Romarin フランスの草の根となって

住み始めた時は腹がたち、住み慣れると離れがたいフランスにすみ、45年の年月がたちました。日々のことなど綴ります。

Betsy Jolas と Rorand de Lassus

2006年12月14日 | 音楽
先週はオーケストラの仕事の他に、オーケストラ主催の室内楽コンサートが、パリとリヨンでありました。

1532年生まれとされているLassusのコーラスと、Lassusに傾倒している現代フランス作曲家で今年80歳になるJolasの作品を織り交ぜた演奏会でした。

声楽に常に惹かれ、楽器を使った音楽と常に平行して音楽を書いてきたJolas。
「声は叫び、さざめき、苦しみ、喜びであり、われわれ人間の歴史そのものです。」(Jolas)

さてプログラムは

Jolas:La nuit m'est courte (4部のコーラス)
Lassus:Cantiones sine textu (ヴァイオリンとクラリネットのデュオ)
Jolas:Arbres et le reste à l'avenant(6部のコーラス)
    Autres enfantillages, ou l'art d'être grand-mère(女性コーラス3人と    クラリネットソロ)
    クラリネット四重奏
    Für célia affettuso (6部のコーラス)
Lassus:Prophéties des sibylles (コーラスと弦楽四重奏)
Jolas:Chantdormant-Dormantchant(6部のコーラス)
Lassus:Ô deux parler(コーラスと弦楽四重奏)
Jolas:弦楽四重奏
Lassus:O la, O che bon eccho

Jolasのクラリネット四重奏と、弦楽四重奏は一品でした。クラリネット四重奏は静寂を感じさせ、しっとりとした中にピッと光を放つ・・・・という感じ。
弦楽四重奏曲は5楽章からなりますが、全部でわずか3分。しかし、音楽のエッセンスとも言える曲。テクニック的にも難しくないのですが、集中して自分の内部をシーンとさせて演奏する。3分の間にすべてを出し切る、そんな曲です。

大衆受けするプログラムではありませんが、来てくれた人はとっても感動していました。