私の子どもの頃はお稽古事といえば
そろばんやお習字などで、スイミングやダンスなどといったお稽古に通っている
お子さんはほとんどいなかったように思います。
教育に熱心な親御さんは情操教育に敏感で小学校前から
様々な習い事に通い、お子さんの感受性や可能性を引き出していらっしゃりとても感心します。
私自身も妊娠期に「胎教」の本などを読み、よくお腹に向かって話しかけていました(*^。^*)
子どもの脳はスポンジのごとく柔軟に素早く様々な事を吸収します。
しかし、絶対音感のような特定の年齢を超えたら身につかないと言われている分野もありますね。
幼少期に音楽や絵、スポーツ等を習い、多方面から刺激を与える教育はとても良いと思っているのですが
最近、少しそうした教育が行き過ぎている気がします。
幼少期から始めた教育をそのまま高学年、更には中学・高校まで続ける事が
本当にお子さんの為になるのでしょうか?
社会に出た時、一つの事に特化してきた事は良く見られるのですが
そのせいで、肝心な事がおそろかになってしまっては本末転倒です。
例えば、武道をやって、幼いころから挨拶がよく出来、礼儀正しく正義感の強い大人になれたとしても
「指示待ち」に育ってしまっては社会からの評価は下がるでしょうね。
一つのスポーツで活躍してきても、学業を疎かにし続ければ
いずれ挫折する事にもなります。
なぜこんな事を書くのかと言えば、受験期や中学では定期テスト前でも
そうしたお稽古事を優先させているご家庭が増えている様に感じるのです。
多くの中学では定期テスト前は部活動が休部になるのですが、試合が入っていたりする部活動は
試験中でも活動は続行されます。
そのせいで成績が振るわないという言い訳を認めてくれるのは世間にどれほどいるでしょうか?
実際、それでも学力を維持し続ける生徒さんはいます。
しかし、その生徒さんと学力を維持できない生徒さんとの大きな違いの一つは「体力」でしょう。
勉強にも体力は必要です。机に向かっていても集中して学習するには体力が無くては部活動後に
有意義な学習は出来ません。
その体力を既に蓄えている生徒さんとそうでない場合は明らかに違いが出ます。
また小学校から培ってきた基礎学力の違いもあります。
基礎が作られていれば、同じ学習時間でも身につく学力には差が出ます。
集中力が無い生徒さんの場合、原因は体力だと思っています。
もちろん、他にも原因はあるのでしょうが、この「体力」を外す事はできません。
体力と聞くとスポーツマンや持久走などに強いイメージがありますが、それとは少し違うと思います。
ここでいう体力はむしろ忍耐力の方が近いかもしれません。
ここまで私が書いてきた「体力」という言葉を忍耐力に置き換えてみてください。
そして通わせているお稽古でその体力が培われているか?
我が子の為にとしてきた事が本当にお子さんの為になっているか?
学力とお稽古のバランスを見直しても良い時期かもしれませんね。