瀝瀝(れきれき)散歩道

人の働き方をサポートする株式会社キャリア・ストラテジー代表、𠮷本惠子のブログです。

研修の時間は何時から何時まで?

2025-01-19 17:17:18 | 株式会社キャリア・ストラテジー


研修の時間は何時から何時まで?

研修の時間、あるいは授業の時間はおおよそ8時半ぐらいから17時半ぐらいと、ずっと思っていました。
ところが最近、工場の研修を担当していますので、対面で20時から22時(結構普通)
24時から26時!(3交代の夜中のグループ)というリクエストも来ます。
ちょっと予想外の時間です。
でもその企業は24時から26時でも、働く人に研修を受けさせたいと思っています。そこがすごいなあ、と思うのです。

日本を代表する大企業や官公庁でも仕事をすることがあります。
ちょっとスマートでかっこいいし、講師も久しぶりに着るスーツ姿でしゃきっとします。

一方、中小企業では、外国人労働者が多く、日本語があまり通じない時もあります。
いつも思うのは、どんな受講者、どんな研修でも、講師は工夫と努力が不可欠だなあ、と思うのです。

必要とされているところで、必要とされている仕事をしていく、この姿勢に、今年も変わりはありません。

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振り返り過ぎると

2025-01-18 11:37:45 | 株式会社キャリア・ストラテジー
振り返り過ぎると



振り返りは大切、とは言いますが、
振り返り過ぎると、余計なことを考えます。
私なんて、振り返ったことが、大きく大きく広がって、宇宙まで届いてしまうことがあります(笑)

アコーディオン奏者で、coba という人がいます。
哀愁があって、それでいてキレがいい、どこまでも美しい響きを追求する、そんな演奏をします。
cobaの音楽を聴いていると、昔のことを思い出します。



いろいろな人と出会いました。
成功した人もいるし、悲しいことに自分で生きることをやめてしまった人もいます。
つましく生きている人も、優柔不断に自分の人生に迷いながら生きている人もいます。

私はどうかなあ、、
働き始めて、40年も経ちました。もう友人でフルタイムで働いている人は、ほとんどいないでしょう。
とうとう仕事も最後の段階に来ています。
あと数年、後悔のないように働きたいと思っています。
うまく仕事を終わらせることばかりを考えているこの頃、そうやって、時間は今日も流れていきます。

coba
若い時に話したことがあります。
強烈な個性の持ち主でした。

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「あなたも1000万円稼げる・講師になれる!」という広告

2025-01-11 20:22:33 | 株式会社キャリア・ストラテジー


「あなたも1000万円稼げる講師になれる」という広告

「資格も取ったので、私は講師になりたい、でもどうやって?」と考えている人がなんと多いことか。
でも、講師ってそんなに簡単になれるものでしょうか?
「収入1000万も夢じゃない」という本。
読んでみると、たしかに「収入1000万円も夢じゃない人はいるけれど、本当にその講座を受ければ誰でも達成できるの?」
ということになります。

講師や先生って、そんなに簡単になれるものじゃ、ないと思います。
まずは自己理解。
その科目で100%の専門知識があるかどうか、なんと言ったって「講師」「先生」と名がつくのですから
他の人より十分できる、という確証が100%ないといけません。
これが講師の最低ラインです。

次に人を惹きつけて話すことができるかどうか。
今や講師も受講者から評価される時代。
授業のマネージメントができないと、あっという間に苦情が来ます。

自分ばかりが話している座学は、聞いていてつまらないもの。
授業の工夫があるかどうか、、、

この辺りは資格を取得したからできるものではありません。

高校の先生になるには、まずは大学で教職課程を取り、教育実習に行き、国家試験に合格、さらに最近は修士課程に進む人がいっぱいいます。
ここまでで6年。
その後、先生としての修行を積みます。
資格を取ったばかりの先生は、保護者も「大丈夫かなあ、、うちの子どもを任せて」なんて思っているかも。
資格取得1年目はまだまだ新米ですから。

日本はとっても資格を大事にする国。
それはそれで悪くはありません。
資格は使い方次第。
でも、「講師になってすぐに400万稼げる、1000万だって夢じゃない」というのは
冷静になれば、現実的ではない、とわかります。
ただ、稼げる人もいることは否定しません。

弊社のプログラムも、講師養成のクラスがありますが、アシスタントやインターンを経て、実習をして、合格してからの登壇になります。
およそ1年以上、かかるかもしれません。
でも、私は教育の責任を持つものとして、このスタンスは崩したくないなあ、と思うのです。

「講師の道はそんなに簡単じゃない、努力と工夫の積み重ねの連続である」




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2025年の目標

2025-01-03 23:28:51 | 株式会社キャリア・ストラテジー


明けましておめでとうございます。昨年は、皆様には大変お世話になりました。ありがとうございました。
今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。             
みなさんは、今年、どのような目標を立てたのでしょうか?どんなことをやってみたいのでしょうか?
一年の最初に目標を立てるのは、ちょっとワクワクしますね。

私も毎年、目標を立てていますが、年末にはできなかったことばかりです。

今年は
①たくさん映画を見たり、ドラマを見たりする。
ここ10年ほど「映画館で毎月1本映画を見る」という目標を立てていましたが、10年間達成されたことはありませんでした。
今年は、映画館を外しました。
家でも(画面は小さくも)映画やドラマを十分見られるようになったからです。
年末年始は真田広之がプロデューサーを務めたエミー賞受賞の「将軍SHOGUN」を一気に見ました。
最初の映画化は1980年、私が仕事を始めたころです。
当時は確かに、ちょっと変な日本の描写でしたが、今回の映画はまさに日本の大河ドラマの豪華版を見ているような感じでした。

以前、私は、中国人の学生といえば、人民服を着ていて、毛沢東語録を持っているはず、と思い、
イギリス人の学生を見ては、どうしてこの人は傘を持っていないんだろう?
なぜ、ジェントルマンではなく、いつもシャツをズボンからだしているんだろう、とか思っていました。
世の中、変わりましたね〜。ステレオタイプはもう通じません。世界の人は色々注意深く周りを見るようになってきました。

②インプットよりアウトプットに力を入れる これは前年度と同様です。
昨年は「リスキング re+skilling」という言葉に???ちょっと惑わされました。
どんどん新しい外来語が出てきて、歳をとった私にはついていけません。「リスキー」と関係しているのかなあ、と思いました。

私たちは「学び、学び続け、学び直す」ことが大好きです。学んでいないと不安になってしまう人もいます。
まさに「リスキー=リスクがあり」ですよね。リスキングは学んだことを今後の仕事で活かすことが求められると思います。
だから、時間もお金も労力もかかります。
また学んでも、それを活かすチャンスがこない場合も考えられるでしょう。
それこそ50代、60代にとっては、この言葉が危ない誘惑になることもあります。
いつもお話ししているように、みなさんはもう十分学びました。
さらに学ぶ必要はあまり多くはありません。学んだことを活かして仕事に生かしていただければ、と思います。
私もそうしたいと思っています。

⇧但し、活かす場所は色々工夫してくださいね。みなさんの力を最も必要としているところで、使えたらいいですよね。

③断捨離と取捨選択 長く生きていると、必要のないものを結構たくさん持つようになります。
断捨離は「不要なものを断ち(断)、捨て(捨)、執着から離れる(離)という考え方」だそうです。
特に単なる片付けではなく、**「物との関係性を見直す」**ことがポイントで、物を手放すことで心の余裕を生み出す、ことに重きを置くそうです。
私もたくさんのものを大事に握っていますが、そろそろ、これを手放して、もっと心に余裕を持ちたいと思っています。

大学での常勤の仕事を辞めて、キャリアの講師の仕事を選んだ時には、たくさんの人に「もったいない」と言われましたが、
それを捨てることで、さらに大きな一歩があったと思っています。

そろそろ、再度こんな断捨離が必要な時期が来ていると思います。
一方、取捨選択は必要なものを選び(取)、不要なものを捨てる(捨)ことです。
断捨離ほどの精神的な意味合いはなく、実利的に物事を選ぶことが中心となるそうです。仕事では取捨選択も大切ですよね。

今年はどんな年になるのでしょうか。どんな1年にしたいのでしょうか。

新しい年の始めは、いつもちょっとドキドキします。
今年の目標は、うまく達成できるでしょうか。
結果は、365日後ですね。

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今年が終わる、、、2024年

2024-12-30 12:31:36 | 株式会社キャリア・ストラテジー
今年が終わる、、、2024年




この会社を起業してから8年目となりました。
「どうしても放って置けない課題」これを達成させるための起業でした。
4年間はこれで邁進しましたが、、、例のコロナ禍がやってきて、私たちの会社もとうとう赤字に陥りました。
もうそこそこの年齢ですから、適当な時にやめてしまおう、と思っていたのですが、、、。

ところが、人生ってよくわからないものですね、、昨年あたりから、ものすごく忙しくなりました。
1人ではどうしても仕事が回らなくなり、現在は7名のマネージメントスタッフと、
ああだ、こうだ、と言いながら、毎日を過ごしています。
皆、いい人たちで、私の不足しているところを補ってくれます。
おかげで、私は忙しいけれど、好きなことができるようになりました。

今年2024年はお弁当屋さんの研修から始まりました。
このお弁当屋さんとの出会いが、私たちの会社の転機でした。
お弁当屋さんは、3交代で年中無休でお弁当を作り、コンビニに色々なお弁当を届けています。
この出会いに感謝をし、私は多少の要求でも「お弁当屋さんのために」仕事をしたいと思っています。

「夜7時から朝7時まで働く人たちのための22時からの研修」も
「夜中の12時からの外国人労働者のためのオンライン研修」も

私たちの仕事は、そんな現場での仕事です。
今後もずっと、変わらないと思います。
ある時はすごく泥臭く、ある時は大企業のスマートな現場で、全力を尽くしています。

起業した時の課題を確実に実行しようと思っています。

弊社のために、たくさんの人の力を借りています。
特に、業務提携の先生たちには頭が下がります。
いつもありがとうございます。

家族にも。
どこまでも、何も言わずに応援してくれる夫にも感謝です。

そんなことを考えながら、2024年もあと2日です。


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親しい人との別れ

2024-12-26 01:57:46 | 株式会社キャリア・ストラテジー
新宿日本語学校の江副校長先生の訃報

新宿日本語学校の校長先生、江副先生が逝去されました。
とても悲しいです。

私はこの学校の日本語教師養成講座を卒業したのです。
1990年ごろ、まだ日本語教師という言葉が、あまり普及していなくて、「何、それ、日本語を日本人に教えるの?」なんて
問い返されていた時代でした。

その後、私は新宿日本語学校で仕事をすることなく、他の日本語学校で教えたり、専門学校で働いたりしながら、
外国人に日本語を教えてきました。

江副先生との再会は、私が大学で教え始めた頃、つまり7年前ぐらいです。
偶然にも「介護の日本語」のセミナーで、先生をお見かけし、声をかけたところから始まります。

これまでの7年間は、教室を貸していただき、弊社のセミナーを開いたり、
江副先生をはじめ、数人の先生に弊社の講座国家資格キャリアコンサルタントの資格を取ってもらったり
新宿日本語学校の教師研修をしたり、
外国人のための防災教育、外国人労働者の日本語、フランス校との交流など
単発の企画をいろいろ試行錯誤で試していたところでした。

いつも少年のように熱心で、楽しく、駄洒落やジョークが大好きだった先生。
江副先生の「またまた、吉本先生が面白いことを考えてきたよ。わくわくするな〜」という言葉が
聞こえてくるようです。

由緒ある東京の日本語学校「新宿日本語学校」は江副先生の長男のりゅうじさんが継がれる、とのことです。
江副先生のために、私は外からの応援団として、新宿日本語学校を応援していきたいと思います。

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金沢 煉瓦造りの文化財

2024-12-23 19:09:15 | 株式会社キャリア・ストラテジー
金沢



仕事で金沢にやってきました。金沢には私の好きな明治時代の煉瓦造りの建物がいっぱいです。
今日はあいにくの雨模様(明日は雪らしいです)美しい写真が取れなかったので、おおよそ3年前の写真を使っています。

最初の写真は旧陸軍の兵器庫を活用した石川県立歴史博物館、加賀本多博物館、ともに国の重要文化財です。
下の写真は旧制四高、明治27年に旧制中学から旧制高校となりましたが、煉瓦造りの校舎はやはり国の重要文化財となっています。
芥川賞作家の井上靖もこの学校の出身者です。







トンネルは、とてもとても興味深いです。
実は加賀100万石、城壁作りにかけては日本一と言われた金沢城の城壁に、兵器庫を作るため、突貫工事でトンネルを掘り、穴を開けたのが旧日本陸軍です。
城壁は、もともとお城を守るもので、戦国時代は文化財でもなんでもなく、とにかく敵の襲来を防ぐことが目的で、強固でした。
金沢城の城壁は様々な石の積み方があることで有名で、当時の石積みの技術の高さと工夫が今に残っています。
旧陸軍はその300年以上の歴史ある城壁に、あっという間に穴を開けました。兵器を隠しておいたそうです。
当時の権威には、金沢の人たちもどうにも抵抗できなかったのでしょうね。

以前、友人は「お城にダメージを与えず、穴を開けた日本陸軍の技術がすごい!」と言いましたが、お、確かにそういう見方もあるんだなあ、と驚いたことを覚えています。
明日の夜、東京に戻り、明後日の朝、札幌(室蘭)に向かいます。土日は、札幌の煉瓦造りの建物の探索をしようと考えています。
仕事(研修)はあるけれど、楽しみな今週。
小さな小さな会社ですが、周りのマネージメントスタッフのバックアップのおかげで、私は久しぶりの息抜きをし、趣味を深めることができています。


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外国人労働者のキャリアパスと日本語教育

2024-07-23 17:07:41 | 株式会社キャリア・ストラテジー
外国人労働者のキャリアパスと日本語教育


最近「多文化共生」という言葉に、ちょっと引っ掛かりを感じています。それは、仕事で外国人労働者が50%以上を占める工場で研修をしているからかもしれません。
大学で「多文化共生」を考え、政府やさまざまな研究者が出している資料を読み、ディスカッションするのは、多文化共生の基礎を知るのに、とても良いと思います。ただ、現場では「う〜ん、なかなか、ね」と思うことがいっぱい!
私たちは、働く人の働き方のサポートが専門ですから、広い広い「多文化共生」の範囲(くくり)の中の
一部、「多文化協働」について、考えてみたいと思います。



1. 私たちはなんだかんだ言いながら、一緒に働いている!


高校生の時に初めてカフェでウエイトレスのアルバイトをしてから、もう50年近く私は働いている。
なんだかんだと言いながら、人とぶつかったり、めちゃくちゃ気があったりして、どうにか働いてきた。


いろいろな人がいる。プライドのある人には、下手に出て、怖そうな人にもヘイコラする。働いていたら、目標達成のために、引いたり押したりしながら、協力しないと、仕事が進まない。同僚は、みんながみんな友だちではないからだ。
最近は外国人がいる現場でも働いている。文化や習慣、言葉も違い、育った環境や価値観も年代も異なる。



2. 多文化共生は、素晴らしい理想だ!

一口に多文化共生と言っても範囲が広すぎる。

先日大学で、私が「多文化共生って工場とかで仕事をしていると、何十年たっても達成できないんじゃないかと思う」と言ったら「多文化共生という理想がなくちゃ、どうやって変えていくんですか」、と強烈に若い人に突っ込まれた。
「じゃあ、あなたの多文化共生は具体的になんですか?」と聞いたら、それがまずかった。30倍の勢いで、10分ほど、熱弁を振るわれた。

「色々な人が共に生きていく、日本にはそれが必要だ。多文化共生に向かって、お互いに理解し合うこと、私たち一人ひとりが努力していかなくては!(→あなたはいったい何を考えているの?そんな古い考え方!)」
多分、素敵な現場でみんなと仲良くモチベーション高く働いているのだろう。それはそれでいいけれど、私との文化が、すでに異なっているなぁ、と心の中で思った。2人の間でも共生は、なかなか大変だ。



3. 現場を見てみる

外国人の多い工場で研修をしていると、多文化共生は本当に難しい、と思う。
外国人同士が母語で話せば、日本人のスタッフの中で、「俺たちの悪口を言っているに違いない」という人が出てくる。
さらに「この工場は、95%がA国の人なんだから、仕事がスムーズに進むようA国語で日本人も話してほしい」という要求もくる。数が逆転している現場。
逆に「日本にいるんだから、外国人もみんな日本語を学ぶべきだ」という外国人もいる。
「あの国とは戦争していたから、一緒には働けない」と、戦争相手の国の人とは働きたくない、と断固拒否する人もいる。当然と言えば当然である。
「目標を達成するという気持ちがなかったら、忙しい東京人とは働きたくないなぁ」とか、、いろいろいろいろある。
日本人だって、さまざまな人がいるから、一緒に共生するのは、みんな大変だってわかっている。



4. 多文化共生の中の多文化協働


そこで、私たちは多文化共生の中の、働き方に注目をした多文化協働を目指している。私たちの会社は、働く人たちのキャリアを支援し、一緒に生き生きと元気に働ける職場を作る、ということに焦点を当てている。生産性を落とさないで、みんなが気持ちよく爽やかに働くためのサポートをする。

それは、日本人でも外国人でも同じだ。特に日本の産業を底力で支える技能実習生、特定技能、そして一緒に働く日本人スタッフのために、何かできないかと考えている。
それが弊社のキャリア教育であり、コミュニケーションやハラスメント防止研修に繋がっていく多文化協働だ。

 

小さくて小さくて、吹けば飛んでしまう会社のチャレンジは、理想の中の課題の解決、その支援が目標。足元の現場から一歩一歩だ。私たちはキャリアコンサルタントとして、多文化協働、みんなが元気に働くことの推進。忙しいけれど、それもまた楽しいし、価値があると感じている。


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阿吽の呼吸・以心伝心・意図を体する

2024-04-21 12:21:52 | 株式会社キャリア・ストラテジー


意図を体する

聞き慣れないことばですが、
「意図を体する(いとをたいする)」とは、相手の意見・考え方を受け止め、それに見合った行動をする、という意味です。
上司や目上の人の意見に同意、心を一つにして行動に移す時に使われるようです。
実は、明確な意思表示や指示や命令がなくても、上司の思いや考えを感じ取り、予想し、上司が満足するような形(行動) にして表すことが大切であると、
かなり精神論的な解釈をする人も少なくありません。
日本社会にはこれまで、職場内の上下関係の中で、部下が上司の「意図を体する」ことを美徳と考える風潮があり、それが評価にまでつながってきました。

相手の行動や考えを察する能力は、誰でも持っています。
一方、社会が移り変わり、今は、受け手が察するより、説明する側が、相手にわかりやすく正確に伝えられるかどうか、が重要視されるようになってきました。

私たちがハラスメント防止研修を行なっている自衛隊では、いくつかのコミュニケーションスタイルがあるように感じます。

例えば、
①ハイコンテクストと言われる、同じ価値観を持つ人たちが「阿吽の呼吸、以心伝心、意図を体する」等、受け手側の責任が重いコミュニケーションスタイル
そこでは、言葉による直接的な表現よりも、非言語的な手がかりや文脈、関係性が重視されます。
ハイコンテクスト文化では、人々は間接的な表現や暗示を用いることが多く、メッセージの真意を読み取るには、話者との関係やその時の状況、過去の経験など、
多くの背景情報を理解している必要があります。

例えば、日本や中国等の国は典型的なハイコンテクスト文化とされています。
これらの文化では、会話の中で言葉に出さない部分を理解することがコミュニケーションの鍵となります。
人々は、非言語的な手がかり(身振り手振り、表情、声のトーンなど)や状況のニュアンス、相手との関係性に基づいて、
言葉越しに伝えられる以上の意味を読み取ることが期待されます。


②つ目は、上司が、部下にスムーズに行動できるよう緻密に指示、わかるように言葉で伝えるという、話し手の責任がポイントのローコンテクストのコミュニケーションスタイル、
ここでは、言葉自体がメッセージの主要な運び手であり、背景情報や非言語的な手がかりに依存することが、あまり多くありません。
アメリカやドイツなどの西洋諸国は、このコミュニケーションスタイルが一般的とされています。
ここでは、直接的で明確な言葉遣いが重視され、メッセージはそのままの意味で受け取られることが期待されます。


①や②、その他のコミュニケーションスタイルが、複雑に交錯している組織、それが自衛隊ではないでしょうか。


一方、この複雑さは、最近の若い人にとっては、馴染むのに少し、時間がかかるかもしれません。
もっと大きな声を出せ!とのリーダーの命令に、陸士数名は勇気を出して「なぜ大きな声が必要なんですか」と質問したそうです。
呆気にとられるリーダー。「理由は自分で考えろ、声は大きく出せ、いいな!」
これは、答えを求める若い人の質問に的確に応えてはいません。
理由が明確に示されなければ、動けない、こんな若い人たちが増えつつあります。
阿吽の呼吸ではなく、わかるように説明、すべての表現、ジェスチャーを使ってどこまでもわかるまで誠心誠意説明し、わかってもらう、
そんな時代がやってきたのかもしれません。




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60代が活躍するキャリア・ストラテジー

2024-03-20 00:03:37 | 株式会社キャリア・ストラテジー
60代が活躍する会社 



世の中には60代が活躍する会社が、少なからず存在します。
弊社は吹けば飛んでしまうような会社ではありますが、じつは60代のマネージメントスタッフが大地に
しっかり根を下ろし、ガッチリと支えている会社です。
写真はマネージメントスタッフの1泊旅行の様子です。
温泉に入って語り合う、2時間!
親父ギャグ連発の夕食とか、、
夜は一泊旅行でも健康的に早く寝る、
朝4時前から温泉で語り合う、、
やっぱり一風変わっています。

もともとは、「自衛官のセカンドキャリアを支える」目的で、およそ8年前に創業。
その後、紆余曲折を経て、現在はセカンドキャリア研修、メンタルヘルス研修、そしてハラスメント防止研修、ハラスメント行為者構成プログラム等
50代以上の、キャリアやカウンセリングで専門を持つ業務提携講師が活躍しています。

ただいま、外国人労働者のためのハラスメント防止研修で、全国展開の企業研修を担当しています。
先生不足です。
外国人労働者のキャリア研修やハラスメント防止研修をやってみたい講師、大募集中。
詳しくはHP https://careersg-oneonone.jp をご覧ください!

さて、一泊旅行を終えて、本日からまた多種多様な仕事をそれぞれが担当中。
来年の一泊旅行まで、また頑張りましょう!







コメント (1)
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