デジタル庁が発足したと言っても、こちらはIT知識が乏しく、朝からネット証券の接続に不具合が出ていると騒いでいる原因は、アマゾン・ウエブ・サービス(AWS)のクラウド障害だったとは、周知のことかもしれないけれど驚きであった。グーグル検索やコンピューターOSにメールやネット取引、LINE、ツイッター、インスタ等のSNSなど、すべてが海外産というのが心胆を寒からしめる。現金給付を実施しても、コロナ追跡アプリを作っても、もたつきとドジばかりで、情けなくなる。大手が掛け声だけで国から予算を引き出し、あとは下請け、孫請け、曽孫受けと訳が分からなくなり、結局は中国、韓国の技術者に頼っていたというのでは、国民に対する国家機密は厳しくしても、海外には駄々洩れではないか。
東京・池袋で車の暴走による多数死傷事故を起こした男に禁固5年の実刑判決が出たとか。刑の軽重感はいざ知らず、上級国民への忖度は裁判所では通じず、90歳で禁固収監されるかもしれない。まだまだ上級審があり、先行きは分からないけれど、暴走原因を自動車の構造にあるとした主張は、法廷内外の心証を悪くし、情状酌量の余地はあり得なかったようである。
菅義偉首相は、自民党総裁選に立候補表明した岸田文雄前政調会長に対し劣勢になることを避けるため、総裁選前の衆院解散・総選挙の道を探ったけれど、党内の反対を受け、「解散できる状況でない」と、とりあえず矛を収めた。総裁選に勝ち抜くためには、週明け早々にも、二階俊博幹事長の交代など党役員人事と内閣改造によって再選の流れを作る腹積もりである。しかし、今週末までの後任幹事長の人選などで、党内の求心力を再構築できるか不透明感が漂う。この間に多数派工作が実を結びそうにない場合は、負け戦を承知で突き進むよりは、ここは一歩下がって週末に首相辞任の決断を選択する可能性もある。しかし、勝負師はタダでは転ばない。首相辞任に伴う内閣総辞職のあと、現閣僚で構成する職務執行内閣が発足し、首班指名のための臨時国会が召集される。ここで一発勝負の奇策として、伝家の宝刀が抜かれる可能性も排除できない。一見、首班指名国会と見せ掛けて、実は早朝の閣議で解散を決定する。これに反対し、署名を拒む閣僚が居れば罷免し、首相が兼務の上、全署名を完成させる。直ちに解散詔書を紫の袱紗に包んで皇居に持ち込み、天皇の御名御璽を受ける。憲法上、天皇に拒否権はない。そして、国会議員が参集して本会議が開かれようが開かれまいが、加藤官房長官が国会に出向き、大島理森衆院議長に証書を伝達する。議長が証書を読み上げて、解散が成立する。中曽根康弘首相の死んだふり解散は有名であるが、今回のは『死中に活解散』とも呼べる奇襲解散として歴史に名を残すだろう。こうした抜き打ち総選挙により、野党に不安を持つ多くの国民が自民党など与党を選択すれば、第2次菅内閣が発足する。こういうシナリオで進めば、東京オリンピックも終了して退屈している国民には、スリルがあって楽しいかもしれない。
肉斬らせ
骨奪ふなり
清々し
我のたばかり
嵌まると思へば