国策公共事業であるリニア中央新幹線について、沿線自治体住民の意見を求める最終段階としての環境影響評価準備書、その説明会全92回が2013年10月18日終了しました。
静岡新聞が2013年10月18日、エコパークに影響懸念 リニア審議、専門家会議開始 との記事を掲載し、「(静岡)市は審議結果をもとに、来年(2014年)1月までに市長の意見を県の環境影響評価審査会に提出する。」と締めくくられていました。沿線自治体としても静岡市には中間駅は無く、説明会も2回だけでしたが、私はエコパークとの関係で関心を持っていたので、静岡県、リニア環境影響評価準備書説明会終了 としてまとめてあります。
静岡ではもう一つの専門家会議がリニアプロジェクトを検討しているようです・・・リニア準備書 工事影響評価「不十分」 学術委、これは 静岡市南アルプス世界自然遺産登録学術検討委員会(委員長・佐藤博明元静岡大学長) 『市は山梨、長野両県の学術検討委と意見を擦り合わせた上で、JR東海に意見を提出する方針。』と書かれています。
環境首都山梨ですから人材豊富な甲府市や県内関係自治体で、同様な環境問題専門家による審議会などが、リニアプロジェクトの実験開始からこれまでの段階であったかどうか、方法書の段階で山梨県審査会があったかどうか、今回の準備書でその山梨県審査会が組織されているかどうか、うかつにも私は確認していませんでした。TO DO リストに追加しておきます。
◇ 山梨県 > まちづくり・環境 > 自然保護・地球温暖化防止 > 環境アセスメント > 山梨県の環境アセスメント > 山梨県環境影響評価等技術審議会開催記録(更新日:2013年10月18日) があります。
平成25年10月18日掲載のPDFファイルで、2013年10月25日(金) 15:00~ 今年度第1回の審議会開催が案内されています。議題は「中央新幹線(東京都・名古屋市間)環境影響評価準備書について」、担当は山梨県森林環境部森林環境総務課
【以上、2013.10.22 追記、この件はリニア中央新幹線のWebページで記録していきます】
リニアのような広域大規模プロジェクトについて環境影響評価のスタンスはどうあるべきかなど、私には理解が難しいのですが、説明会は広域で予定を確認しました。
結局は時間も無くて他県には出かけられませんでしたが、いずれ私が理解した範囲を整理して記事に残したいと思っています。
ちょっとややこしい話ですが、気になったことを・・・。
静岡県版の準備書をみると、静岡県側大井川源流の谷底に掘り出された残土を、ベルトコンベヤで静岡・山梨県境の稜線(標高2000m)に積み上げるという話になっています。
コレ自体、にわかに信じがたい話ですが、ちょっとそれ自体の問題点は横に置いておいて・・・。
県境での工事ということで、現地調査範囲は両県にまたがっています。でも調査結果は、どうやら山梨県版の準備書には載っていないようです。また、そこでの調査・評価には、山梨の基準ではなく静岡の基準のみをあてはめています。山梨版では重要種になるはずなのに、静岡の基準を適用したので重要種ではないと判断されたものがあるかもしれません(逆も)。
さらにややこしいことに、山梨県部分の地下から掘り出された残土を静岡側に掘り出す可能性もあるようです。
以前、日本自然保護協会が方法書へ提出した意見には、「南アルプスという単位でアセスをおこなうべき」とありました。それを全く考慮しなかったため、どうも県境での調査がいい加減になっているようです。