2020年 中国
◆おススメ度
★★★☆☆
◆キャスト
花小麦(かしょうばく):タン・ミン
孟郁槐(もういくかい):ヤン・カイチョン
花二蕎(かじきょう):シーチン・カオリー
景泰和(けいたいわ):リウ・チャン
関蓉(かんよう):リウ・ジンイー
孫大聖(そんたいせい):スン・イー
◆感想
ちょっと今まで見てきたドラマとは毛色の違った、ほのぼの癒し系なドラマでした。
花小麦というヒロインが、昔食堂を営んでいた祖父直伝の料理の腕と知識、そして天性の才能を併せ持った料理の天才っていう設定。
両親を亡くし、祖父の元で育った小麦。その祖父も亡くし、身寄りがなくなり火刀村に嫁いだ姉の元に身を寄せています。しかし、この姉が
料理の才能0(ゼロ)。どうやったらこの食材をここまで不味く調理できるんだっていう料理ばかりを作って、痩せている小麦に無理矢理食べさせ
ようとする毎日。
小麦は、姉の料理から逃れるため毎日山に行って新鮮な魚、キノコなどの食材を採ってそれを調理して食べるって言うことを一人楽しんでいました。
そんな小麦はある日、崖に生えた美味しい食材になるキノコを発見。すぐに取りに行きますが、足を滑らせてあわや落下、っていうところで黒い
馬に乗った武芸者風の青年に助けられます。
イケメンで胸板の厚い青年に抱き留められて思わずときめいてしまう小麦。
近所のおじいちゃんに聞いて、それが村の東に住む孟郁槐(もういくかい)であることを知ります。
翌日、姉の使いで鍛冶職人の義兄の職場へお弁当を届けに行く小麦。門越しに、鍛冶店を手伝う郁槐に遭遇し、驚き転んでしまいます。
手を擦りむいてしまった小麦を心配し、景泰和が家まで小麦を送り届けると、仕事を手伝ってくれている郁槐と孫大聖に夕ご飯を振舞うと泰和に
伝える姉。
あの、ひどく不味い料理を二人に食べさせるのかと驚く小麦。
郁槐に、下手なものを食べさせたくないと思った小麦は、どうしても我慢できずに姉に自分に料理をさせてくれと必死で頼み込みます。
可愛い妹に料理なんてさせるわけにはいかないと、なかなか譲ろうとしなかった姉二蕎でしたが、料理をするのが好きだという小麦の必死の説得に
どうにか応じ、半信半疑で小麦が作った肉餅を食べ、その美味しさに驚きます。
こっから小麦の料理人人生の始まり。
小麦の料理が美味しいと、町の有力者の耳に入り、宴会を任されたり、近所の商人の藩さんの勧めで大きな町で菓子と調味料を売ることになり、
それが評判になったり。
義兄の泰和が、郁槐、大聖と幼馴染で兄弟のように育ったって言うのもあり、その後も自然と小麦と郁槐は接点も増え、仲良くなっていきます。
小麦のために何かしてあげたいと思う泰和と郁槐は、屋台を出したいという小麦のために、手作りで屋台と調理道具等を作ってあげます。
そうして、小さいお店の主人となった小麦は、郁槐との恋も少しずつゆっくり育て、結婚。そして村の外れに食堂を出店。
そこからさらに、郁槐の仕事関係の人たちにも小麦の料理の腕の評判が広まっていき、街に引っ越して大きなお店を借り、本格的に酒楼を始め
たり、料理の大会に出て優勝したり。
途中、小麦に嫉妬する料理人や、ライバル酒楼の経営者たちに嫌がらせをされたりもしますが、大きな壁にぶちあたることもなく、ほんとに
ほのぼのと楽しく料理して幸せに暮らす小麦とその周りの人々のお話です。
最初は、山から帰った小麦を叱る姉二蕎の剣幕が凄すぎて、姉に虐められるヒロインがそれでも料理の才能を発揮し・・・とかいう話なのかと
思っちゃいましたが、姉の気が強いだけで仲の良い姉妹でした。
小麦も気が強くて無鉄砲でおてんば、みたいな設定なのに、姉のおこりんぼうキャラが凄すぎて、小麦が可愛く見えます。そういう効果を狙った
姉のキャラ設定なのかもです。
郁槐と小麦は、夫婦になってもなんだか奥手でいつまでも初々しい感じだし、そういったところも今までになく色々新鮮な感じのドラマでした。
郁槐の隣の家に住み、郁槐に幼い頃から思いを寄せ、小麦に嫉妬して陰湿な嫌がらせをしてくる関蓉(かんよう)。彼女が、ほんと絶妙なブス
っていう役を演じててすごいなと思いました。この人を演じてるリウ・ジンイーっていう女優さん、検索するとモデルもやっていてけっこう
フツウな感じの女性。それが、メイクと表情と姿勢でほんとに性格の悪そうなブスい女になってて。ちょっと驚きでした。(SHY48の人なの?)
あと、郁槐の母。彼女も気が強くて性格に難あり、っていう設定で、小麦の姉は郁槐の母の気性の荒さのせいで小麦を郁槐に嫁がせたくない
と思っていたほどなんですが、話が進むうちに、そうでもないっていうことが分かってきて、そこらへんもちょっと泣いちゃいます。
そして、なんかときどきすごく美人なところが漏れ出ちゃってるし。
それから、小麦が居候してた姉夫婦の家の外にある台所がやたら景観が良くて素敵すぎて気になりました。
常にきれいな水が流れていて、水車があって、藤棚があって、みたいな。
「花小厨」って訳すと花ちゃんの可愛いキッチン、みたいな感じになるらしいですが、まさにここのことかも。
料理ドラマなだけあって、調理シーン(鍋の中で具材が躍るようなシーン)の尺が長めですが、料理も美味しそうなんだけど、調理過程のシーン
がまぁまぁ中途半端で、真似して同じ料理を作れる感じではないなって部分がちょっと難点でしたが、そういう意図のある番組ではないとは
思うので仕方ないです。でも、肉餅(ロウビン)くらいは真似して作れそうかなーっとちょっと思いました。
アットホーム系の昼ドラみたいな感じでなかなか面白かったです。