昨日は、熊本の僧侶の先生から私が聞かせていただいた、ストレスが溜まる時こそ、笑顔になれる時間を設ける大切さについてのお話をご紹介いたしました。
仏教には柔軟心という言葉があります。私達の日常生活では、洗濯をする際に使用する柔軟剤(じゅうなんざい)という言葉があります。柔軟心は柔軟剤と同じように、「柔軟」という言葉が使われていますが、この言葉は「にゅうなんしん」と読むのです。
柔軟心とは、柔らかな心のことを言います。硬いものは一見丈夫に見えますが、硬いもの同士がぶつかると、どちらも大きく傷付いてしまいます。反対に柔らかいものと硬いものがぶつかった場合は、柔らかいものが衝撃を受け流すので、どちらも傷付くことはありません。
自分が損をするか、得をするかという自己中心的な心で過ごしていますと、いざ大きな苦難に直面した時、自分だけを守ろうとしたことで硬くなっていた心は簡単に折れてしまいます。相手の気持ちを思いやる柔らかな心を一人一人が持つことで、私達はお互いが傷つけ合うことなく、目の前の苦難に力を合わせて向き合っていくことができるのです。
お寺にお参りすることが今は難しいですが、ご自宅のお仏壇の前でふと手を合わせることで阿弥陀様のお心に触れた時、私達は阿弥陀様によって柔らかい心を持って相手に接することの尊さに改めて気づかされていきます。ここ最近は私自身も物事がうまくいかない、もどかしい日々を過ごしております。同時に今だからこそ、柔らかな心を持っていくことが大切であることを実感しております。
副住職より