歴史好き歯医者のひとり言~ 毎年、今日、11月25日に書き込む出来事があります。 1970年、11月25日、ノーベル文学賞候補作家、三島由紀夫が自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決しました。人はよく、「あの日、何をしていた?」と自分の履歴を三島事件と一つの光景にまとめ、問いかけてノスタルジーに浸ったりします。 僕は2歳、記憶のかけらさえ残っておりません。 三島由紀夫という天才を論じる時、小説、戯曲、文章ではなく、まず言葉が先行します。ひとつひとつの単語です。 彼は、頭の中を言葉が渦巻いて止まらなかったと思います。 具体的、抽象的な一つの事象が彼に刺さると、言葉をすくい出し、それに後から後から言葉が付いてくる。 あたかも、ハトに餌をやると次々にハトが集まってくるが如くにです。 あえて、言うなら(言うのは恥ずかしいのだけれど、言う権利はあります)、文章に無数散りばめた比喩を抑制するべきでした。才能を抑え込むべきでした。そうすれば、ひとつの比喩表現のすばらしさがさらに引き立ったような気がします。ダイヤモンドばかりだとダイヤモンドの美しさに慣れてしまう、フランス料理のフルコースばかり食べているとその美味しさになれてしまうのと同じ如くにです。 新橋に「末げん」という鳥すきの料理屋があります。 11月24日、自決前夜、三島由紀夫が最期の晩餐をしたお店として有名です。ランチは900円、夜も一人1万円のとりすきコース、お手頃ですから、是非行かれてください。 自分は5年前、弟夫婦と、近所の鳥塚さん(鳥ちゃん)とで、伺いました。