瀝瀝(れきれき)散歩道

瀝瀝というのは「水が音をたてる様子/風が音をたてて吹く様子」つまり、「ありのままの風景」ということでしょうか。

ちょっとだけプライドが出てしまう〜50代熟練者

2020-07-25 11:49:36 | 日記



私たちも「そういう年齢」になってきました。
つまり、人生も50年が過ぎ、「熟練」の域に入ってきたということです。
50年も生きていれば、思いっきり楽しい経験や、絶対に思い出したくもない人との出遭い
命に関わる試練、そんなことも乗り越えてきた、、、。

だから、ちょっとだけプライドが出てしまう時があります。
(当たり前です、プライドは大切ですから!)
生きてきた、、というプライドですね。

ただ、このプライド
いいタイミングで出せばいいのですが、バッドタイミングだと、かなりあと味の悪い思いをすることになります。

授業中、思いっきり頷いている人がいます。
「お〜、よく聴いていてくれる人がいる」と先生としては嬉しくなりますが、、、
ちょっとだけ質問を振ってみると、ガクっ!
「え〜、あんまり聴いていなかったんだ〜」とわかる時があります。
まあ、その人のせいではなくて、教える側がもう少し工夫しなければならないのですが、、、。

実は、私も思いっきり頷きながら、実はあんまりよくわかっていない、というタイプです。
頷いて、頷いて、そのままこっくりコックリと寝てしまう、、、そんなパターンも度々!




「中国語の通訳をしてもらえませんか。AIの関係です」と昨年、頼まれました。
何となくやってみたい、という気持ちが大きくて、つい引き受けてしまいました。
でも、そのあとは地獄です。
実はAIについて何も知らないし、中国語の専門用語もわからない、、、
最近は中国語も使っていないから、忘れちゃってるし、、、
結局は相手が1分喋っているのに、15秒で終わる、なんていう通訳をしてしまいました!
いやですね〜、、私って!


改めて、自分を観察すると面白いですよね。
「知ったかぶり」をよくしています。
また、営業なんかでは「ハッタリ」も使います。
「知らないことを知っているように見せたり」「知っていることを知らないようなふりをしたり」

ただ、最近はプライドをかなり捨てて、素直にわからないことはわからない、というようにしています。
そうじゃないと、仕事が前に進まないことが、やっとこの年齢になってわかったからです。

50代で再就職をすると、周りの人は
「あの人は30年以上特別な公務員として頑張ってきたのだから、これくらいできるでしょう」と
大事な仕事を任せられるかもしれません。
認められて仕事を任された時、特にこれまで体験したことのない仕事の時には
慎重に、慎重に!です。
ちょっとだけプライドが出て
「わからないことをそのままにしたり」
「知ったかぶりをしたり」すると
仕事が停滞してしまうことがあります。

「知らないことは知らない」
「わからないことはわからない」

「だから教えていただけますか」と間髪入れずに言える自分になりたいと思うし、ならなくてはいけないんですよね!










アフターコロナ〜スパイ大作戦型の働き方って?

2020-07-24 00:21:33 | 特別職国家公務員


3月末に大学の授業のオンラインが決まりました。
え〜っていう感じです!

もちろん理系でITなら任せて、という先生も大勢いますが、
「オンラインなんて、、やったことない」という年配の先生も結構多いのです。
概ね、「どうしよう〜、、、」という戸惑い、、、、

そんな先生たちの不安を象徴するかもしれません、
Facebookに「新型コロナ休講で、大学教員は何をすべきかについて知恵と情報を共有するグループ」
というグループができ、あっという間にメンバーが20,000人に膨れ上がりました。

私もめちゃくちゃ困った一人です。
しかし大学の前期授業はオンライン、と決まりましたから、もう、それで授業をするしかありません。
時代の流れとはいえ、結構大変ですね、今を生きるって!


コロナの第2波がやって来る(既にやってきた)ようです。
今後はどのような働き方になるでしょうか?
巷で言われているのは「ジョブ型雇用」になるだろう、、、ってことです。
「ジョブ型雇用?」
それって何?

まずは

ジョブ型雇用とは、従業員に対して職務内容を明確に定義し、労働時間ではなく成果で評価する雇用制度です。

これまでの雇用は
「メンバーシップ型雇用」、つまり、「人に対して仕事を割り当てる」、そんな雇用形態です。

日本に根付いている「新卒一括採用」「年功序列」といった言葉が「メンバーシップ型」には当てはまります。
新卒一括採用型は職種を限定せずに、職種や仕事内容をローテーションさせて気勢を見極め、
本人の希望等も取り入れつつ会社を長く支えていく人材を育てていく方針です。
「年齢が上がる度に昇給していく」「長く勤める程、退職金が多くもらえる」という手法をとることで、
終身雇用のように長く勤めてもらうことを前提としています。
メリットは多くあるものの、「専門職の人材が育ちにくい」といったデメリットもあるため、
IT化の進む現代にそぐわない部分があるともいえます。

ジョブ型雇用は「仕事に対して人を割り当てる」感じです。
社員の年齢や勤続年数は関係なく、その人自身の実力・スキル・成果が重要視されます。
メリットとしては、自分の能力を活かして経験やスキルで報酬を決めることができる、
仕事に必要な能力を持った人材を必要なタイミングで募集するため、
欠員が出た際に最適な人材を確保しやすいことです。
デメリットとしては、企業の方針転換や経済状況が変化した際に契約終了になる可能性が高く
自律的にスキルアップができなければキャリアアップが難しい、雇用形態です。
新卒者やキャリアチェンジした人は、その仕事の経験がほとんど無いため、雇われにくい、と考えられます。

例えば、高校の時間割を考えてみてください。
英語の授業では英語が(少なくとも学生より上手に)教えられる先生が担当します。
数学では数学、音楽では音楽の専門家が授業をします。
決して物理を体育の先生が教える、なんてことはありません。

同僚のM講師はジョブ型雇用を「スパイ大作戦雇用」と名付けました。
あるミッションを遂行するために、その専門のスタッフ(スパイ)が集められます。
このミッションならこの能力やスキルのあるスタッフを割り当てる、その能力のある人以外はダメ、という感じです。

withコロナ、アフターコロナではジョブ型雇用がが増えて来るのでは、という大方の予想で、
すでにこの雇用形態を取り入れている大企業、スタートアップの企業があります。

さて、ここで改めて問います。
「9時から5時まで」会社にいるだけでお給料をもらえる人は、今後ほとんどいなくなります。
成果主義、つまり働いた分だけ給料をもらう、それも専門的に働くことが求められる、
私たちはどうやって、今後働いていったら良いでしょうか?

頭を絞って、今後のキャリアプランを練らなくてはなりません。
大変だけれど、、、、この時代を生きていくために、もうちょっと頑張ってみましょう!




その人が下した決断の数がその人を作っていく

2020-07-18 01:28:05 | 特別職国家公務員


wowowで放映中のアメリカのドラマ「グッドドクター3」の中で
自閉症の外科医マーフィーが言います。
「その人の下した決断の数が、その人を作っていく」
いい言葉です。

決断にもいろいろありますよね。
父は50年以上もタバコを吸い続け、とうとう肺癌になりました。
それまで何度禁煙してもうまくいきませんでしたが、
主治医に「禁煙しなければ手術しない」と言われてから、およそ1週間でタバコをやめることができました。
これこそ命がけの決断ですね。

ダイエットは中学校時代からのルーティンみたいな私的イベントです。
今日から甘いものは食べない、と決めるのですが、しばらく経って目の前にスイーツが出てくると、、、
決断がすぐにゆらぎ、「いいや、明日からダイエットしようっと」ということになります。
何回ぐらい繰り返したでしょうか!



あの人と結婚するんだ、という決断。多くの人が体験したでしょう。
友だちは「イケメン」の彼と付き合って3ヶ月で婚約。
でも、実際に彼ともう少し接近して付き合ってみると、服装にルーズで、若干汗臭いということがわかりました。
そう考え始めると汗の臭いが気になって気になって、、、「そばにいるのが嫌になっちゃった」と、結果的には破談にしました。
臭いはね、なかなか難しいです。

これも決断ですね。

仕事を辞めるのも決断が必要です。
私もいくつかの職場を後にしました。
「辞めるつもりで、言いたいことを言って」やめた職場が二つほどあります。
「辞めるんだから言っちゃってもいいでしょ」みたいな感じですが、
この時に信念を持って辞め、さらに前向きに生きるのか
逃げるように辞めていくのか、、、




その決断によって、辞めた後の日々は大きく変わっていくかもしれません。




苦しくて、涙が出るような決断もあり、
悔しくて眠れないで決めた決断もありました。

だけど振り返ってみれば
それらが全て相まって、今の自分がいるのかもしれない、と思うのです。





人の心に残る説明の仕方〜秋田・青森の旅

2020-07-08 11:01:46 | 日記

弘前 赤レンガ美術館

青森、秋田の出張を決行しました。
コロナウイルスの感染が再び広がっている中ですから、東京の人間としてちょっとだけ心苦しい気持ちがしました。
でも各地では友人たちが温かく迎えてくれました!

美味しいものもいっぱい食べましたよ!



うに



アジの塩焼き



蓴菜(じゅんさい)



ハーブのお肉

旅の楽しみですね。

さて、今回の旅は目的は3つでした。
そのうちの一つは青森の高校の先生、教育委員会の人たちと「アクティブラーニング」の効果について話し合うことでした。

長い人生の中で、イベントや授業、説明会等で人の話を聞かなければならない時がたくさんあります。
でも、聞きたくない時ってありませんか?
講師のお話が若干つまらなかったり、お昼を食べた後で、眠かったり、好きじゃないけれど、義務として参加しなければならなかったり、、、
こんなイベントの内容を少し変えることによって、人々の頭の中にイベントの内容がストン!と落ちる
そんな手法が「アクティブラーニング」です。



図を見てください。三角形の頂点の部分、
講師が一方的に話しているだけでは、その内容の聴衆への定着率は5%という結果が出ています。
ちょっとだけ、参加者に「読ませる」という活動を足すと10 %の定着率
動画や音楽を聴かせる、なんていう視聴覚プログラムを取り入れると20%
救急の人工呼吸の練習を参加者の前で実演してみせる等のデモンストレーションを採用すると30%になります。
でもここまでは「講師」や「話者」中心です。

これを参加者中心にするのが「アクティブラーニング」です。
講師がテーマを与え「みんなで話し合う」(講師はできるだけ干渉しない)で参加者に活動してもらうと50%
自ら体験するという活動、人工呼吸の練習をみんなで実習する等の活動を入れると、75%
それを活動の中で教える側になれれば、人の知識の定着率は90%になります。

例えば、防災訓練やセミナー
参加したくてきている人、義務できている人、主婦、会社員、若い学生、高齢者、年齢も性別も防災についての知識もモチベーションも異なります。
こんな人たちに話す講師は本当に「知識を定着させよう」と思うと大変です。
そこにワイワイがやがや、みんなで話し合わせる場を作る、
防災に関するゲームをやってみる
実習をやってみる
アイデアを自分たちで考える
それを発表して、コメント(褒め言葉)をいただく

という活動を入れると、どうでしょうか?


アクティブラーニングによる授業は私たちも「自衛隊のキャリア開発教育」の中で実践してきました。
また、企業での研修、人材募集、(参加するのが面倒くさい)防災セミナーや訓練にも活かせることがわかり、
テキストを開発しています。

さて、このアクティブラーニングのテキスト開発の基になっているモチベーションの部分は
私自身がこれまでお金を払った講座や講義で、もったいないことに寝てしまうことが非常に多かったという経験から来ています。
よ〜く分析すると、
その話者の話の内容の水準に自分がついていけない時に眠くなるようです。
物理、化学、数学の話、防災、純文学についての講義、宗教の話、募集説明会、どれも自分に興味がないし、能力もないのでつまらないのです。
話をする先生も「ある程度の知識がある」人向けに話しています。

しかしアクティブラーニングを取り入れると、ある程度まで自分がその授業についていけるようになります。

アクティブラーニングの授業は「先生」のトレーニングが大切です。
ただ、話し合わせればいい、というものでもありません。
やりっぱなしの授業もよくありません。
フィードバックと授業評価、ここまでいけば、かなりいい線に達しているなあ、と思うのです。

そんな話を青森の先生たちとしました。

興味のある人同士、結構話は盛り上がりました。
こんな友だちがいることも、教師として活動している私にとって、嬉しくて誇らしいのです。





ガチンコ募集事務所〜高校生の立場になって考える

2020-07-06 06:28:58 | 特別職国家公務員


大好きな長野の旅。
今年も長野地方協力本部のお招きで、広報官教育のため長野を訪れました。
この教育は今年で2年目です。

人好し、食べ物よし、空気よしの長野です。
雨が降らなければ、星空もよく見えたのに、、、。残念、梅雨ですから空はいつも暗い感じでした。

さて、「ガチンコ自衛隊の募集事務所」これが今回のキーワードです。
いくつもの募集事務所を見てきましたが、
「あ、これはまさに自衛隊の募集事務所」「自衛官が考える事務所」と思える
想像通りのオフィスを「ガチンコ募集事務所」と私は考えています。




陸海空の3コーナーがあり、大きな広報ルームならオートバイが展示してあります。
さらに戦車、飛行機、ヘリコプター、護衛艦等のプラモデルやポスター。
大きなソファセット。
そういうところに高校生は元気に入って行けるでしょうか?
もちろん行ける高校生も、そうでない高校生もいるのですが、、、、

さて、今回は長野地本のオフィスを飾る小物に注目してみました。



「今日は何の日?」
1年365日、何らかの記念日があるそうです。
これを通りに面した事務所の外に置いておくと、必ず通りがかりの人が見ていくそうです。
そのままガラス張りの向こうの事務所の中を見てくれる、、、、、いいアイデアです!



こちらもさりげない言葉が書かれた手書きのブラックボード。





季節ごとに変わる鉢植えの花。鮮やかです。





人寄せベア。2mほどありますが、このくまちゃんと写真を撮っていく高校生たち。





ぬいぐるみの下にも可愛い掲示板。




手作りの折り紙付きの掲示板。季節感があります!



高校生が来たときに出される渋茶。
それよりもメニューを書いて 高校生に選ばせたら、とは昨年の提案。
ちょっとワクワクしませんか?
これは様々な事務所で行われていました。

事務所によってコンセプトを明確に、というのが今回のもう一つのキーワード。
高校生対象なら高校生のために
親子向けなら親子向けのアイデア
オタクならオタク用に

その事務所の状況によってかなり異なると思いますが、それを見極めて、作戦を立てるのが
所長さんをはじめとするスタッフの腕の見せ所です。

すごく感心して「さすが!」と思ったのは、ある所長さんのエピソードです。
高校生の一番好きな食べ物ランキングでここ2年トップを維持しているのは、何だと思いますか?




タピオカ

所長さんは高校生がたくさん訪れるタピオカ店に毎日通って自らタピオカを注文。
毎日です!
タピオカ店の店長と友だちになり、そこに自衛隊のポスターを貼らせてもらい、パンフレットも置いてもらったそうです。

すごい事例です。
でも高校生の目線に立てばこその、ユニークなアイデアだと思いました!

7月1日、高校生の就職活動が解禁となりました。
様々な困難の中、これからの募集事務所のスタッフたちの募集活動の健闘を祈っています。