花水木の独り言

庭の大きなハナミズキの、白い蝶のような花びらや、真紅の葉に気持ちを託して・・徒然なるままにキーを打ちました。

春の里山を行く 頭高山・渋沢丘陵 

2006-05-21 | 里山 森林行
            【ハンショウズル】

人々の生活に深く結びついた里山は、人が作り出したもう一つの自然です。
そこは又、多くの生き物たちの棲む豊かな森でもありました。

秦野市の渋沢駅を南下して住宅の中を何度か曲がっている内に、畑や田圃・雑木林へと入って行き「ずっこうさん(303m)」へと上って行きました。北側に丹沢山塊を、西には箱根の外輪山をのぞむ位置にありました。

然しこの里山も、かなり荒れているところが見られました。広葉樹林と檜の樹林帯が連なっていましたが、日本における木材需要の減少と後継者不足が感じられて痛々しい思いを致しました。
しかし「この山をサクラの山にしよう!」のスローガンが掲げられていて、八重桜や梅の園も次第に出来てきているようでした。

さて 山は新緑に萌え里山ならではの花々の競演があり、虫たちもお目当ての花を求めて飛び交い、小鳥も繁殖の季節を迎えて喉を競っているのでしょう 「トウキョウトッキョキョカキョク」も聞き分けられましたし・・・

樹木では、サクラ ウツギ モミジとカエデ ナラ ミズキ カシ  等々でしたが、一つの小さな植物に心を奪われてしまいましたので、今日はそのことを書く事に致しました。

【寒葵 ランヨウアオイ】

見るも聞くも初めてでした。カンアオイの名前の由来は「葉の質が厚いため冬でも枯れない」と言う所から来ているそうです。沢山の種類がありますが、関東地方にはランヨウアオイが生育するようです。
一見汚いのですがこの一株のみでしたので撮りました。
実はあのギフチョウの食草なのです。
そして秋から冬にかけて3裂した花被の、がく片が筒になって釣鐘型の花をつけます。半ば土に埋もれたような所に地味な色合いで咲いていて、長いあいだ花の形を保ったまま残るそうです。

【ランヨウアオイの花】

腐葉土を掻き分けて、見つけていただいた時は嬉しさ半分 撮影も時間は掛けられず うす暗がりで不安半分でした。(フラッシュ使用)
シクラメンにも似たこの葉を、徳川家の家紋にしたのはなぜ?の興味に繋がって行きました。
検索すると「徳川家の三葉葵紋」は三河豪族といわれる松平、本多、伊那の諸氏が戦国時代に用いたとされ、家康が征夷大将軍に成ってからは権威ある紋として、一般の使用を禁止し 一門親藩だけに仕様を許したと有りました。

【オトメアオイ】

別の場所でオトメアオイの群落 と言っても5~6株でしたが、こちらの方がしっかりした葉でしたので御披露しました。小型で少しなで肩で乙女の表現が相応しいかと思った次第です。