バイデン米大統領が英グラスゴーでの国連気候変動対策会議COP26(10月31日―11月12日)に出席し、着席中に目を閉じていたのを「眠っているのではないか」と揶揄されたが、この重要な時期に決して寝ている場合ではない。トランプ前大統領と違ってバイデン氏は率先して同気候変動サミットに参加し、世界のリーダーはこの機をとらえて積極的に温暖化対策に取り組まなければ大変なことになる、と開会演説で訴え掛けた。前大統領がぎくしゃくさせた国際協調に復帰するポーズだけではなく、本気であり、真剣なのである。なぜか? 今世紀の国際競争のルールを決める舞台であり、ここから外れると世界から取り残されるリスクがあるからである。岸田文雄首相が自民党幹事長人事など重要問題を中途に置いて、COP26に駆け付けるのももっともである。会議は踊るの欧州は外交に長けていて、屁理屈でも何でも捏ねて、最後には自らの身丈に合った有利な土俵を作り上げてしまう。これが国際標準化という、欧州が振るう切れ味鋭い武器である。国際標準化機構(ISO)はスイス・ジュネーブに本部が置かれ、国際規格を制定し、世界の企業活動を従わせる。面白くなければ従わないのは勝手だが、世界から排除される。地球温暖化防止に対応した車規格が制定されると、それに準拠しなければ世界で売れなくなる。温暖化などグレタ・トゥーンベリさんのたわ言であり、陰で操られているだけだと陰謀論に与していると、もっとリアルな陰謀の罠に嵌まってしまう覚悟をしなくてはならない。みんなが楽しそうに踊っているのに、軽佻浮薄な真似はできないと輪に入っていかないと、竹林の賢人の清貧だけれど、自慰的な老後が待っているだけとなる。
先月末にJR東日本(9020)が1159億円の営業損失という相変わらず冴えない中間決算を発表し、株価が29日に一時7000円を割り込み、終値で前日比114円安の7088円と大幅下落したのを面白いと思った。コロナ感染が隔世の感のように落ち着きだし、TVニュースでは京都・嵐山の渡月橋が大賑わいを取り戻している映像が流れているのに、違和感を持った。ステイホーム命令に従った自宅足止めが長らく続いて、溜まりに溜まった旅行欲が剥き出しとなり、幕末のええじゃないかのように民衆が外に繰り出せば、収益状況も一変するのではないかとJR東株に買いを入れた。そうだ、京都に行こう!なら、JR東海(9022)でなければならないけれど、先の参院静岡補選で有力自民候補を蹴散らして、自ら応援した野党候補を当選させた天下無双の川勝平太静岡県知事が立ち塞がって、リニア中央新幹線が脱線するリスクを抱えるため、東に乗り換えた。岸田首相がCOPから帰国して、大型経済対策の柱としてGoToトラベルの采を振れば、未曽有の旅行ブームが巻き起こるのではないかと期待している。
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