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「社会的インパクト評価」シリーズ3

2021-03-31 10:14:16 | SDGs・CSR・環境経営

「社会的インパクト評価」シリーズ3

2.1 ロジック・モデルとは何か

ロジック・モデル

「もし~ならば、こうなるだろう」という仮説のもと、資源、活動、直接の結果、成果を繋ぎ合わせたもので、事業が成果を上げるために必要な要素は資源 活動 直接の結果 初期成果 中期成果 長期成果

◎資源:

  • ヒト
  • モノ
  • カネ

◎活動:

  • 経済的困難を抱える子どもへの学習支援

◎直接の結果:

・プログラムの実施回数

・参加人数

◎初期成果:

  • 学力の向上
  • 社会情動的能力の向上

◎中期成果:

  • 希望する進路の選択

◎長期成果:

  • 経済的自立
  • 生活自立
  • 精神的自立

 

2.2 ロジック・モデル作成実践の全体像

事業の目標と 受益者の特定 成果の設定 直接の結果、 活動、資源の 設定 最終確認 事業目標から 事業の受益者を特定します。 特定した受益者に対して どのような成果を 設定するか考えます。 設定した成果を起点に必要な 直接の結果、活動、資源に 遡って検討します。 完成したロジック・モデルの 最終確認をします。

ロジック・モデル作成実践の構成要素はすでに述べましたが以下の6つです。

資源 活動 直接の結果 初期成果 中期成果 長期成果

ポイントは、長期成果から「逆算」して考えるという点です。

  1. 「長期成果」から逆算して考える方法のほか、「資源」から順に考える方法や、その中間的な方法なども存在します。

本資料では、長期成果から逆算して考える方法を紹介しています。

 

STEP1. 事業の目標と受益者の特定

  1. ロジック・モデル

はじめに事業目標から「事業の受益者」を特定します。

この作業は事業目標の確認と同時に行います。

ロジック・モデルの作成では、組織が提供する事業・プログラムの目標は何かを再確認し、

その事業は「誰に=受益者」向けたものなのか考えていくため、はじめに本作業を行う必要があります。

事業目標と受益者が特定できていなければ、ロジック・モデルは作成できません。

事業目標は何ですか。

  1. 事業目標は取り組む社会的課題が解決された状態であり、具体的で客観的なものであることが望ましいです。

事業報告書、年次報告書、パンフレット、中長期経営計画などを参考にしても良いでしょう。

多様な事業を行っている場合、まず最も重要な事業について考えてみましょう。

事業目標は主観ではなく、組織内外で合意が取れていることが重要です。

 

望ましい事業目標の例

  • 教育機会格差を原因とした貧困の連鎖の解消

望ましくない事業目標の例

  • 社会を変える

(何をどのように変えるのか不明確で具体的なイメージが共有できない)

 

事業の受益者は誰ですか。 受益者は複数でも構いません。多くの場合、事業がもたらす変化・効果の範囲は事業の直接の対象者に限りません。 例えば学習支援事業では、事業の結果生まれるポジティブな変化は、子どもだけでなくその親や教師にも発生するかもしれません。 まず、受益者の洗い出しを行い、その後で最も重要な受益者を特定しましょう。 最も重要な受益者については、より具体的に検討をしましょ

 

う。 また、事業を実施した結果、予期せぬネガティブな変化(ネガティブインパクト)を生み出してしまう可能性もある点に留意しましょう。 (例:学習支援事業) 受益者 重要度 判断根拠 経済的困難を抱える子ども(小学生) A 親 B 教師  事業目標や受益者の特定が難しい場合、まずビジョンを絵に描いてみるという方法もあります。 描いた絵を具体的かつ客観的に言語化したものが事業目標となります。 多くの場合、中心に描かれているもの(人)が最も重要な受益者となります

この記事は日本経営士会 「環境経営士 ®」向けメルマガで発信している記事の転載です。

環境経営士については「環境経営士」で検索またはアドレスはhttps://www.compact-eco.com です。

 


環境経営士養成講座 5月度開催 Zoomなので全国から応募できます。

2021-03-28 17:32:19 | SDGs・CSR・環境経営

 

環境省、経済産業省、農林水産省、国土交通省、文部科学省の環境人材認定講座として指定されている「環境経営士」(商標登録済)養成講座を2021年5月にEラーニング(Zoom)で開催。株式会社オルタナの推薦を受けています。この資格は企業等への「環境経営」(SDGs経営、CSR経営も含む)の助言・支援を行うプロ育成が目的です。

この講座はベーシックコース(B/C)とアドバンストコース(A/C)があります。

B/Cはエコ検定合格者など環境関係の資格保持者は免除されます。

開催日時:B/C令和3年5月15日(土) 10:00~17:30

                   A/C 5月22日(土)23日(日) B/Cと同時刻

開催方法:Eラーニング(Zoomにて)

     Zoomでの受講方法は「環境経営士」で検索頂きトップページをご参照下さい。

                   全国からのご応募、可能です。

 

講座内容:B/C 環境保全に関する基礎的知識、世界の環境と現状、日本の取り組み

                          SDGsと日本の対応

     A/C 企業への環境保全活動の助言・支援に必要な知識等・企業における環境保全の取組・環境マネジ

                         メントの 基本・各種環境マネジメントシステムの解説・環境報告書の作り方・環境教育・CS

                        R等 、SDGsと 日本経営士会の取り組み・地方創生SDGsワークショップテスト

受講定員:B/C 10名 A/C10名ほど(先着順)

受講料:B/C1.3万円 A/C 2.5万円(B/C受講者は2万2500円「CSR環境と経営」B5版約250ページ含む)

詳細・お申し込み:「環境経営士」で検索、又はhttps://www.compact-eco.com ホーム お知らせ Whats 

                              NewよりPDFを  ダウンロードしFAXで御申し込み下さい。

                   又はEメール office@nihonkeieishikai.com へお名前、住所、メール、電話、勤務先、仕事内容、

                   保有資格、経営士なら経営士とご記入を、BC、ACどちらかまたは両方かをご記入下さい。


社会的インパクト評価」シリーズ②

2021-03-24 10:05:27 | SDGs・CSR・環境経営

社会的インパクト評価」シリーズ②

 

  • 社会的インパクト評価

 

  • 社会的インパクトとは何か

 短期、長期の変化を含め、当該事業や活動の結果として生じた社会的、環境的なアウトカム(成果)

  • 社会的インパクト評価とは何か

「直接の結果(アウトプット)」と「成果(アウトカム)」の違いは何ですか?

  1. 「直接の結果(アウトプット)」はプログラムの実施回数や参加人数など、活動の直接の結果を示しますが、 「成果(アウトカム)」は子どもの学力の向上や社会情動的能力の向上など、受益者の変化を示します。 本手引きでは、「資源」「活動」「直接の結果」「成果」という言葉を上記の定義にしたがって使用します。

1.3 なぜ社会的インパクト評価が必要なのか

(背景) 国際的な潮流 資金の出し手の姿勢の変化:より成果を求める流れ

  • 2008年の金融危機をきっかけに、資金の出し手となる助成財団や投資家が、これまで以上に成果を求めるようになってきています。
  • 企業報告においても、企業の社会性を企業価値として捉え直し、発信しようとする非財務情報開示の流れがあります。 日本の現状 民間の資源を社会的課題解決に呼び込む必要性。
  • 急速な人口減少・高齢化が進展する中、社会的課題が多様化

・複雑化し、従来の行政中心の取組だけでは対応に限界があります。

  • このため、人材、資金といった民間に滞留している貴重な資源を呼び込み、営利・非営利を問わず社会的課題の解決に 取り組む意欲のあるあらゆる主体が公益活動の新たな担い手として評価され、その知恵や技術を最大限発揮し、成長できる環境を整える必要があります。
  • そのためには、まず担い手の事業・活動が生み出す「社会的価値」を「可視化」し、これを「検証」し、自らの組織・活動に 関する学びや改善、資源の提供者への説明責任につなげていく仕組み、すなわち社会的インパクト評価が公益活動の 基盤(インフラ)として定着することが不可欠です。
  • 公的部門における財政制約の高まりや、社会的課題の複雑化が進む中、民間の知恵や技術により、課題解決を図ろうとする流れがあり、社会的企業との協働の取組や社会的インパクト投資が急速に拡大しています。その前提とし て、事業や活動の社会的な価値を可視化する必要性が認識され、「社会的インパクト評価」が急速に普及しつつあります。

社会的インパクト評価は、民間の資金・知恵・技術により社会的課題の解決力を高める礎となります。

 

1.4何のために社会的インパクト評価を行うのか

 社会的インパクト評価を 学び・実施・改善 説明責任を果たす (アカウンタビリティ) 組織内部で社会的インパクトに係る戦略と結果を 共有し、事業・組織に対する理解を深め、 意思決定の判断材料を提供することで、 事業運営や組織の在り方を改善します。 外部の利害関係者(ステークホルダー)に 社会的インパクトに係る戦略と結果を開示します

1.5 どう社会的インパクト評価を活かすか (活用法)

 評価を実践し、活用することで様々なメリットが得られます。

 経営管理・意思決定

  社会的インパクトを最大化すべく、事業の改善や資源配分の意思決定に用います。

 資源獲得・成長

  目指す社会的インパクトの戦略や結果を開示することで、さらなる資源を呼び込みます。

 

  • 事業の検証を通じて、人材・資金の配置や配分の改善につながります。
  • 進捗や課題を把握することで、活動内容や目標を見直すきっかけにな ります。
  • 目標が共有されて活動に対する理解が深まり、関係者間の信頼向上 につながります。
  • 資源提供者等とのコミュニケーションが深まり、 人材や資金等を呼び込みます。
  • 投入資源と社会的インパクトの関係を明確にし、 有効性に関する根拠になります。
  • 自らが目指す社会的価値のメッセージの発信・PRが可能になります。

 

 

1.6 社会的インパクト評価実践の全体像

社会的インパクト評価 のためには

 まずはロジック・モデルを作る 評価する成果を考える 成果の測定方法を決める 評価のデザインを決める データを収集する データを分析する 事業改善につなげる報告をする。

 計 画 実 行 分 析 報 告 ・ 活 用 事業目標の実現に向けた、事業の資源、活動、直接の結果、 成果のロジック(因果関係)を整理します。 ロジック・モデルで整理した成果のうち、 評価の対象とする成果を選びます。 評価対象とした成果について、指標と測定方法を決めます。 どのように評価を行うかのデザインを決めます。 評価のデザインに沿って、決めた指標についてデータを集めます。 集めたデータを分析し、期待した成果が上がっているか、 課題や阻害要因を分析します。 分析した結果に基づき、事業を改善します。 結果を組織内外の利害関係者(ステークホルダー)に報告します。

 

第1章の振り返り あなたの組織では何のために社会的インパクト評価を行いますか。(目的)

また、どのようなことに活用しますか。(活用法)

この記事は日本経営士会 「環境経営士 ®」向けメルマガで発信している記事の転載です。

環境経営士については「環境経営士」で検索またはアドレスはhttps://www.compact-eco.com です。


社会的インパクト評価 シリーズ①

2021-03-17 09:40:19 | SDGs・CSR・環境経営

今回から 「社会的インパクト評価」に関する資料をCSR環境ニュースで数回に分けて発信します。

今後、環境経営士はSDGsに取り組むには社会的インパクト評価とはどのような事か学び実践が期待されます。

今回からの連載記事は内閣府が社会的インパクト評価を日本に広めるため PwCあらた有限責任監査法に研究委託、公開された資料です。ネットに掲載されていますから誰もが見れます。

内閣府委託

「社会的インパクト評価の普及促進に係る調査」

社会的インパクト評価実践研修 ロジック・モデル作成の手引き

www.pwc.com/jp 2017年1月 PwCあらた有限責任監査法

出所: 内閣府 社会的インパクト評価検討WG 「社会的インパクト評価の推進に向けて-社会的課題解決に向けた社会的インパクト評価の基本的概念と今後の対応策について-」 (2016)

 

 「日々の事業活動はどのように長期的な事業目標の達成につながっているのだろうか」

「事業活動の成果である社会的インパクトはどのように可視化できるのだろうか」

「社会的インパクト評価をしたいが、何から始めればよいのだろうか」

本手引きはそのような疑問を持つ社会的企業のために作成されました。

本手引きは社会的インパクト評価の一連のプロセスの中から、基礎的な導入部分(ロジック・

モデルの作成)について、実践的に学んでいただけるよう構成されています。

また、本手引きは社会的インパクト評価を支援する評価支援者の方にもご活用いただけます。

その際には、「第4章 評価支援者のための補足」を併せてご活用ください。

この手引きをより多くの社会的企業にご活用いただき、その事業や活動における学び・改善や

利害関係者に対する説明責任(アカウンタビリティ)を果たしていくきっかけとなることを願っています。

この手引きコンセプトは誰のために、何のために、何を、目的としているかは次の通りです。

誰のため?

  • 社会的企業 (営利・非営利を問わず、また規模の大小を問わず、社会的 課題の解決を担う組織)
  • 評価支援者 (社会的企業の評価を支援する個人や組織)

何のため?

  • 社会的課題の解決力を高めるため

何を?

  • 社会的インパクト評価のうち、基礎的な導入部分(ロジック・モデルの作成)

 

本手引きを使用されるときの心構え

「受益者」を中心に価値を引き出すために多様な意見を尊重して、まずはできることから。

社会的インパクトは「現場」にあります。

机上の空論ではなく、現場の受益者を第一に考えましょう。

「評価」は「査定」ではなく、「価値を引き出すこと」です。

社会課題解決のために、社会的インパクト評価をどのように活用できるかを考えましょう。

他者の意見を否定するのではなく、多様な意見に耳を傾け、お互いの意見を尊重し、建設的な対話を心がけましょう。

社会的インパクト評価は発展途上です。

また、評価の目的に応じてどれだけ厳密に評価を行うかは変わってきます。

 

まずはできることから始めるという姿勢が大切です

目次

  1. 社会的インパクト評価

1.1 社会的インパクトとは何か

1.2 社会的インパクト評価とは何か

1.3 なぜ社会的インパクト評価が必要なのか (背景)

1.4 何のために社会的インパクト評価を行うのか (目的)

1.5 どう社会的インパクト評価を活かすか (活用法)

1.6 社会的インパクト評価実践の全体像

 

  1. ロジック・モデル

2.1 ロジック・モデルとは何か

2.2 ロジック・モデル作成実践の全体像

- STEP1. 事業の目標と受益者の特定

- STEP2. 成果の設定

- STEP3. 直接の結果・活動・資源の設定

- STEP4. 最終確認

  1. 成果指標

3.1 成果の優先順位づけ、評価する成果の決定

3.2 成果指標の検討

 

  1. 評価支援者のための補足

4.1 評価支援者に期待される役割

4.2 ファシリテーションの4つのスキル

4.3 合意形成のスキル

-意思決定の方法(コンセンサス法)

-コンフリクトマネジメント

4.4 ケーススタディ (省略)

4.5 社会的インパクト評価推進のための

ロードマップ(案) (添付PDFをご参照ください)

[附録] -ロジック・モデル事例紹介

-分野別参考例    (添付PDFをご参照ください)

(教育、就労支援、地域・まちづくり)

-用語集

この記事は日本経営士会 「環境経営士」向けメルマガで発信している記事の転載です。

環境経営士についてはhttps://www.compact-eco.com をご参照ください。


関東経済産業局で取り組んでいるSDGs達成を通じた中小企業の企業価値向上・競争力強化向上に向けた自治体向け面的支援の概要についてのご講演です。

2021-03-02 09:50:29 | SDGs・CSR・環境経営

「SDGsを自治体に広める」ための講演が開催されます。

講演者:経済産業省 関東経済産業局 地域経済部 社会・人材政策課 奧野 寛未様

関東経済産業局で取り組んでいるSDGs達成を通じた中小企業の企業価値向上・競争力強化向上に

向けた自治体向け面的支援の概要についてのご講演です。

参加費:無料

日 時:3月25日(木)1時半~2時半

Zoom なので全国どこからでも参加可能です。 100名までで先着順です。

2時40分から 環境経営士対象にフォーアップセミナーが開催されます。

詳細お申込みはhttps://amcj-sdgs.jimdofree.com  の「地方創生SDGsに挑戦」トップページ

の最初の記事をご参照ください。