まだ30代の頃、よく中国に出張していました。
山東省の青島に行った時、仕事の合間、中国の貿易会社の人に「占い横丁」に連れて行ってもらいました。
繁華街の路地の奥まったところに入っていくと石の階段があり、そこに何人かのおじいさんが座っていました。
その人たちが占い横丁の占い師だったのです。訛りの強い山東省の言葉(北京語です)を話しましたが、よく聞き取れませんでした。
「あなたは海の向こうに行って国と国との架け橋となり、仕事をするだろう」と言われて、私は
「すごい、当たってる!」と感動しました。
今考えれば、中国の地方都市である青島の路地裏にスーツと革の鞄、パンプスを履いた外国人の会社員が来れば
そりゃ、想像がつくでしょ!ということになるのだと思いますが、、。
「あなたのほくろの位置は「優しさ」を表している、、、」
さらに「あなたの顔を見ると(顔相)強運の持ち主だ」と占い師のおじいさんに言われ、私は小躍りするほど嬉しかったです。
今考えれば、、、、なんですけれど。
さて、今日はこの「運」について考えてみたいと思います。
実は「運というものは向こうの方からやってくる!」と私もずっと考えていました。
ところが、「運は自分でつくりだすもの」だという人もいるのです。
また「運の強い人のところにはさらに強い運がやってくる。運の弱い人のところにはもっと悪い運がやってくる」と
中国人に言われたことがあります。
今なら「なるほど」とうなづけます。
米スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授は
「個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される」述べ、
その偶然を計画的にデザインし、自分のキャリアを良いものにしていこう、というポジティブな主張をしています。
これを「計画された偶発性理論」というのですが、、、
考えてみれば、私が中国で遺跡の仕事をするようになったのも、
大学の講師になったのも、偶然の巡り合わせが多かったように思います。
ただいつも「遺跡に行ってみたいな〜」とか「こんな先生になりたい」とか周りの人に発信していました。
だから、知人や友人が私を思い浮かべて「あ、そういえば彼女が働きたいって言っていたかも」なんて
仕事を紹介をしてくれたのかもしれません。
クランボルツ教授の「計画された偶発性理論」では、個人のキャリア形成をもっと幅広くとらえ、
その8割が予期しない出来事や偶然の出会いによって決定されると考えます。
(運かも?)
重要なのは、その偶然を避けるのではなく、当人の主体性と努力によって最大限に活用すること。
さらには予期しない出来事をただ待つだけでなく、自ら創り出せるように積極的に行動したり、
周囲の出来事に神経を研ぎ澄ませたりして、
偶然を意図的・計画的にステップアップの機会へと変えていくべきだというのが同理論の中心となる考え方です。
これを実践するために必要な行動指針として、クランボルツ教授は次の5つを挙げています。
(1) 「好奇心」 ―― たえず新しい学習の機会を模索し続けること
好奇心は刺激を生みますよね。映画を見ることも講演会や講習に行ってみること、なども大切です。
(2) 「持続性」 ―― 失敗に屈せず、努力し続けること
継続は力なり、、、(私が言うと、力がありませんが)
(3) 「楽観性」 ―― 新しい機会は必ず実現する、可能になるとポジティブに考えること
なぜできなかったんだろう、と考えるより どうしたら(今度)できるだろうか と考える
(4) 「柔軟性」 ―― こだわりを捨て、信念、概念、態度、行動を変えること
受容性を持ちましょう。新しい考え方も必要です
(5) 「冒険心」 ―― 結果が不確実でも、リスクを取って行動を起こすこと
できないと思うのではなく、できるかもしれないからチャレンジしてみようと考える
ぜひ、上記の5つ留意してみてくださいね。
さて、先週は札幌出張、台風に見舞われました。
明日から沖縄に出張します。
またまた台風が来ています。
嵐を呼ぶ、、いえいえ嵐に向かって進んでいきたいと思います。