一般社団法人日本経営士会はSDGsの基礎にもなる「環境CSR経営」の普及支援を行っています。環境経営士が支援を行います。

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経済産業省 資源エネルギー庁は将来のエネルギー政策の一環として環境都市を実現すべく取り組んでいます。

2018-02-23 09:24:16 | SDGs・CSR・環境経営

今回のテーマ: 「環境都市研究」 環境経営士 増田氏の投稿

 「環境都市研究」

経済産業省 資源エネルギー庁は将来のエネルギー政策の一環として環境都市を実現すべく取り組ん  で ます。この構想ができた理由、アメリカの事情などを掘り下げます。

 スマートグリッドの提唱

1.1米国の電力事情  電力の自由化の推進により低コスト化が進んだものの停電等電力品質(注1)の低下が    目立つようになりました。(2003年北アメリカ大停電)その対策としてスマートメーター(注2)やHE     MS(注3)の通信制御機能を付加した電力網を構築することにより需要と供給の落差を最小限にして省       エ ネを図り、電力品質の安定を図るようにしました。  さらに再生可能エネルギーへの投資、数百万人規    模の雇用創出を図るためグリーンニューディール政策を発表し推進することにしました。

 注1 電力品質:電圧や周波数が一定でかつ停電しない電力状態。電気機器や設備が故障しないで稼働する        必要条件。

 注2スマートメーター:従来のアナログではなくデジタルで電力の消費量(kWh)を測定しデータを遠隔地       に送る機能を持つ。

 注3HEMS:エネルギーの「見える化」と一元管理を実現する、家庭で使われるエネルギーを管理するシ        ステム(Home Energy Management System)。政府が2030年までにすべての住まいに設置するこ     とを目指している。

1-2 スマートグリッド(日本の場合)
 
.日本の電力事情  日本は米国に比べ電力品質は高く停電等の不安はほとんどありません。ただし再生           可 能エネルギー導入の際、逆潮流(注4)等の問題が発生し、送電網に障害が起きる可能性があった          のでその対策が必要となります。

  .ICT(Information and Communication Technology) 企業の参入                                                  日本の電力会社の高度な電力供給体制で電力品質には問題なかったが、米国などの影響を受けて送配電       分野へのICT企業の参入が進んできました。さらに電力だけでなく熱、天然ガス、水、その他社会イン         フラへのサービスを提供できるよう「スマートコミュニティ」という用語がつかわれ出しました。

    注4・逆潮流:通常商用電力は、電気事業者の発電施設から電気系統にながれて利用者まで一方向に              流れ て消費される。ただ、自家発電事業者等が電気事業者の電気系統に連系された状態で施設の電           気系統を運用している場合、自家発電事業者の消費する電気よりも自家発電事業者が発電する電力が           多くなると、その余剰電力は電力会社線側に戻るように流れる。その場合、電気系統に不具合が                 生じ機器の破損とかが起こる。

2-1.次世代エネルギー・社会システム実証実験 (経済産業省資源エネルギー庁)
2009年に日本版スマートグリッドといわれる次世代エネルギー・社会システム事業が検討・計画され        ました。2010~2014年度にかけて横浜市、愛知県豊田市、北九州市、関西文化(けいはんな)学術        研究都市において実証実験が実施されました。

2-2.次世代エネルギー・社会システム実証実験 (経済産業省資源エネルギー庁)
 実証実験結論概要
 
・四地域実証では、需要家単位や数件単位で各種EMSを用いた実証が多く行われるとともに、CEMS(注5)   を用いた地域全体管理の実証も行われました。

 ・スマートコミュニティとしての課題や今後の方向性を検討していく上では、地域全体管理の要である           CEMSについて掘り下げていくことが重要

 CEMSは多くの機能を有しているが、どういう機能をCEMSに持たせるべきか,用途に応じて大きく変わ      る。

 CEMSの今後の展開に当たっては、提供するサービスの価値を適切に評価した上で、CEMSをどのよう        な事業で活用するのかについて充分に設計することが重要。

    5CEMS:Community Energy Management Systemの略語地域全体のエネ ルギーの消費を監視/       制御するシステム。ちなみにHEMSは住宅向け(Home)、BEMSは商用ビル 向けBuilding)、             FEMSは工場向け(Factory)となる。

3.環境未来都市・環境モデル都市の体系
 環境未来都市とはどのような構想か?
  まず全国の市町村から「環境・超高齢化、その他地域独自の課題対応」「温室効果削減対応」など優れ      た対応をしている市町村から選定、平成25  年度23都市選定、更に厳選して「環境未来都市」を11都市       選ばれています。環境未来都市」には横浜市、北九州市、富山市などが選ばれています。

4.環境モデル都市事例
 京都市、愛知県豊田市、愛媛県松山市の事例をご紹介します。(下図参照) 

5.環境未来都市事例
 横浜市、北九州市、富山市の事例をご紹介します。(下図参照)

6.国連MDGsからSDGs
  2000年から2015年にかけて国連は発展途上国を対象にミレニアム開発目標MDGsで貧困と飢餓の撲滅                            等目標にかかげ活動しました。ある程度成果を収め2015年から2030年は先進国も含めた持続可能な           開発のための2030 アジェンダSDGsを設定しました。                                                                    詳細は外務省HPをご覧ください。

  http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/about/doukou/page23_000779.html

.関連年表
  今までの経緯を時系列的にまとめましたので下表をご参照ください。

.日本経営士会CSR事業部の理念とSDGs

  環境経営士のHPでもSDGsとのかかわりを取上げています。
https://www.compact-eco.com/sdgsは同一方向/

.環境未来都市・環境モデル都市とSDGs
 内閣府地方創生推進事務局HPにも環境未来都市・環境モデル都市とSDGsの関係がでています。
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kankyo/index.html

10.横浜スマートシティ
 横浜市は次世代エネルギー・社会システム実証実験を実施し、環境モデル都市、環境未来都市にも認定                                                                                                                                                                    されました。 この分野では各自治体のトップを走っています。

 さらに横浜スマートシティプロジェクト(YSCP
  http://www.city.yokohama.lg.jp/ondan/yscp/
 
を進めています。以下にその活動事例を示します。(下記資料参照)
 
HEMS等導入事業~市内中小企業の参画
 
EVEVバッテリーを活用したエネルギーマネジメント

なおこの資料作成に当たり横浜市温暖化対策統括 本部プロジェクト推進課の職員の方のご指導を頂きました。

11.今後の展開

 ここで環境経営士として言いたいことを簡潔に述べました。YSCPとの係わりを深めて中小企業の環境          経営支援を進めたいと存じます。  寄稿者 環境経営士 増田 昌彦氏

この記事は(一社)日本経営士会発行の「環境CSRニュース」で配信した記事の一部です。
日本経営士会 環境CSRのホームページはこちらへ。http://www.compact-eco.com/




「環境経営士養成講座」 3月に東京で開催。

2018-02-20 13:58:38 | SDGs・CSR・環境経営

 

日本経営士会は、企業等への環境保全活動の助言・支援を行う環境経営士の育成を目的に「環境経営士養成講座」を開催いたします。

環境CSR面からの経営支援を志す方には最適な資格です。

「環境経営士養成講座」は環境省、経済産業省など5省から、環境人材認定講座(育成部門)として指定されています。

この講座はベーシックコースB/CとアドバンストコースA/Cがあります。
B/Cはエコ検定合格者など環境関係の資格保持者は免除されます。

開催日時:B/C平成30年3月11日(日) 10:00~17:30
        A/C 3月17日(土)18日(日) B/Cと同時刻

開催場所:日本経営士会 本部 東京都千代田区二番町12-12 BDA 二番町ビル5F
講座内容:B/C 環境保全に関する基礎的知識       
        A/C 企業への環境保全活動の助言・支援に必要な知識等・企業における環境保全の取組・環境マ 

     ネジメントの 基本・各種環境マネジメントシステムの解説・環境報告書の作り方・環境教育

     ・CSR等 ・テスト

受講定員:B/C 5名 A/C10名(先着順)

受講料:B/C1万円 A/C 2万円

詳細・お申し込み:「環境経営士」で検索、ホーム お知らせ Whats New よりPDFをダウンロードしFAXで
  御申し込み下さい。


日本経営士会の「環境経営士養成講座」が環境人材育成指定団体に

2018-02-12 10:04:26 | SDGs・CSR・環境経営

一般社団法人日本経営士会の「環境経営士養成講座」が環境人材育成指定団体


今回の指定は「環境教育等による環境保全の取組の促進に関する法律」によるものですがこの法律は
どのような法律でしょうか?

この法律の制定過程であります「日本の環境教育政策の流れ」を見る前に「環境教育の世界の流れ」から見てみます。

 世界の環境教育の流れ

  
ヨハネスブルグ・サミット(2002年)で,我が国が提案した「2005年から始まる『持続可能な開発  

 のための教育の10年』の採択の検討を国連総会に勧告する」議案が満場一致で採択されました。

 その後ESD
 「持続可能な開発のための教育」基に世界各国で環境教育が行われています。  
2010年には企業団体の社会的責任国際規格ISO26000が発効されました。  
2015年には国連のサミットで持続可能な開発目標SDGsが採択されました。
  
この様に環境教育の世界の流れは進化しています。

日本の環境教育は

 世界の流れに呼応して我が国では20037月「環境保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に 

 関する法律」が公布されその後「協働」の重要性が拡大、環境教育のさらなる充実を図る必要が高  

 まったことから、2011615日改正法が公布されました。この法律の一環で上記5省が環境教育 

 について実績のある団体を指定する事になりました。
 当会の主務省は環境省です。
  
日本経営士会の環境教育の取り組み推移

 このように環境教育についての重要性が高まり、東京商工会議所のECO検定が構築されたのは2006  

 年でした。
 日本経営士会では東京商工会議所と連携しエコ検定合格者に対して更に高いレベルの教育をという 

 事でいくつかの分野が設けられ、日本経営士会は環境経営関係の「ビジネスエコリーダー」を養成 

 することになりました。
2008年から3年程度続けました。ビジネスエコリーダーは約500人になりました。
  
日本経営士会独自で更に高レべルの「環境と経営」についてのプロを養成することになりました。
 現在受講者は約300人です。
 以上の活動が評価され環境教育人材育成指定団体として登録されました。
 申請開始日から約1年要しましたが昨年暮れに決定されこの1月末に環境省のホームページに掲載さ  

 れました。
https://edu.env.go.jp/reg/detail/
 現在当会を含め46団体が登録されています。

今後の指定団体としての活動

5省から指定を受けたこともあり日本経営士会のブランドを更に向上させるべく環境経営士は身を律  

 しなければなりません。

 環境経営士養成講座は更に充実をはかるべく教材、講師などの向上を計る必要があります。
 本部、支部とも「環境CSR経営」の理念を理解し環境CSR活動を充実させる必要があります。

 類似のニュースは「マネジメントコンサルタント」誌の3.4月号に掲載されます。                                   

                                         以上

 

この記事は(一社)日本経営士会発行の「環境CSRニュース」で配信した記事の一部です。
日本経営士会 環境CSRのホームページはこちらへ。

http://www.compact-eco.com/


  


地域経済の活性化と街づくりの推進方策

2018-02-12 09:57:07 | 地方創成

今回のテーマ:「地域経済の活性化と街づくりの推進方策」地元商工会主催のセミナーから

 

 少し文章が長いですが、ご興味のある方はどうぞ!

 

先日 地元の商工会で主題のセミナーがありました。再生請負人で日本では3人の中に入る人だと言われています。名前は松本光輝氏で地域活性化でも有名な人です。

松本氏は350社余り再生したとのことです。経歴は父が営む飲食業、松本商事に入社し年商8億円まで成長させました。しかしバブルの影響で25億円の負債をかかえ、自らの事業再生を経験しました。その時の経験を生かして事業再生請負人として活躍中です。受講料は無料です。

有名な人をなぜ無料で受講できたかですが、2015年、経済産業省が各商工会などに地元の街を活性化するための「経営発達支援計画」を出させました。企画のよいところに補助金をだす政策です。地元商工会からこの計画書作成支援の依頼がありお手伝いをしました。3回目だったかどうにか採択されて、昨年から日本でもトップの再生請負人と地域創成などのプロ2人が当町に入っています。松本氏のホームページは下記です。

http://www.saisei-jigyo-no1.com/

 

2時間の話を要約してお伝えします。

 

これからの日本は少子高齢化と絶対的人口減少、都市集中がおこる。30年後には日本の人口は9000万人になる。ここで減少が止まる。現在の人口の1/4が減少する。地域経済の活性化は一個人、役所、商工会でできる事ではない。地域全体で取り組むことである。

よく地域の活性化では地域商品の開発・販売などに注力しますが、場当たり的な行動では成果が出ない。

必要なことは街全体の活性化計画です。

ここで筆者の町は3万人弱ですが、今後の町のマスタープランを松本講師が見られて、「どこの町のマスタープランも類似していてまずは計画倒れになり、まずは成功していない」とのことでした。

何故か。「街の活性化には10年は要する。この間に町長は変わり、商工会のリーダーも変わる。町を挙げての取り組みなら、マスタープランを引き継がれてれてゆくから成功の可能性はあるが。」が理由です。

 

街全体の活性化計画に必要なことは        (  )は筆者のコメントも入っています。

 

  活性化の目的を決める

(定着人口の増加、観光客増加、地域生産物の生産・販売の増加、これらの施策による税収の増加、

観光客の増加に対して当町はホテルが無い。民泊とか農泊は180日まで可能となるそうですからこれを利用)

 

  仕事場の提供

(仕事がないと人は定住しない。例えば地域の特性にもよりますが当町の場合は東名、西湘バイパス、小田原厚木バイパスなど交通利便性が良いので配送センター等、しかし場所の確保の問題があります。)

 

  住居の提供

(当町の場合空き家が増えていますが不動産屋にもっとPRをと思ったりしますが?町営住宅とか県営住宅のリフォーム、費用は建設会社に工面してもらい家賃の一部で回収し建設会社に還元するなど建設会社に提案させる。3カ月試しに住んでもらうなど)

 

  生活環境及び洋品供給の利便性

(スーパー、商店、娯楽施設、市民ホール、病院・介護施設、リハビリステーション施設など。当町には温泉の出口が2箇所あるが使っていない大江戸温泉を引っ張るなどする)

 

  学校・保育園などの教育環境の充実

(これからの日本の教育は知識の詰め込みから、考える力、自発的に行動する力、プログラミング力、英語力等が力を入れるから、これらの要素を入れた学習塾)

 

  公共交通機関の充実

(当町は東京駅まで70分横浜駅には50分位でゆくので交通機関が充実していると思っていましたが、松本講師は千葉市の例をあげて、バス会社と契約、東京駅など直行便をだしたり、終電の後の深夜便を1便だしている例をあげました。当町は地域創成には恵まれている。地方ではもっと条件の悪いところがある。)

 

  役場・商工会の充実

(役場とか商工会は3万人位の町ではとても住民対応には人手が足りない。ボランティアを出すムードが必要。町が何もやってくれないと町のせいにするのは良くない。地方創生には町をあげて取り組まないと成功しない。

ボランティアの例でば緑のおばさん、防犯のための住宅地の見回り等、松本講師は毎日荒川を散歩する折ゴミ拾いをするそうです。

街の活性化企画などは商工会が窓口となり、プロのコンサルタントと契約することなどがよい。町とか商工会の職員では対応しきれない。東京の西武信金は1億円をコンサルタントに払っている。年間か今までの費用かは不明ですが。

これは筆者も賛成)

 

 

これらを計画通りに実施するには資金が必要です。

それには住民税と事業税を増やすしかない。そのためには魅力ある街にして人を呼び込む、そして創業者を呼ぶこむより、人手が多く要する伸び盛りの企業を呼び込む。

補助金に頼らない。補助金を活用すると規制に縛られ、補助金が切れたらもう続かない。

補助金より民間資金を活用する。どのような事業にするか、企業とか銀行、信用金庫は利益が得られそうな事業には融資を

します。各種施設に対して民間会社に投資と運用をしてもらい一定の期間(10年~数十年)後に自治体に所有権を移転

してもらう方法、他の方法として自治体が施設を作り、運用を民間に委託する方法があります。

ベンチャーキャピタルからの融資は9割が失敗している。金しか出さないからとのことです。

 

以上が今回のセミナーの骨子ですが、地方創成は街を挙げての取り組みが必要、またコンサルタントの活躍の場があるのではと思いました。是非地元の市町村の行政、商工会議所、商工会と連携して取り組んで頂きたく思いました。

この記事は(一社)日本経営士会発行の「環境CSRニュース」で配信した記事の一部です。
日本経営士会 環境CSRのホームページはこちらへ。

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