老犬のタチがここ数ケ月の間で急にヨボヨボしてきた。
数年前から寒い時期になれば土間で過ごしているが 今年は足腰がいっそう弱ってきた。
木曜の朝、はっと思いついて首輪を外した。
弱った体には皮の首輪はさぞ重く感じたことだろう。。。
「気付くのが遅れてゴメンゴメン」とヨモギオイルで首をマッサージした。気持ちよさそうにされるがままだった。
そのあと、もう放しても遠くには行かないだろうが野良犬に間違えられないように小さな絹のスカーフを首に巻いた。
黒のチェックに赤い縁取りのスカーフ、「タチ、素敵だよ!」とひとり盛り上がったがタチはただされるがままだった。
酉の市の翌日は新幹線で京都に移動し、無施肥無農薬栽培研究会の定例展示会と活動発表会に参加する。
除草対策のアイガモロボットの試作と実験が発表され、会場で公開されていたロボットに夫はくぎ付けだった。
妻は、長野県の伊藤味噌醤油醸造の生醤油にくぎ付け。早速北海道に送ってもらう事にする。
夜は、毎年夏に京都から圃場の視察と認定に来てくれる無施肥研の小林さん、小米茶園の小野さん二見さんと会食。
小林さんの従兄弟さんが腕を振るう懐石のお店で、料理には訓子府伊藤農場の野菜がふんだんに使われていた。
大根の含ませ煮、きたあかりや人参の天ぷら等々にびっくり。心憎いおもてなしに脱帽し美味しく楽しい時間を過ごす。
「しかし、自然栽培の生産者さんはたいがい奥さんがイヤになって出ていくケースがありますが永野さんのところは
よく続いてますよね(笑い)」とザックリ聞かれて「イエイエ、うちだってすったもんだのあげく、今ようやく落ち着いて・・」
で、ここでまた大かぶアーカイブ。15-6年前の90日間妻家出事件を本人なま語りで場が盛り上がる。
長沼を捨て放浪するナガノヒワと同じ頃に土俵を捨てモンゴルに帰った朝青龍、同日ちゃっかり舞い戻るお話。
ナガノサトシと横綱審議会が西の空に向かって(もうあきらめるか・・)と思うやいなや、、まさかの帰還。
一同ゲラゲラ笑った。今更ながら、あの時のエネルギーは一体何処から来たのか、、、感慨もひとしお無量。
女性性が自分の家族のために家族の分の作物を自分の手で作りたいという欲求に対して男性性はより広く、多くの
人のために、社会のために等と欲求し、その為に様々な機械を使って、ああしてこうして、と何処までも広がっていく。
ひと月に一個の卵を産み出す生理と、四六時中?無数の精子を生産する生理を持つ男女の異なりを思えば当然だが。
頭でわかっていても腹に落とすまで20年を費やした。。。。。そのための20年だった。そのための結婚(夫)だった。
この真理さえ腹に落ちたら無駄なエネルギーを消費する必要がない。自らを偽らず、各々がそのままで成り立つ。
・・・がんばったな、若いじぶん。未熟がゆえに純粋で、小さな剣を腰に差し果敢に進む一寸法師のようだった。。
「ナガノサトシさん毎日伴走ほんとにご苦労様。あなたほど忍耐と愛に満ちた存在に出会ったことはありません」
今、そう思う自分に初めて出会う。。。。。そろそろフィニッシュか?