前回の続きで全員協議会での「地域医療の充実について」です。
大田市立病院のあり方検討会が設置されました。
検討会のメンバーは病院側から副院長、臨床研修部長、副看護部長、事務部長の4名、
大田市側からは医療対策本部顧問、総務部長、市民生活部長の3名、
加えて、社会保険診療報酬支払基金 島根支部 医療顧問、県央保健所長、前こころの医療センター看護局長
の学識経験者3名を含めた計10名です。
検討をする内容については
1.自治体病院としての役割、責任、基本方針等の検証・確認
2.診療機能の検証・考察
3.組織体制のあり方(現有組織の課題と効果的な組織体制への再構築)
4.経営環境の考察(経営分析・評価・対策)
5.1~4までの論議を踏まえ、具体的な目標の設定および戦略の構築(短期・中長期)
ということです。
平成21年3月に5年間を対象とした「大田市立病院改革プラン」が策定されましたが、
急激な医師不足によりこのプランは事実上頓挫したと思っています。
平成22年12月に評価委員会がまとめた21年度実施状況の点検・評価報告書によると
「民間経営手法の導入」「経営形態の見直し」「収支計画」はC評価(目標が未達成である)、
「収入増加・確保対策」「経費削減・抑制対策」「人材の確保・育成」「再編・ネットワーク」はB評価
(取組みはしているが、現状未達成である)でした。
21年度決算時で累積赤字約17億1千万円を抱え、
実質的収支を表す「補てん財源発生額+資本的収支」は同じく21年度決算時で約4億3千3百万円の赤字計上。
おまけに、22年度予算では約7億3千8百万円、23年度予算では約7億8百万円の赤字を見込んでおり、
このままだと過年度分損益勘定留保資金(実質上の貯金)が1~2年で底をつき、経営破たんの可能性もあります。
救急告示指定の復活が無い中で経営を抜本的に見直していくことは難しいかもしれませんが、
このまま、なおざりにするのはもっと悪いことです。
経営を改善していくには事務側だけの努力でなく、医師や看護師、他のスタッフ含めたすべての人の意識改革と
協力が必要です。
今の時期、経営環境を含め、組織体制全般にわたってあり方を今一度検討するのは良い機会だと思います。
11月までに5回程度検討会を開催し、市長に報告を行うとしていますが、その後の中~長期的なプランの
礎となるようにしっかりと検討して頂きたいと思います。
良質な医療提供に基づき、市民の安全・安心を確保し、市民に愛されてこそ自治体病院であると考えますし、
より良い方向へ舵が取れるような気がします。