千葉三大ご当地麺「アリランラーメン」総本山
圏央道の茂原長柄スマートインターから車で7分程度。茂原市と市原市を結ぶ茂原街道沿いにある「八平の食堂」へ。こちらは、竹岡式ラーメン、勝浦タンタンメンと並び千葉三大ご当地麺に数えられる「アリランラーメン」の元祖だ。「ご当地麺」とは言うものの、親族経営のため、竹岡や勝浦に比べ分布は局地的である。
それにしても、なぜ「アリラン」なのか。それは発祥である「八平の食堂」が峠道にあることから、韓国のアリラン峠に引っ掛けたのが始まりだそう。峠越えにはスタミナが必要なので、タマネギ、豚肉、ニンニク、ニラ、ネギを使ってピリ辛の醤油スープに仕上げてある。その個性的な一杯を生み出したのが「八平の食堂」店主の古市豊氏だ。
現在、その本家本元のアリランラーメンを啜れるのは、本店である「八平の食堂」と、長南町の山奥にある「らーめん八平」のみである。以前は「八平」の親族が市原市で経営する「味覚」でも啜れたが、残念ながら2019年9月末、ご主人の引退により閉店。中毒性の高い味わいだけに、惜しむファンも多かった。
さて「八平の食堂」だが、店内はカウンター、テーブル、小上がりが混在。まずは玄関口でボードに名前を書き、呼ばれてから入店するファミレス方式だ。メニューは主役の「アリランラーメン」に加え、醤油清湯の「らーめん」や「味噌らーめん」も提供している。ライスもあるのだが、夕方は売り切れているケースもあるのでご注意を。
今回オーダーしたのは「アリランチャーシュー」。一杯1200円はいささか高いが、ここまで来て後には引けない。7分ほどで到着したのは、大判のバラロールチャーシューが乗った、ニンニクアロマが香る豪快な一杯。スープは豚や魚介の出汁に醤油のカエシ、タマネギ、おろしニンニクを加えたハードパンチな飲み口だ。
嫌でも体が芯からアツくなる。麺は自家製の中太ストレートで、柔らかくコシは無いがスープをよく吸って旨い。その麺にタマネギを絡めながら啜り上げる。チャーシューだけでなく、スープには無数の肉片も混じっていて、もう箸が止まらない。この日、ライス売り切れなのは残念だったが、何ともクセになる一杯だ。近くに寄られた際は是非。
<店舗データ>
【店名】 八平の食堂
【住所】 千葉県長生郡長柄町山根1201
【最寄】 圏央道「茂原長柄スマートI.C.」より車で7分