人は個々に長所や短所がありますが、頭を使って生きていく事に変わりはありません
例えば、走るスピードが亀のように遅いチーターがいる訳ありませんね
それと同じように人間は頭脳を使って生きる生き物です
同じチーターでもスピードを競えば若干の差が生まれてくるでしょう
同じように人間の頭脳の働きを比べたら個人差があるのは当然のことです
鍛えればどこまでも強くなるのか?と言えば限界があるのも当然で
その限界に向かって挑戦し続ける人とそうでない人では歴然とした差が出てくるのですが
挑戦しない事が悪いのか?というと「悪い」とは断言出来ませんよね
しかし、思いやりや優しさ・正義感を持たない人間は時として「悪い」と言えるでしょう
学力と入試力は近いですが別枠として考える事ができます
人間力は別枠でしょう
しかし人間力は学力と同様、いえ、それ以上に生きていく上で必要とされる力だと思いませんか?
この3つの力を伸ばしていくのが教育だと私は考えています
学校のテストが良いだけでは最終学歴となる大学受験には通用しません
入試力があって志望校にストレート合格しても、人間力が弱くては社会で通用しません
この3つを同時進行で育てる事が教育の理想だと思います
高校受験用のまとめ教材(国語)の中でこんな論説文を見かけました
書籍として販売されているのでご覧になったかもいらっしゃるかと思いますが
少し紹介させて頂きます
*手短にまとめますので、文章そのままではない部分があります
教える側を中心に教育と言う営みをやめて、学んでいる側に視点を置いて考えてみようという
主張が強くなって来た。
教育と言う言葉を当たり前に使っているけれど教育と言う営みは誰かが誰かにまず「教え」なければならない
という性格を持っている。
しかし、違うだろうと言うのだ。教えるというのは、むしろ学ぶという行為を上手に支える営みであり、
大事なのは学ぶ側がどれほど深いよい学びが出来ているかということではないか、というのだ。
〜中略〜
「学び」のプロセスは、何らかの感情の動きを伴っている。例えば新しい事態を以前の「知識」では理解出来ない時に
誰かから説明を受け、なるほどそうだったのかと納得し、それを取り込んで新しい「知識」を自分の中に作る時、
その人は(小さな)感動と言う感情を体験するはずだ。自分で調べて発見して納得し、新しい「知識」を自前で
作り上げるときも、感情の大きな動きを体験する。
〜中略〜
「学び」の意味をこのように考えてくると、そこに必ずしも「教え」という事が必要とは限らない
と言う事が理解されるだろう。と同時に、私たちの「学び」の姿勢と言う事が大事な問題になってくる。
〜〜〜ひょっとしたら、上手に生きる人というのは小さな体験から本質的なことをも深く「学び」とれる人なのかもしれない。
生きる事は「学び」の質や深さに支えられる面があるのだ。
「学び」は双方に左右される営みだということになる。「学び」は感動を生み、自分で「知識」を創造する意欲をかき立ててくれる
物であるべきだ。〜〜〜〜自分が生きている時代の事実そのものがより深く見えてくる時、また、その時代を生きている
自分自身が何をして生きていきたい存在であるのかと言う事が見て来た時、そして、この私が誰といっしょに生き、誰に支えられ、
誰を支えて生きているのかと言う事がわかってきたとき、である。
時代が見え、自分が見え、他者が見える、そうした「知識」が創造できる「学び」こそ、私たちは求めているのだと思う。
〜汐見捻幸先生「『学び』の場はどこにあるのか」より〜
いかがでしたでしょうか?
中学3年生が読む論説文です
ですが、私たちがもっと深く考えなくてはならないテーマでもあります
今日は中学生と高校生の塾内テストを実施しています
先週実施された学校のテスト結果報告をしてくれた生徒さんは
英・国・数の300点満点中、271点でした
平均すると90.3点になります
学力の高い生徒さんです
しかし、入試問題を前にすると全く歯が立ちません
もちろん、未習単元もありますから100点満点計算は出来ませんが
それでも、既習単元はもう少しとれても良かったのではないかと思います
一度この入試問題を解いてから入試力をつける学習を始めると
入試問題を解いていない生徒さんより、圧倒的に学習に対する意欲に違いが出てきます
賢い生徒さん達は、入試と言う分岐点までに
自分が何をし、何を学び、何を鍛えなくては行けないのかを自分で考えていきます
テスト範囲を嫌々やっているのとは既に次元の違う話と言う事ですね
そして、「学び」に対する素直な気持ちが必要になります
小さな間違いを指摘される受験期に支えてくれている人の気持ちや、その恩恵を理解できないようでは
伸びしろは大きくはないと言う事です
伸びしろの幅を広げ、それを知識で埋めていくには
学力・入試力・人間力のどれもが必要となってきますね
今日は汐見先生の文章を引用させて頂きながら、子どもを伸ばす力について書かせて頂きました