駅前のTSUTAYAでビデオテープをせっせと借りて『おしん』を毎日、むさぼるように見たのはまだ、会社勤めの昔だった。だから、今回も小林綾子おしんに涙脆いのは、決して老いたせいではなく、元からである。情動と涙腺の連関性に関する研究はどこまで進んだのだろうか。鼻水は単なる水ではなく、粘液まで漏出する始末である。どこにそういう物が溜まっていて、どんな機序により触発されるのか知りたい。そして生理面だけでなく、精神面に及ぼす影響はどこまで解明されているのか。とにかく、素人考えでも、身体のリフレッシュ、心の健康に好作用を及ぼすのは疑いを容れない。泣き笑いが健康と幸福の元と下世話に言われるけれど、かなり当を得ていると思われる。
去年の千曲川決壊と言い、今回の球磨川氾濫と言い、日本の治山治水は脆過ぎる。豪雨を天災だから仕方ないで済ませるなら政府は要らない。治水を国土交通省に任せているのは間違いではないのか。新型コロナウイルス感染の方も、東京都だけでなく北は北海道から南は九州鹿児島まで徐々に水位を高めており、決壊が心配だけれど、政府、自治体は洪水避難同様、自助に任せる方針のようである。そんな無策でも選挙になれば、国民意思に何も変えようとする気配が感じられない。東京五輪はあと383日に迫ったけれど、詰んでしまっていてはジタバタしても始まらない。
加代としん
命の絆
絶えずして
水嵩増すも
ダム切る勿れ
アマゾン・プライムビデオのメニューを眺めていたら、『おしん』が出ていた。NHKオンデマンドに登録すると、追加料金月990円で見ることができるという。誘惑に負けた。DVDだと1ボックス11000円、全7ボックスで計7万7千円と比べると、格安なので即断した。観出すと、かっぱえびせんのように、止められない止まらないになってしまった。一気に加賀屋奉公まで来てしまった。滂沱の涙と鼻水で、ティッシュペーパーが1箱あっという間に無くなった。青年時代でもこんなに使ったことはなく、驚きである。
ポスト・コロナは戦略次第で人生の分かれ道となりそうである。富士通(6702)がオフィスを3年かけて半減するという。感染対策でテレワークを実施し、在宅勤務が有効であることがはっきりしたためとみられる。週明け一番に、三菱地所(8802)を売らなくてはならない。新型コロナウイルス肺炎同様、どこに保菌者が潜んでいるかわからず、株式動向のアンテナもしっかり張っていないと、死に至ることもありそうである。
いづくにて
道迷ひきや
おしん問ふ
富を得たるも
こころ満たずと