「カーボンニュートラルCN・TCFDとトランジション・ファイナンス」シリーズ②
7月に開催した環境経営士対象フォローアップセミナーのテーマは「カーボンニュートラル
CNに向けた日本の政策」副題として2050CN実現に向けた金融施策-TCFD-トランジション・
ファイナンスでした。講師は国の政策立案者の講演からです。
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世界全体の二酸化炭素排出量の推移及び構成比
⚫ 近年の世界の温室効果ガス排出の増加は、新興国の経済成長によるもの。(1990年
から2019年の間に、非附属書Ⅰ国(途上国)の排出は3倍超)
⚫ 2019年の世界全体の排出量に占める日本の割合は約3%。先進国だけでなく、新興
国の排出削減なくして世界の削減は進まない。
1990年から2019年までに +132億トン
附属書Ⅰ国 ▲ 16億トン (先進国および旧ソ連、東欧諸国を指し、温室効果ガスの削減や
さまざまな報告の義務を負う。約50か国)
非附属書Ⅰ国 +142億トン (いわゆる途上国)
国際交通 + 7億トン
注:気附属書Ⅰ国とは候変動枠組条約(FCCC)で規定される附属書II締約国(OECD)
+移行期経済国(旧ソ連、東欧諸国)のことで、温室効果ガスの削減やさまざまな報告の義務を負う。
1.5度努力目標の経済的インパクトはコロナを超える
⚫ IEA(国際エネルギー機関)によれば、新型コロナウイルスの影響によって、2020年の
世界のエネルギー起源CO2排出は、前年比約6%の減少。
⚫ UNEP「エミッションギャップレポート2019」では、1.5℃目標の実現のために、2020~30年
の間に必要なGHG排出量の年平均削減率は7.6%であるとしており、2020年のコロナの影響による
エネ起源CO2の減少率以上の年間削減が必要であることがわかる。
2℃目標、1.5℃努力目標とCO2削減量
2°C目標を達成するためには2020年から年平均で2.7%ずつ、1.5°C目標を達成するためには7.6%ずつ
排出量を削減する必要がある。対策が遅れれば遅れるほど、より厳しい削減が必要になることは明らかである。
(出典)UNEP「2019年版温室効果ガス排出ギャップ報告書」より一部要約