一年で一番気候の安定した季節に いかにも日本らしい国宝展『正倉院展』が開かれています。
私は今年も出掛ける事は出来ませんでしたがNHKの「新日曜美術館」でその素晴らしさを拝見いたしました。
今回のテーマは囲碁。碁盤を木画紫檀棊局(もくがしたんのききょく)と言い、碁石を入れる引き出しがありますが、開くと相手の引き出しも同時に開くようになっています。
そして碁石はなんと白黒ではなく 紅色と青色に彫りが施されています。
其の名も難しく・・・

《紺牙撥鏤棊子(こんげばちるのきし)》 と 《紅牙撥鏤棊子(こうげばちるのきし)》
現代の碁石より一回り小さく、象牙に紅・青を塗り彫刻を施し彩色されたものです。
聖武天皇と光明皇后が手にして遊ばれた事もあったことでしょう。
千有余年を経て今尚この瑞々しさを保ち続ける伝統の技に、畏敬の念を抱くと共にわが国の文化を誇らしく思う一時でした。