細沼園のお茶飲み話

お茶の時間のひとときに、思いつくまま書きました。

動かぬが勝

2009-01-29 22:23:53 | 読書メモ さ行
動かぬが勝     著者  佐江 衆一

《内容》
剣の極意は、人生の極意。悲喜こもごもの人生を描く時代小説短篇集。師匠に貰った巻物『不動智神妙録』。「不動智」とは、疑い迷いを去っていかなることにも動じない心。――五十の手習いで道場の門を叩いたが、いっこうに剣の腕があがらぬ隠居老人幸兵衛が、考え抜いた末についに得た剣の極意とは、すなわち人生の極意であった。他に「峠の剣」「最後の剣客」「木更津余話」「永代橋春景色」など全七篇。
          (紹介文より)


―――わずか一握りの者が勝者となる。だが、それが優れた者、良き者とは限らない。悪人もいる。運不運もある。大方の者が勝ち残れず、しかし善良に地道に生きているのだ。


―――
剣術では「四戒」といって、
―――驚、懼、疑、惑
の四つが戒められる。すなわち、驚きや恐怖や疑いや惑いがあっては、無心の技を出せず、剣の道を極めることはできない。


―――
「商いも剣術と同じじゃわい」
幸兵衛は湯船の中で大声を発していた。

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