今回のテーマ:クライアント(コンサルタント先)との契約について
クライアント(コンサルタント先)との契約について
● コンサルタント料を払いたくないとか安価にという経営者が多い。
皆様は経験豊かなコンサルタントまたはこれからコンサルタントを目指そうと思われる方等
いろいろでしょうが私の若干の経験を述べます。
クライアント先はかなり小さな企業の場合は特に無料でコンサルタントのノーハウを
得ようとする傾向があるのではと思います。
苦い経験ですが、関東経済産業局が数年前から
各地の信用金庫を仲立ちにして、定年退職後のノーハウをもった人と中小企業をマッチング
させる企画を立てて実施しています。素晴らしい企画なので私も静岡、神奈川、東京、埼玉
まで出かけました。
マッチング方法は中小企業の課題に対して
定年退職者がその課題を解決する自信のある方が応募します。中小企業の社長などは1社に対して
数人面接します。15分位の面談で定年後の人を選別して決めていきます。この面談で中小企業に
とっては数人のノーハウを持った人と話すことになりますのでほぼノーハウがつかめてしまうのでは
なかろうかと思います。私は5~6回各地のマッチングに参加しましたがマッチングは0でした。
私の力不足もあったかもしれませんが。
後ほど当該信用金庫に問い合わせたこともありましたが、当該中小企業はコンサルタントとして
雇ってはいないという答えが何件かありました。他の企業はあったかも知りませんが。
関東経済産業局をせめているわけでなく、参加した中小企業はノーハウだけを入手して結局は
コンサルタントを採用しなかった例が何割りかあったのではないでしょうか。
このようにコンサルタントを無償でという企業もいるから要注意です。
● 契約はやはり最初に顧問先と実施しておくとよい。
顧問契約とか委託契約について経営士手帳に掲載されていますからそれを使っていただければベスト
ですが、私の場合は下記の様な簡単な内容にしています。
今回は請負契約ですがご参考にして下さい。
契約は自分が先に顧問契約案を示した方が有利になります。
もし自分のアドバイスで損害を与えた場合に
自分が不利になる内容が書かれていて訂正してもらうにはそれなりの時間が掛かったこともありました。
このようなこともあり第4条 乙のアドバイスにより甲が損害が出ても乙に及ばない様に1行書いています。
コンサルタントはアドバイスなので実際の執行は社長の責任においてなされるものだと考えるからです。
請 負 契 約 書 (事例)
○○を甲とし、○○を乙とし、甲乙間において、次の通り契約を締結する。
第1条 甲は乙に対し、甲のために次ぎの事項をなすことを委嘱し、乙はこれを承諾した。
事項: ○○○
第2条 甲は乙に対し、申請1件に対して請負料として ○○万円(消費税別途)を支払う。但し分割で
毎月○○万円月末に支払い、最高額を請負料とする。
種々の理由で申請まで至らなかった場合、乙の得た分割料は甲に返却されない。
但し、交通費、書籍代、コピー代は別途支払う。
第3条 請負の範囲は申請までとする。申請後関連の新たな事項が生じた場合は1回の
打ち合わせ毎に1時間○○円を甲が乙に支払う。
第4条 甲は○○申請関係の担当者を決め乙に協力する。甲はネット可能なパソコンと執務場所は甲の
会社内で乙に提供する。
乙の申請案で最終的に甲が承認し、この件で損害が発生しても乙に及ばない。
第5条 本契約に定めの無い事項、または本契約の疑義を生じた場合は、甲および乙は
信義誠実の原則にのっとり、誠意をもって協議し解決する。
第6条 乙は甲より知りえた経営上の機密を甲の承諾なくして第3者に公開する事は
有りません。
この契約の成立を証するため本書2通を作成し、甲乙記名捺印の上各1通を保有する。
平成 年 月 日
甲 住所:
○○株式会社
代表取締役
乙 住所:
○○
代表
この記事は(一社)日本経営士会発行の「環境CSRニュース」で配信した記事の一部です。日本経営士会 環境CSRのホームページはこちらへ。
http://www.compact-eco.com/