸念して、実績があるベンダー企業の提案であれば問題ないと の判断に傾いてしまい、自身 もそのような報告をする。

《事業部門のオーナーシップと要件定義能力》 
各事業部門がオーナーシップを持って DX で実現したい事業企画・業務企画を自ら明確 にしているか。さらに、ベンダー企業から自社の DX に適した技術面を含めた提案を集 め、そうした提案を自ら取捨選択し、それらを踏まえて各事業部門自らが要件定義を行 い、完成責任までを担えているか。 

 失敗ケース :事業部門がオーナーシップを持たず、情報システム部門任せとなり、開発した IT システムが事業部門の満足できるものとならない 。

《IT 資産の仕分けとプランニング》 
 以下のような諸点を勘案し、IT 資産の仕分けやどのような IT システムに移行する かのプランニングができているか。 
 バリューチェーンにおける強みや弱みを踏まえつつ、データやデジタル技術の活用 によってビジネス環境の変化に対応して、迅速にビジネスモデルを変革できるよう にすべき領域を定め、それに適したシステム環境を構築できるか。 
 事業部門ごとにバラバラではなく、全社横断的なデータ活用を可能とする等、シス テム間連携のあり方を含め、全社最適となるようなシステム構成になっているか 。
 全体として、技術的負債 の低減にも繋がっていくか。
  技術的負債とは:
IT 資産の現状を分析した結果、半分以上が業務上止めても問題のない、利用され ていない IT システムであり、これらについては、廃棄する決断をした 費用対効果等を考慮し、今後、更新があまり発生しないと見込まれる機能は、その  IT システムの中には、短期的な観点で IT システムを開発し、結果として、長期的に運用費や保守費が高騰している 状態のものも多い。 これは、本来不必要だった運用・保守費を支払い続けることを意味し、一種の負債ととらえること ができる。こうした負債は「技術的負債」(Technical Debt)と呼ばれている。

《刷新後の IT システム:変化への追従力》
刷新後の IT システムには、新たなデジタル技術が導入され、ビジネスモデルの変化 に迅速に追従できるようになっているか。また、IT システムができたかどうかではなく、ビジネスがうまくいったかどうかで評価する仕組みとなっているか。 

失敗ケース :刷新後の IT システムは継続してスピーディーに機能追加できるようなものにする との明確な目的設定をせずに、IT システムの刷新自体が自己目的化すると、DX につながらない IT システムができ上がってしまう。

まとめ
否応なしに急速なデジタル化が進むなか、企業はそれに迅速に対応し、DXの取り組みを本格的に実践していかなくては競争力を維持することはできません。今後は自動車、金融、医療、製造など幅広い業種で加速度的に取り組みが進むでしょう。
流れに遅れないためにも、まずはDX推進に向け企業が取り組むべき方向性を把握しておきましょう。

 


デジタルトランスフォーメーション NO5

2021-08-17 16:09:51 | 経営コンサルタント

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DX No5

 8.本ガイドラインは、
「(1)DX 推進のための経営のあり方、仕組み」と、
「(2)DX を実現する上で基盤となる IT システムの構築」の2つから構成されている。
 
本ガイドラインは、企業と投資家の建設的な対話を促すために、経済産業省が平 成 29 年 5 月に策定した「価値協創のための統合的開示・対話ガイダンス」(価値協創ガイダンス 注)における基本的な考え方にも沿っており、DX 推進に当たっての視点を整理した ものとして、「価値協創ガイダンス」と併せて参照することが期待される。 各企業が DX を実行していくに当たり、本ガイドラインが一助となることが期待される。 なお、社会環境や技術動向は今後益々大きな変化が予想されるため、本ガイドラインは、 そのような諸環境の変化に追従すべく見直しを行うよう努めるものとする。

注:「価値協創ガイダンス」とは、企業と投資家を繋ぐ「共通⾔語」であり、企業(企業経営者)にとっては、投資家に伝えるべき情報(経営理念やビジネスモデル、戦略、ガバナンス等)を体系的・統合的に整理し、情報開⽰や投資家との対話の質を⾼めるための⼿引です。
各企業は、本ガイダンスの各項⽬を形式的・固定的に捉えることなく、⾃社のビジネスモデルや戦略にとって重要なものを選択し、これを⾃らの価値創造ストーリーに位置づけるなどして
投資家へ伝える広報手段ともいえる。

 『デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン』 (DX 推進ガイドライン) (1)DX 推進のための経営のあり方、仕組み 
《経営戦略・ビジョンの提示》 
想定されるディスラプション(「⾮連続的(破壊的)イノベーション」)を念頭に、デー タとデジタル技術の活用によって、どの事業分野でどのような新たな価値(新ビジネス 創出、即時性、コスト削減等)を生み出すことを目指すか、そのために、どのようなビ ジネスモデルを構築すべきかについての経営戦略やビジョンが提示できているか。
● 失敗ケース :戦略なき技術起点の PoC(注) は疲弊と失敗のもと 
   経営者が明確なビジョンがないのに、部下に丸投げして考えさせている(「AI を使 って何かやれ」) 
   注:PoC (Proof of Concept、読み:ポックまたはピーオーシー) とは、新しい技術や理論、原理、手法、アイディア、などに対し、実現可能か、目的の効果や効能が得られるか、などを確認するために実験的に行う検証工程のことである。
日本語では概念実証とも訳されることが多く、目的の効果を得るために必要な要素や仕様を洗い出すことを目的としている場合もある。理論や計算などによる検証ではなく、製品やシステムの簡易版を作り、実際に使うことで具体的な検証を行うことがPoCの特徴だと言える。(ソフトバンクのビジネスWebマガジンFuture strideより)

《経営トップのコミットメント》
  DX を推進するに当たっては、ビジネスや仕事の仕方、組織・人事の仕組み、企業文化・ 風土そのものの変革が不可欠となる中、経営トップ自らがこれらの変革に強いコミッ トメントを持って取り組んでいるか。  仮に、必要な変革に対する社内での抵抗が大きい場合には、トップがリーダーシッ プを発揮し、意思決定することができているか。 
《DX 推進のための体制整備》 
経営戦略やビジョンの実現と紐づけられた形で、経営層が各事業部門に対して、データ やデジタル技術を活用して新たなビジネスモデルを構築する取組について、新しい挑 戦を促し、かつ挑戦を継続できる環境を整えているか。

 ① マインドセット: 各事業部門において新たな挑戦を積極的に行っていくマインド セットが醸成されるよう、例えば、以下のような仕組みができているか。
  仮説検証の繰返しプロセスが確立できている 仮説を設定し、実行し、その結果に基づいて仮説を検証し、それに基づき新た に仮説を得る一連の繰返しプロセスが確立できていること。
 仮説検証の繰返しプロセスをスピーディーに実行できる。 
実行して目的を満たすかどうか評価する仕組みとなっている。 

② 推進・サポート体制: 経営戦略やビジョンの実現を念頭に、それを具現化する各事 業部門におけるデータやデジタル技術の活用の取組を推進・サポートする DX 推進 部門の設置等、必要な体制が整えられているか。

 ③ 人材: DX の実行のために必要な人材の育成・確保 に向けた取組が行われている か。 
 DX 推進部門におけるデジタル技術やデータ活用に精通した人材の育成・確保。 
各事業部門において、業務内容に精通しつつ、デジタルで何ができるかを理解 し、DX の取組をリードする人材、その実行を担っていく人材の育成・確保 等。
 人材の確保には、社外からの人材の獲得や社外との連携も含む。

失敗ケース :
仮説を立てずに実行すること、失敗を恐れて何もしないこと。
 
《投資等の意思決定のあり方》 
DX 推進のための投資等の意思決定において
 ① コストのみでなくビジネスに与えるプラスのインパクトを勘案して判断している か。
 ② 他方、定量的なリターンやその確度を求めすぎて挑戦を阻害していないか。
 ③ 投資をせず、DX が実現できないことにより、デジタル化するマーケットから排除 されるリスクを勘案しているか。 
《DX により実現すべきもの: スピーディーな変化への対応力》 
ビジネスモデルの変革が、経営方針転換やグローバル展開等へのスピーディーな対応 を可能とするものになっているか。

 


デジタルトランスフォーメーション NO4

2021-08-07 16:02:37 | 経営コンサルタント

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DX No4

7.「DX推進ガイドライン」の概要
実際にDXを推進していくには、どうすればいいのでしょうか。ひとつの指針となるのが、経済産業省が2018年10月に取りまとめた「DX推進ガイドライン」です。

デジタルトランスフォーメーションを推進するための ガイドライン (DX 推進ガイドライン)  Ver. 1.0 平成30年12月 経済産業省

はじめに
 あらゆる産業において、新たなデジタル技術を利用してこれまでにないビジネスモデル を展開する新規参入者が登場し、ゲームチェンジが起きつつある。こうした中で、各企業は、 競争力維持・強化のために、デジタルトランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)をスピーディーに進めていくことが求められている。 このような中で、我が国企業においては、多くの経営者が DX の必要性を認識し、DX を 進めるべく、デジタル部門を設置する等の取組が見られる。

しかしながら、PoC(Proof of Concept: 概念実証、新しいプロジェクト全体を作り上げる前に実施する戦略仮説・コン セプトの検証工程)を繰り返す等、ある程度の投資は行われるものの実際のビジネス変革に は繋がっていないという状況が多くの企業に見られる現状と考えられる。
 今後、DX を実現していく上では、デジタル技術を活用してビジネスをどのように変革するかについての経営戦略や経営者による強いコミットメント、それを実行する上でのマイ ンドセット(経験や教育、その時代の空気、生まれ持った性質などから形成されるものの見方や考え方を指す言葉です。信念や心構え、価値観、判断基準、あるいは暗黙の了解や無意識の思い込み、陥りやすい思考回路といったものもこれに含まれます。コトバンクの定義)の変革を含めた企業組織内の仕組みや体制の構築等が不可欠である。 

また、DX を本格的に展開していく上では、そもそも、既存の IT システムが老朽化・複雑 化・ブラックボックス化する中では、データを十分に活用しきれず、新しいデジタル技術を 導入したとしても、データの利活用・連携が限定的であるため、その効果も限定的となって しまうという問題が指摘されている。加えて、既存の IT システムがビジネスプロセスに密 結合していることが多いため、既存の IT システムの問題を解消しようとすると、ビジネス プロセスそのものの刷新が必要となり、これに対する現場サイドの抵抗が大きいため、いか にこれを実行するかが課題となっているとの指摘もなされている。 このことは前述の「2025年の崖」でも指摘したことです。

このような現状を踏まえ、経済産業省では平成 30 年 5 月に「デジタルトランスフォーメ ーションに向けた研究会」(座長:青山幹雄南山大学理工学部ソフトウェア工学科 教授)を 設置し、IT システムのあり方を中心に、我が国企業が DX を実現していく上での現状の課 題の整理とその対応策の検討を行い、『DX レポート~IT システム「2025 年の崖」の克服と DX の本格的な展開~』として報告書を取りまとめた(平成 30 年 9 月 7 日公表)。

この提言を受け、今般、経済産業省は、DX の実現やその基盤となる IT システムの構築を 行っていく上で経営者が押さえるべき事項を明確にすること、取締役会や株主が DX の取組 をチェックする上で活用できるものとすることを目的として、本ガイドライン『デジタルト ランスフォーメーションを推進するためのガイドライン』(DX 推進ガイドライン)を策定 した。


デジタルトランスフォーメーション NO3

2021-07-27 15:59:45 | 経営コンサルタント

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DX No3

5. DXの本質はデジタライゼーション:
業務プロセス全体をデジタル化し新たな価値やビジネスを創出すること。
従来の又は現在の企業の基幹システムは企業の業務を効率化するためでしたが、DXは業務やデータを単純にデジタル化するのみでなく、データから価値を生み出すことがDXの本質となります。

6.DXのデジタル技術とは
DXに欠かせないのが、最先端のデジタル技術です。ここでは、中でも代表的なものを紹介します。
IoT:「Internet of Things」の略で、「モノのインターネット」とも呼ばれます。建物や車、機器など、これまでインターネットに接続されていなかった「モノ」をインターネットに接続し、モノや場所の状態、人間の行動といった情報を収集したり分析したりして、新たなサービスを生み出す技術です。

AI:学習や言語の理解、予測、問題解決など、これまで人間にしかできないと考えられていた知的な行動の一部を、コンピュータに行わせる技術を指します。

クラウド:メールソフトなどのソフトウェアやサーバ、ストレージ(注:サーバーと言うと、「給仕人」「提供者」などの意味があり、 こちらの要求に対して色々な処理や機能を提供してくれるもの 。一方 ストレージは、あくまでデータの保存先。Networldの定義)などのインフラを持っていなくても、インターネットを通じてそれらの機能を利用できる仕組みのこと。近年は、多種多様なクラウドサービスがあります。自社内にサーバなどを置いて管理するオンプレミス型のシステムを使う場合に比べると、システム維持費などのコストを大幅に削減できる可能性があります。

5G:「5th Generation」の略で、「第5世代移動通信システム」のこと。現在使われている4Gよりもさらに高度な無線通信システムです。4Gから5Gになることで、通信速度が約20倍になり、多数の端末への同時接続が可能になるといわれています。5G によりIoT化が加速するとも考えられています。


デジタルトランスフォーメーションとは NO2

2021-07-17 15:54:25 | 経営コンサルタント

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DX No2

3. 2025年の崖の本質
既存システムが、事業部門ごとに構築されて、全社横断的なデータ活用ができなかったり、過剰なカスタマイズがなされているなどにより、複雑化・ブラックボックス化。
 経営者がDXを望んでも、データ活用のために上記のような既存システムの問題を解決し、そのためには業務自体の見直しも求められる中(=経営改革そのもの)、現場サイドの抵抗も大きく、いかにこれを実行するかが課題となっている。
この課題を克服できない場合、DXが実現できないのみでなく、2025年以降、最大12兆円/年(現在の約3倍)の経済損失が生じる可能性(2025年の崖)が出てくる。
2025年までには次のような現象が日本で起きる。
メインフレーム担い手 の退職・高齢化、2015年 IT人材不足約 17万人、2025年 IT人材不足 約43万人まで拡大、先端IT人材の供給不足、・古いプログラミング言語を知る人材の供給不可、PCネイティブの1960年代世代が経営トップに、ソフトウエアのアドオン・カスタマイズの積み重ねによる一層の複雑化、2025年 SAP ERP サポート終了、アジャイル開発が主流になる。

4.アジャイル開発とは(コトバンクを参考に)
システム開発における開発モデルの一つであり、開発対象となるシステムを、小さな単位に分割し、短期間で完成させる手法。
従来の開発モデルの代表的なものには、「ウォーターフォール」モデルがある。ウォーターフォールは「滝」を意味し、同モデルでは、滝の水が上から下へ落ちるようにシステム開発を進めていく。プログラミングやテストの工程で、要件定義が不十分だったことが判明したり、設計の変更が必要になったりしても、後戻りができない。
アジャイルには、「素早い」や「機敏な」という意味がある。アジャイル開発では、システムをいくつかの機能に分割し、1週間から1カ月といった短期間で、ユーザーが重要とみなす機能から順に作り上げていく。ユーザーを巻き込み、分割した機能ごとでユーザーの要件を反映させながら、開発を進めていくため、ウォーターフォールでは不可能だった、設計の変更や後戻りができる点が特徴の一つとなる。技術の進歩が目まぐるしいウェブ業界やモバイル分野などでは、システム開発の途中で、利用技術の変更に伴う、仕様の変更や追加などが想定されるため、それらに柔軟に対応できるアジャイル開発が向いているとされる。