KAT-TUNの魅力はやはり光と影、陰と陽のバランスであろう。
黒い羽根を脱ぎ捨てた彼らに、今度は白く柔らかな羽がふりそそぐ。
甘い歌声と軽やかなステップでつくりあげられた brightな世界。
花道からメインステージへ戻る途中でくるりと向きをかえ、しなやかに踊るさまは
タイトルのとおり「sweet」だ。
最後は胸に手を当てて90度頭を下げるエスコートモードのお辞儀で、どこまでも
夢の世界へ誘ってくれた。
3人の挨拶は、中丸くんはあっさり短かった。
上田くんは、まだまだここがスタートだと、血気盛んな3人なので、たまには喧嘩も
するでしょうが・・と言っていた。
メジャーデビュー前の、上田くんと亀ちゃんのケンカはいまだに語り草だが、
ライブの打ち合わせなどで衝突しそうなのは、お互いにこだわりの強い中丸くんと
亀ちゃんなのではないか。
上田くんはすごく周りをよく見ている人だし、向こう見ずな鉄砲玉に見えて
じつは【防弾チョッキの男】であるから、2人がぶつかった時は、
跳ね返すか体当たりで受け止めるかしてくれるだろう。
22日の「シューイチ」の中で、初日公演を見に行った中山ヒデが中丸くんに、
カメラに抜かれたときに真顔はやめなさいと注意していた。
21日も、最終日22日の公演も、中丸くんはほとんど真顔であった。
アンコールのときも比較的淡々としていた。
10ks!ではステージを去り難く何度も客席に声を掛け、手を振っていたが、
今回はあっさりと扉のむこうに去っていった。
さっそく検討事項をみつけたのか、それとも次のツアーに向けて頭が動き出しているのか。
充電明けに、みんなで集まって騒ごう!という目標は達成できた。
これからは、今までのカラーを損なわないようにしながら新しいグループを
構築する作業がはじまる。
悩むこともぶつかることももどかしいこともあるだろう。
それでも彼らはどんなふうにでも、自分たちにいちばんふさわしい解を導き出すのだと思う。
今までそうしてきたように、ひとつの未来のかたちがなくなっても、また
違うかたちに未来を作り変えて行くのだと思う。
最終日の、3度目のアンコールにこたえてステージに再登場したとき、中丸くんは
夏になったらまた(ツアーで)会えますよと私たちに言った。
KAT-TUNは永遠なんですから。とも言った。
なんだか珍しいなと思った。
「永遠」や「絶対」なんて言葉が何のあてにもならないことは
中丸くんたちがいちばんよく知っているはずだ。
それでも永遠という不確かな言葉を口にしたのは、その言葉に自分たちの未来を託したい思いがあったのだろうか。
グループの活動にはいつか必ず終わりがあるし、人間にはどんなかたちであれ別れがくる。
それでも彼らが全てやり尽くしたと、もう後悔はないと思える日まで、
二度と離れずにいてほしい。
ずっと彼らのままで、KAT-TUNらしいKAT-TUNのままでいてほしい。