愛別離苦 今年の夏もとても暑いですね。皆さんいかがお過ごしでしょうか。 私にとっても去年と同じ、あの暑い夏がやってきました。初夏に母の難病が発覚し、治療の余地がないこと、長くはないことを知らされ、 お見舞いの病院通いで夏をすごしました。 ちょうど子供達は夏休みだったので、私の寺からは遠いにもかかわらず毎週のように行きました。夏も終わりを迎える8月29日往生を遂げました。 それから早くも1年が経とうとしています。 同じ季節がやってくると思い出すということは、以前から感じることもあったのでよく年忌法要の法話で「命日と同じ季節がやってくるとあの辛い 別れのことを思い出すのではないでしょうか」と話していましたが、今回ばかりは本当に実感して思い出し、ますます暑さが辛く感じます。 親鸞聖人はお釈迦様が定めた人間の八つの苦しみ(生、老、病、死、愛別離苦、怨憎会苦、求不得苦、五蘊盛苦)の中で 「愛別離苦が最も痛切なものである」と「口伝鈔」の中で伝えています。八つの苦しみの中には、自分が老いることや死んでいく苦しみもありますが、 愛している者どうしが別れていくことほど、悲しく切ないものはないというのです。 ならばあの人と出会わなければよかったなどと思うでしょうか。いいえ決してそうは思わないでしょう。 親子、夫婦、兄弟、恋人、友達、不思議な縁によって気がついたら縁結びを頂いてつながっていたことでしょう。 仏教ではこれを結縁(けちえん)といい、元々「仏道に入る縁を結ぶ」という意味です。 私たちは、皆さんが故人と別れ悲痛な苦しみの中、仏教の教えを伝え元気を取り戻し前向きに生きて欲しいと願っています。 仏教を聞いたからといってスッキリ解決するわけではありませんが、真実に出会い、周りの方々や自分と改めて向き合い、 少しずつ普段の生活を取り戻せると思っています。どうぞ法徳寺のお盆法要にご参加ください。 |