花水木の独り言

庭の大きなハナミズキの、白い蝶のような花びらや、真紅の葉に気持ちを託して・・徒然なるままにキーを打ちました。

正倉院展の季節

2005-11-08 | 美術館

一年で一番気候の安定した季節に いかにも日本らしい国宝展『正倉院展』が開かれています。

私は今年も出掛ける事は出来ませんでしたがNHKの「新日曜美術館」でその素晴らしさを拝見いたしました。

今回のテーマは囲碁。碁盤を木画紫檀棊局(もくがしたんのききょく)と言い、碁石を入れる引き出しがありますが、開くと相手の引き出しも同時に開くようになっています。

そして碁石はなんと白黒ではなく 紅色と青色に彫りが施されています。
其の名も難しく・・・
 



   《紺牙撥鏤棊子(こんげばちるのきし)》 と 《紅牙撥鏤棊子(こうげばちるのきし)》

現代の碁石より一回り小さく、象牙に紅・青を塗り彫刻を施し彩色されたものです。

聖武天皇と光明皇后が手にして遊ばれた事もあったことでしょう。
千有余年を経て今尚この瑞々しさを保ち続ける伝統の技に、畏敬の念を抱くと共にわが国の文化を誇らしく思う一時でした。