ザクロと言えば、初夏に深緑に生い繁った葉の間から、パーッと燃えるように鮮やかな橙色の花を咲かせ、陽ざしの暑さを倍加させるエキサイティングな植物で、好きな花木の筆頭である。世間にも好まれており、この時季どこを歩いても走っても、あちこちで目を射るけれど、まるで東京ドームの野球試合のように100%ジャイアンツ応援のタオル色をしている。
と思っていたのに、遠出散歩の途次、動物のアルビノのように脱色して薄々黄色の柘榴に遭遇した。すわっ新種発見か、と興奮したけれど、ちょっと調べると、薄黄色どころか白い花の種類もあるそうである。未見であるけれど、ムクゲじゃあるまいし、白い花のザクロなんて冴えないだろうなあ。実も白っぽいのかな。
「口あけて はらわた見せる ざくろかな」の句は、名著『日本人とユダヤ人』の冒頭に載せられているけれど、白かったら随分印象が変わると思う。盛り蕎麦を頼んだのに白いのが出てきたら、俺はうどんを注文したんじゃねぇ、と怒鳴りたくなる感じだろう。
事程左様に、思い込みは真実を見る目を歪め、良くない。多目的トイレの前に立ったからといって、聞き耳を立てる習慣は卑しい。ましてや、SNS目的で盗聴カメラを仕掛けるのは犯罪で、新流行になったら真の利用者にとって迷惑極まりない。
トイレだけに限らず、日本の空も怖くなった。先次日米決戦末期の帝都東京並みに防空能力が無くなっている。ブルース・リーの『ドラゴン怒りの鉄拳』ではあるまいし、イージス・アチョー!なんてカラ元気だけで配備を撤回しているうちに、北朝鮮から白い気球に搭載したサリン爆弾を東北上空に飛来偵察されてしまったようである。為す術がなかった防空能力の手の内を知られてしまった。韓国からの謀略ビラの空中散布に対する報復なら南を狙えばいいのに、とんだ側杖である。恐らく日本政府には、日本海に展開する密漁に対し、海上保安庁等が口出しするな、という脅迫通牒が届いているとみられる。
側近の捜査はまかりならんと口出しできなくなったのが、昨夏の参院選での公選法違反買収容疑事件である。河井克行前法相と河井案里参院議員の夫妻同時に出頭を求め、容疑が固まれば逮捕というのは異例ではないのか。ふつう、候補者・当選者とその支援者では役割が異なり、周りから容疑を固めていくのが従来の捜査手順と思うけれど、完全に夫婦一体扱いとは!。
最近の検察は、政権に前歯も奥歯も牙をすべて抜かれていたのに、いつから変身したのか。よっぽど、捜査機関が舐められ切って、手出しができるはずがないと、買収手法が相当粗雑だったのかもしれない。二階自民党幹事長には、党や政権に影響を及ぼすほどの大物議員でない、と軽くあしらわれている。もう少し奮闘しなければ、政権のポチと見られている検察への不信は、この1件だけでは拭い切れない。随分前には、都市再生機構(UR)への誰しも認める自民党大物議員の口利きによって大金が動いた疑惑では、見え見えに李下に冠を正しているのを見て見ぬふりをして、不自然なやる気のなさで立件されず終いとなった事案もある。風向き次第で、扱いが異なることのないよう、法にのみ目を向けて忠実に職務に邁進してほしいものである。
口利いて
はらわた見せず
頬かむり
顔覗きたし
風の吹く待つ
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