歴史好き歯医者のひとり言~ 「ジョニーは戦場へ行った」「西部戦線異状なし」「アラビアのロレンス」 すべて映画史に残る金字塔です。 共通の舞台は第一次世界大戦。 従来の戦争と違い、第一次世界大戦は宗教や階級闘争に代わり、民族、経済が戦争の導火線となり、各国の思惑が入り乱れ、全世界に戦場が拡大された、人類が初めて体験する総力戦でした。 日本も日英同盟により、イギリス側(オスマン帝国を除くほとんどの国がイギリスやロシア側)、で参戦しております。 敵国ドイツ人兵士を、徳島県鳴門市の坂東捕虜収容所に迎え入れた際の、我が国の誠意ある待遇は、彼らを狂喜させ、戦争史に残る人道的処遇として、語り草になっております。 映画「バルトの楽園」が史実に忠実に描いております。 従来の戦争においては、争いの途中、一時休戦し、敵味方でエールを送るという騎士道精神のような場面が見受けられましたが、第一次世界大戦において、そのような光景は消失し、敵の消滅を目的とした徹底的な破壊行為が繰り広げられました。 それが現在に繋がっておりますね。ちなみに、騎士道精神が残った最後の戦争は、日露戦争だといわれております。 毒ガス(マスタードガス)、戦車、飛行機の登場も第一次世界大戦からです。 ところで、時代は流れ、第二次世界大戦中にアメリカの輸送船が、大量のマスタードガスを積んだまま沈没し、多くの犠牲者をだすという事故が起こりました。 事故後に負傷者を調べると、白血球の著しい減少が観察されます。「これはマスタードガスの影響に違いない」ある医師が、逆の発想にたどり着きます。「マスタードガスで白血球が破壊されるなら、それで癌細胞の増殖も抑えられるはずだ」 そして、抗がん剤が誕生したのです。 戦争が医学、科学を飛躍的に進歩させる、という悲しい事実を克明に物語っておりますね。 冒頭に出した「ジョニーは戦場に行った」 両手両足を切断され、視覚・聴覚・臭覚・言葉を失った、帰還兵の物語ですが、多様な解釈は必要なく、反戦がテーマ、さらに考えると尊厳死を現代に説いているようにも思えます。 無表情が表す主人公の内なる思いに、戦慄が走らざるを得ません。 是非、ご覧ください。 本年の11月11日が、第一次世界大戦戦後100年ということをFB上で知り、書き込みました。