細沼園のお茶飲み話

お茶の時間のひとときに、思いつくまま書きました。

花が咲く頃いた君と

2008-11-07 21:52:40 | 読書メモ た行
花が咲く頃いた君と   著者 豊島 ミホ

《内容》
ひまわりで遊び、コスモスに恋をし、椿に涙して、桜の微笑みに頬笑む-。目を閉じ、耳を澄ませば、可憐な花の囁きが聞こえる。日常の切ない一瞬を切り取る名手が、いま、分岐点にいる人に贈る珠玉の短編集。
迷っている あなたに 伝えたい。
           (紹介文より)


―――私はぎゅうと目の前にある肩を抱きしめた。ひときわ強い川っ風が吹いて、枯れたヒマワリの花がかさかさと鳴る。どこがこすれてこんな音がするんだろう。でも知ってる、これは季節が過ぎていく時の音だ。花火の入った袋も一緒に鳴った。
―――やだやだやだ。もっとずっと一緒に居てよ。


花の色があんまりやさしいから、今にも泣いてしまいそうだ。


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