花水木の独り言

庭の大きなハナミズキの、白い蝶のような花びらや、真紅の葉に気持ちを託して・・徒然なるままにキーを打ちました。

「レオナルド・ダ・ヴィンチー天才の実像」展

2007-04-14 | 美術館
昨年の秋頃より「イタリアの春2007」の中心催事として、目にしていましたが遂にその時がやってきました。
絵画は「受胎告知」のみと聞いていましたので・・・しかし開催が近かずくにつれて、その天才ぶり・万能ぶりが展示されている事を知るに至りましたが、この目で拝してその膨大さに圧倒され続けたのでした。

展示は平成館では足りず本館にまで及んでいました。このような事は始めての経験でした。

Ⅰ レオナルド・ダ・ヴィンチの生涯
Ⅱ 【受胎告知】-思索の原点
Ⅲ レオナルドの書斎
Ⅳ 「かたち」のとらえ方
Ⅴ 万物の「運動」
Ⅵ 絵画への結実

レオナルドは生涯を通じて思考と探求の結果、あらゆる学術の中で絵画が最上位に有ると考えました。それゆえ、絵画は自然界のあらゆるかたちを完全に模倣できるだけでなく、実存しないかたちをも生み出すことも可能だとしたのでした。

レオナルド・ダ・ヴィンチの現存する絵画は世界に十数点とされていますが、二十代の始めに描かれた「受胎告知」は実質的なデビュー作になりますが、後に探求し続ける様々な主題の起点を見出すことの出来る作品なのです。

【受胎告知】
     


私が世界で一番好きな《絵》それが《レオナルド・ダ・ヴィンチの受胎告知》でした。聖母マリアの神々しい顔に魅了されていたのです。「ウフィツィ」に行って見たい!!
そして遂に1996年イタリア紀行は実現しました。
外国の美術館を見たのも初めてでした。なんと言う華麗さでしょう。
《受胎告知》のある部屋にはボッティチェリのプリマベーラがあったことは憶えているのですが、その外十数点の絵画の中で目的の絵の前を動けなかった事を思い出しました。
ところが見終わって、ミュージアムショップで一枚の絵ハガキを見たことで180度転向してしまったのです。フィリッポ・リッピの「聖母」。あれから10年経ちますがいまだ変わりなく・・・

【聖母マリア (受胎告知)】
     
     
【聖母 (聖母子像と二人の天使:フィリッポ・リッピ】
     

余談を入れてしまいました・・・

【少年キリスト像 : ローマ ガラン・コレクション】
     

特別展示【少年キリスト像】 伝レオナルド・ダ・ヴィンチ 
広い展示室の中に小さなテラコッタ像が一体置かれていました。

天才の頭脳には到底付いてゆけるはずも無く、クエッションマークと渦巻きの重苦しい頭脳を此処に来てスッキリとさせてもらうことが出来ました。

『あくまでも【伝】ですが、ローマ・ガラン(彫刻家)がアスコリ・ビチェーノ修道院から購入した胸像です。
ダビンチが幼いキリスト像を造ったと書き残しており、解剖学的に正確な描写、繊細な頭髪、薄い衣服、微かな眉毛、憂いを帯びた表情 こうした要素は「受胎告知」の天使や「最後の晩餐」のキリストと共通している。
最後の晩餐の制作年代をもとに1495年頃の作品と考えられる。』 と付記されていました。

シアタールームでの解説を聞き、ミュージアム・ショップでゆっくりして、本館の「受胎告知」の列に並び 立ち止まらないで拝して、これで全てが終了となりました。