前回に示した通り、私なりに成24年度一般会計当初予算を読んでいきたいと思います。
最初に大きな区分ごとに予算の歳入・歳出を示しておきます。
まずは歳出(性質別経費)から。
ハード整備等の各種社会資本など支出の効果が長期にわたる経費である
「投資的経費」(普通建設事業費 + 災害復旧事業費)は約53億5800万円(構成比:22.1%)で
23年度より約26億6400万円(伸率:98.9%)も大幅に増額。
「義務的経費」(人件費 + 扶助費 + 公債費)は約115億8300万円(構成比:44.7%)で
23年度のそれより約1億5000万円(伸率:▲1.3%)ほど減少。
一見して喜ばしい状況のように見えますが、人件費の削減額は22年度から23年度の▲1.7%に比べ
23年度から24年度にかけては▲0.3%の削減に過ぎません。
逆に扶助費は22年度から23年度の4.5%の増から23年度から24年度にかけては7.7%も増額。
公債費(公債の返済額)は7.9%から▲8.8%と大きくマイナスに。
「義務的経費」の全体の減少は公債費のマイナスが大きな要因であることが解ります。
次に歳入を見てみましょう。
「市税」は23年度と比較して約1億円の減収(伸率▲2.8%)。
22年度から23年度にかけては0.6%微増していただけに残念な見通しです。
市税を含む「自主財源」は約51億3200万円(構成比:21.1%)で、
約1億3700万円(伸率2.7%)の増収の見込みです。
しかしこれも基金からの「繰入金」の増収による影響が大です。
基金からの繰入は約6億1300万円で23年度より約3億300万円(伸率97.7%)の増となっています。
特に財政調整基金からの繰入が0から9800万円と皆増となっています。
続いて交付税(普通+特別)です。
24年度は約101億3100万円(構成比:41.7%)で伸率は2.2%(約2億1900万円)。
引き続き大きく依存しています。
最後に市債(臨時財政対策債を除く)です。
24年度は約41億4400万円(構成比:17.1%)で23年度より約25億4500万円(伸率159.2%)の増となっています。
22年度から23年度の伸率が4.7%(約7200万円)ですから桁違いの増となっているのが解ります。
全体的にみると、年度中に行いたい事業(事業費)は昨年度に比べて大幅に増えたけれども、
予算が足りないので基金からの繰入と市債の大幅な増収によって賄おうとしているということです。
このことにより財政指数(普通会計ベース)を見てみると、
地方公共団体の財政構造の弾力性(ゆとり)を判断する代表的な指標である「経常収支比率」は
0.4ポイント悪化し93.3%に、地方債現在高は約23億8200万円増えることになりますが、
単年度の公債比率は前年同の17.3%、自治体の経営健全化を判断する「実質公債費比率」は、
23年度の18.2%より1.2ポイント改善し、17%となる見込みです。
以上が平成24年度一般会計当初予算の数字的な実証です。
次回は具体的な事業について触れたいと思います。
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