スタミナラーメン発祥店の人気メニューは…
JR勝田駅東口から歩いて2分。飲食店が数軒立ち並ぶ元町通りで昭和50年頃から営業する「手打らーめん 大進」へ。こちらは、水戸のご当地麺「スタミナラーメン」発祥の店として知られる。創業者が餡かけラーメンを発案し、それを当時店長を任されていて、後に「松五郎」を開店する長井順一氏がスタミナラーメンへと進化させた。
ご存知ない方のために。水戸の「スタミナラーメン」とは、かつては廃棄されており安く仕入れられた豚レバーに、キャベツ、カボチャ、ニンジン、ニラといった野菜を具材とし、トロみのある醤油味の甘辛餡でまとめたご当地麺だ。魚介系スープの「ホット」と、冷たくシメた麺に餡をかけた汁無しの「冷やし」の2種で楽しめるのも魅力である。
さて「大進」は、昭和54年に今のご主人・川崎正悟氏が経営を引き継いだ。すると川崎氏はスタミナラーメンに続く看板メニューとして「焼肉ラーメン」を開発。スタミナ同様に餡かけスタイルだが、差別化を図るべく具材は肉のみ。日立の企業城下町、工場労働者の多い勝田ならではの一杯で、現在は店の人気No.1メニューだそうだ。
お店が昼のみの営業ということもあり、ランチ時には連日大行列が。店内はL字カウンター6席と2人がけテーブルが4卓。麺メニューはスタミナ(680円)、焼肉(690円)、焼肉カレー(750円)が、それぞれスープ有りの「ラーメン」と、汁なしの「冷やし」を用意している。ほかにもラーメン、塩ラーメン、五目タンメンなどもラインナップ。
注文したのは「焼肉冷やし(690円)」だ。並盛は丼ではなく深皿での提供。皿の縁から溢れそうな餡は唐辛子がピリっと効いており食が進む。甘みは強すぎずクドさが無いのが嬉しい。そして片栗粉の衣をまぶして揚げた豚バラ肉がゴロゴロと。少しサクサク感の残る衣に餡が絡み付き絶品。これはノッケから箸が止まらないぞ。
そのヘビー級の餡を受け止めるのは、手打ちの極太ちぢれ麺だ。ツルっとした食感でコシもある。餡に目が行きがちだが、麺も素晴らしい。トッピングの刻みネギ、コーン、ワカメが脇役としてアクセントを与えてくれる。夢中で啜り、あっという間に完食してしまった。この一杯で700円を切るとは恐れ入りました。
<店舗データ>
【店名】 手打らーめん 大進(だいしん)
【住所】 茨城県ひたちなか市元町2-4
【最寄】 JR常磐線「勝田駅」東口徒歩2分