goo blog サービス終了のお知らせ 

天愛元年

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ
新元号『天愛』元年にスタート

甲馳

2019-06-22 16:05:58 | 日記
きょうは夏至か。初夏と言っても暑いはずや。蒸して寝苦しい。雨警戒で窓を開けることもできん。寝つきが悪いのは、見てしまったことも災いしている。お茶教室で一番弟子の若い女性が着物姿だった。その鮮やかで、優雅で、美しかったことが目に焼き付いた。審美する心の中で美の基準を再構築する必要性を感じたくらいである。40年ほど前に、東京は東上野5丁目の居酒屋で、天狗舞大吟醸を口にした時に、酒の概念が自分の中で覆った衝撃と同じである。共産党宣言は妖怪が徘徊するけれど、私の眼前には究極の美が徘徊している。反芻せずに寝れたものではない。お陰できのうスマホを失くした。その公民館に違いないとまた着替えて出戻った。途中、突風が吹き、野球帽が飛んだ。アッと振り返っても道路に見当たらない。高い塀があったので、出入り口の鉄柵まで進んで、庭内を覗くと落ちていた。暫く侵入を躊躇していると家人の姿が見えた。恐懼、お願いして取ってもらった。魂もこのようにして飛ぶのであろうか。会場を施錠して帰ったので、まず階上の部屋まで上がり、別の電話で発信したが、着信音が聞こえてこない。仕方なく、1階の受付に行くと、見回りの方が見付けて取っておいてくれた。お茶の師匠とその香しい師範代の遣り取りの緊張感もまた良い。「そこ、言いましたよね」「ええ、でしたね」「甲馳(こはぜ)が見えてますよ」「えっ、何ですか」。和みの中に微かなイラつきが見え隠れし、こちらは目を閉じつつも、その緊迫が弾けて火花が飛んでくれば、当然引き受ける覚悟はできている。しかし、未知の偶発性へのおののきも感じる。こうした危うさは、一触即発となっている米国とイランの外交戦の緊迫度にも似ている。ドローン撃墜への報復攻撃を発射命令10分前に取り止めてくれて世界は安堵した。単に米イ間の紛争であろうか。要らぬ戦争を慫慂する地球的規模の山口組が背後に伏在する気配がある。米がイラン軍事施設を攻撃しようものなら、中東地域への全面戦争に展開する可能性が高く、庶民には甚だ迷惑極まりない。イランがイスラエルに手を出せば、核兵器による核施設への攻撃もありうる。これをカタストロフィーと呼ばずに世間は座視してよいのか。そうした戦争の指導者は、たとえ一時的に世界の平和と安定の支配者と強弁しようとも、長い歴史の過程で戦争犯罪人と烙印されよう。
 
涼やかに きりりと締まる 帯結び
茶の香に酔ひつ こはぜほの見ゆ


調律

2019-06-20 21:15:20 | 日記
卓球もバドミントンも新体操もサーフィンも射撃も馬術もみんな外れた。こんなことなら、全て当たっても買える範囲に絞る工夫をするんやなかった。くそったれ。遠くの旧友と会う段取りをして不首尾やった。後始末にもここ数日、手間取った。調子悪い慰めにまたアンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズの演奏を聴きに出掛けた。ちょっと連打の所に力が入り過ぎた感じやったけれど、全般に瑞々しく気品があって、今までと違う味わいが楽しめた。きょうはピアノだけでなく、オーボエやサクソフォーンにテノールの音、声が身をほぐし、苛ついた心の調律になった。

波も断つ 離れ小島に 身を置きて
うき世に紛ふ こころ引き寄す






詭計

2019-06-19 11:57:29 | 日記

広島県262.425人、沖縄県188.136人(沖縄地上戦)、東京都116.959人、長崎県75.380人、大阪府15.784人、愛知県13.359人、・・・太平洋戦争本土空襲などによる都道府県別死者数を見ると、やはり常々住むのは重要軍事施設に近い所を避けるというのは、戦争被害が生々しかった時からの生活の知恵であった。別冊太陽の『空襲で消えた「戦国」の城と財宝』を見ると、その生々しさが蘇る。犠牲者数に圧倒され、文化財はどうでもよくなるけれど、やはりツワモノどもが贅と粋を凝らした歴史的名城が戦火に焼失したのは創建からの宿命と言えても勿体無い。パッと思い浮かぶのは、尾張名古屋は城で持つ、名古屋城は金鯱を持つ、という囃子言葉である。薩長討幕にも生き残ったのに、ゼロ戦の腹いせか本丸、天守閣が爆撃焼失され、もう誰も本物を見ることができなくなった。中東がまた、きな臭くなっている。イスラム国家イランが仕掛けたような体裁になっているけれど、軍機の枢要を世人が判別できるわけがない。テメエが仕掛けたと責め立てられ、ならばとイランは西側との核合意を反故にしてウラン濃縮を増強してやるぞとか、サイバーテロに関わったとして米CIA秘密工作員を逮捕したり、悲愴というか懸命に対抗している。われら日本が辿った道を繰り返さないかと心配になる。情報戦で歯が立たないから、戦争になれば米が官軍、イランが賊軍と、世界メディアの大勢が色分けするだろう。出来れば矛を収めた方が良いのは分かっていても、ここ数カ月の金融商品市場の乱高下で、情報を操る側の戦費の貯えが十分なので、無理やり最悪の状況に追い込まれる詭計が無きにしも非ずだろう。われらは「耐え難きを耐え、忍び難きを忍ぶ」の玉音放送に繋がった。それ以上の言葉をけった糞悪くて聞こうともしなかったけれど、今読むとやっぱり、他国を蹂躙するつもりなどさらさらなかったのに、との恨み節が見える。米英2国に宣戦したのは、日本の自存とアジアの安定を願ったためで、他国の主権を無視したり、領土を侵略するつもりは無かったと弁明している。ホームルームでは正しい議論がされても、統制の効かない奴が校庭の裏でカツアゲすることがよくあるように、世の中は勢いに向かってしまうけれど、人の命より自分の利益が大事なワル集団には時局を弄んでもらいたくない。

城燃えて 悲しむ謂はれ 無けれども
戦さを巧む やから討たばや








太っ腹

2019-06-16 10:00:58 | 日記
きょうは夜中に頻尿のせいで目が覚めてから寝付けなかったので、早朝勤務なのに先が思いやられる。ニュースを読んでいるうちに、勤務先の駅を一つ飛ばしてしまった。参りながら反対電車を我慢強く待っていると、来た気配がしたので見たら、跨線橋向かいのホームだった。慌てて階段を上り下りしたけれど、あと一歩間に合わなかった。職場にはぎりぎり滑り込めたものの、占いカレンダー通り厄日に間違いない。伊調馨のレスリングと平野美宇の卓球で厄を払ってほしい。日本オープンで中国トップ・クラスの朱雨玲、丁寧を日本選手が破った金星リレーを、平野美宇も劉詩ブンに対して全うできたら、ここまでのもやもやが解消できるんやけど。けれど、こんなセコいことにうじうじ悩んでいては古人に嗤われる。
NHK古典講読『方丈記と鴨長明の人生』が今朝も流れた。講師は成蹊大の浅見和彦名誉教授。行く川の水や地震・天災、王朝文化、福原遷都の混乱、平安末期の政情など、噛んで含める名解説に聴き惚れる。また朗読が最強の加賀美幸子さんだから聴き逃せられない。名誉教授なんて肩書きはゴチゴチの長老かと思ったら、きょうなんか方丈の庵を説くのに小林明子の大ヒット曲『あなた』を出してくるのだからサバケている。あろうことか、「もしも私が、家を建てるなら、小さな家を建てたでしょう」とサワリを流してしまうのだから、ぶった曲げてしまった。この先生に師事しようと思ってしまう。NHKラジオ英語講座でも、月に一度くらいは洋楽で歌詞の英語を勉強させることがある。しかし、アデルのサムワン・ライク・ユーなんか聴きたくても、いつも『雨に唄えば』とか、全て版権の切れたようなクラシックばかりで、予算に苦労しているなと忖度していた。でも、ちょっと古いと言っても流行歌をホンの合いの手にオンエアするのだからNHKはやっぱり太っ腹やわ。平野美宇もこれくらいの太っ腹で卓球王国の女王にぶつかっていって、この際、小さな家で我慢せず、金シャチでデコライズされたでっかい家を建ててほしい。

ぴんぽんに 梅雨の晴れ間の あるならば
金の鯱 家を照らさむ












雨の日

2019-06-15 16:00:38 | 日記
雨が降り、長崎美柚・木原美悠ペアがジャパン・オープン準決勝で中国ペアを追い詰めながら惜敗した日は気が滅入る。憂さを晴らすにはアンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズを聴くしかない。本当は情熱的でダイナミックなマルタ・アルゲリッチの繊細なタッチの演奏を聴きたいけれど、贅沢は言ってられない。ショパンの曲そのものが素晴らしい。であっても、わだかまりから抜けきれない。一番お気に入りの演奏から突如引き裂かれた事由の整理がまだ付いていない。きょうの演奏は、縁者名はど忘れしたけれど、律動感を際立たせるよりは、何か日本の感性を盛り込んだかのようにしっとりとした味わいがあり、胸に染み込んだ。それにつけても、ショパンとともにリストは、「ゆく川の水は絶えずしてしかも元の水に非ず」と観相した鴨長明と対を成すかのように、人間生理というか人間原理に完全にアジャストした永遠不朽のピアノの完成者であったとの印象を深めた。

雨の日は アルゲリッチの ピアノ聴く
スピアナートの 心地せぬまま