瀝瀝(れきれき)散歩道

瀝瀝というのは「水が音をたてる様子/風が音をたてて吹く様子」つまり、「ありのままの風景」ということでしょうか。

これだけは負けない、というスキル

2019-01-13 12:36:25 | 特別職国家公務員


私は一体何が得意でしょうか?
他の人に負けないスキルや能力があるでしょうか?
こんなことを考えてみました。

昨年11月初め頃から、私は右目の5分の4ぐらいが黒くなっていて見えなくなりました。
楽観的な私でも、さすがにこれはまずい!と思い、近所の眼科へ。
眼科の先生には50代から60代に多い「黄斑前膜」でしょう、と言われ、東京の大学病院の眼科を紹介されました。
ところが大学病院の「黄斑外来」で診てもらったところ、これは「視神経外来」でしょう、
と別の教授のところに回されました。朝8時半から夕方5時まで1日診察や検査で潰れました。
視神経外来では眼科の検査だけではなく、脳や糖尿病など、その他の病気の検査までしましたが、
一向に原因がわからず、治療もできない状態が続きました。

年末に東京の大学病院の先生は「埼玉の大学病院に網膜の第1人者の先生がいるので、そこに行ってみますか」と
分厚い検査結果(封筒2枚分)を私に持たせ、別の病院を紹介(リファー)してくれました。

埼玉の大学病院は東京の大学病院に比べたら、10分の1ぐらいの大きさですが、
眼科のM先生に検査結果を見せ、診察してもらうと、ほぼ3分ぐらいで
「この病気ではないだろうか」との応答がありました。
またまた、検査に次ぐ検査ではっきりしたのが、10万人に一人と言われる最近報告された珍しい網膜の病気でした。
現在、原因は不明、治療の方法もないということですが、50%の人は自然治癒していくそうです。
また、先生によると失明した人の話も聞いたことがない、ということでした。

10万人に一人の病気、ということは日本の中に1200人ほどしかこれに該当する患者がいないということです。
この1200人が全て埼玉の病院のこの先生のところに行くわけではないので、
やはりすごい知見と自己研鑽をされているのだなあ、と感心しました。
「網膜だったら、あの先生!」ということです。
これだけは人に負けない、っていうスキルですね。




さて、客観的な感想はここまでで、自分自身の視界が欠損して思ったことは
「見える」ってすごいことだなあ、ってことです。

右目は昼間、黒い暗幕がかかった状態です。
眩しくて仕方ないので、サングラスをかけていますが、それでも昼は暗幕状態です。
夜になると、周りが暗くなるのでかなり見えてきます。
サングラスがなくても過ごせるようになりますが、ネオンサインや蛍光灯はやっぱり眩しいです。


朝霞の授業では教室が明るすぎるので、1月の学生さんたちには
「もしかするとサングラスをかけるかもしれません」とお伝えしました。
そうするとほどなく、窓際に座っていた一人の学生さんが目立たないように立ち上がり、
静かにブラインドを降ろしてくれました。
嬉しくて、感動しました。

今度、皆さんにお目にかかる時には、私を見てびっくりする方がいらっしゃるかもしれません。
昼間は「ちょっと怪しいサングラスをかけたおばさん」仕様です。
でも、中身は変わっていないので、気軽に声をかけてくださいね。
(サングラスをとると今まで通りです)



そして意外にも私は元気です。
「見えない」ということで、もっと落ち込むと思ったのですが、左目が右目のサポートをしていて
どうにか普通の生活はできるし、
病院の先生が「これは20代を中心とした若い女性に多い病気です」と言っているのを聞き逃さなかった、
からかもしれません(笑)
今まで通りの生活をしております。


最後に、皆さんもぜひ「目」は大切にしてくださいね。