細沼園のお茶飲み話

お茶の時間のひとときに、思いつくまま書きました。

少しだけ欠けた月 季節風  秋

2008-12-06 22:30:00 | 読書メモ さ行
少しだけ欠けた月 季節風  秋    著者 重松 清

《内容》
静かな、静かな、ひとりぼっちの月。
ぼくたちは明日から、もう家族じゃない。

澄んだ光に満ちた秋が、かけがえのない時間を連れてくる。
ものがたりの歳時記―――「秋」の巻、12編
            (紹介文より)


―――さすがに今日はこたえた。へこんだ。折れてしまった心の支えをつなぎ直す気力がなかなか湧いて来ない。そもそも、心のここを、こんなふうに支えていなければならないのかどうかさえ、わからなくなってしまった。


―――四十歳を過ぎて出くわしてしまった怖いものは、虫けらのように草むらに去ってはくれない。お化けのように夜が明ければ消えてくれるわけでもない。
(中略)
おとなになった僕は、もう怖さに負けて涙を流したりはしない。
ただ、途方に暮れているだけだ。


―――スタートラインが横一線ということだって、ほんとうはめったにないんだ、
(中略)でも、その代わりゴールだって同じじゃないから、一人ずつ違うんだから――それを信じているから、おあいこなんだよ、と笑ってうなずく。



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