医療・介護職の方から相談をうけたりすることが多く、産業医的な視点で関わらねければならないこととして、職業性腰痛があります。今日は外山先生が職業性腰痛について、朝の勉強会をやってくれたので、その内容をのせます。
<職業性腰痛(主に介護職)のマネジメントについて:産業医的視点から>
■介護施設での腰痛実態調査:伊藤、日本腰痛学会誌2009
介護スタッフの33%が腰痛によりADLやQOLが低下している(RDQ:QOLを加味したテストバッテリーで評価、N=約900)
■介護施設での対策調査(北陸の29施設):辻口ら、看護実践学会誌2011
腰痛保護ベルトの紹介:療養病床75%、老健29%、特養17%
電動介護ベッドの割合:療養病床33%、老健50%、特養85%
⇒コルセットは有効なものと考えられている?電動ベッドの普及率は意外と低い
■コルセットは腰痛予防にならない:van Duijvenbodeら、Cochrane 2008、
腰痛既往のない場合、職業性腰痛の予防としてコルセットは推奨されない:CDC NIOSH Back Belt Working Group 1994
■急性腰痛があっても普段の活動を維持すべき⇒痛みの改善、休業期間の短縮、再発減少に有効。Waddellら、Occup Med 2001,イギリスの職業性腰痛ガイドライン
■医療者によるカウンセリングが早期復帰や再発予防に有効:Du Boisら、Spine 2012
7つのポイントを含むカウンセリング(N=506、ランダム化):「腰痛以外に悪いところはない」、「椎間板の炎症や変形に筋肉が反応し凝りや痛みをおこしている」、「慎重になりすぎたり休みすぎたりすると凝りや痛みが悪化する」、「恐怖や痛みの予期により筋肉が反応し痛みが起こりうる」、「軽度の身体活動は改善を促進する」、「半数は6週間以内に、大多数は3か月以内に病気休暇から復帰する」、「腰痛に自分を従わせてはならない」⇒有意に一年後の職場復帰率高く、再発率が低かった
■長期休職者(100日以上)に関連する要因(N=2215、30日以内の短期休職と比較)は、重労働、事業所規模が小さい、喫煙、心理的問題⇒禁煙指導や心理的サポートも重要:小西ら、日本職業・災害医学会会誌2006
勉強会でも話題にあがったのが、(腰痛との関連が明らかになっている)ストレスの影響をどのように査定し、それに対してアプローチしていくかということでした。今回はそこは主題となっていませんが、それだけで、勉強会1回分になりそうですね。
<職業性腰痛(主に介護職)のマネジメントについて:産業医的視点から>
■介護施設での腰痛実態調査:伊藤、日本腰痛学会誌2009
介護スタッフの33%が腰痛によりADLやQOLが低下している(RDQ:QOLを加味したテストバッテリーで評価、N=約900)
■介護施設での対策調査(北陸の29施設):辻口ら、看護実践学会誌2011
腰痛保護ベルトの紹介:療養病床75%、老健29%、特養17%
電動介護ベッドの割合:療養病床33%、老健50%、特養85%
⇒コルセットは有効なものと考えられている?電動ベッドの普及率は意外と低い
■コルセットは腰痛予防にならない:van Duijvenbodeら、Cochrane 2008、
腰痛既往のない場合、職業性腰痛の予防としてコルセットは推奨されない:CDC NIOSH Back Belt Working Group 1994
■急性腰痛があっても普段の活動を維持すべき⇒痛みの改善、休業期間の短縮、再発減少に有効。Waddellら、Occup Med 2001,イギリスの職業性腰痛ガイドライン
■医療者によるカウンセリングが早期復帰や再発予防に有効:Du Boisら、Spine 2012
7つのポイントを含むカウンセリング(N=506、ランダム化):「腰痛以外に悪いところはない」、「椎間板の炎症や変形に筋肉が反応し凝りや痛みをおこしている」、「慎重になりすぎたり休みすぎたりすると凝りや痛みが悪化する」、「恐怖や痛みの予期により筋肉が反応し痛みが起こりうる」、「軽度の身体活動は改善を促進する」、「半数は6週間以内に、大多数は3か月以内に病気休暇から復帰する」、「腰痛に自分を従わせてはならない」⇒有意に一年後の職場復帰率高く、再発率が低かった
■長期休職者(100日以上)に関連する要因(N=2215、30日以内の短期休職と比較)は、重労働、事業所規模が小さい、喫煙、心理的問題⇒禁煙指導や心理的サポートも重要:小西ら、日本職業・災害医学会会誌2006
勉強会でも話題にあがったのが、(腰痛との関連が明らかになっている)ストレスの影響をどのように査定し、それに対してアプローチしていくかということでした。今回はそこは主題となっていませんが、それだけで、勉強会1回分になりそうですね。