室内楽の愉しみ

ピアニストで作曲・編曲家の中山育美の音楽活動&ジャンルを超えた音楽フォーラム

車内で・・

2007-04-22 22:23:20 | Weblog
 今日、電車の中で、通路の反対側に座って寝ているミニスカートの若い女がいた。
ミニスカート姿の上に短いコートを羽織り、膝の上の大きめの白いバッグで、一応、前を隠しているつもりらしかったのだが、寝ているうちに、前に膝がせり出し、正面に座った人からは、見えてしまうんじゃないかな・・と心配だった。側に行って「気をつけないと、前から見えますよ」と、よっぽど言ってあげようか、と思った。「何んだ~?」と言われたら怖いから「私は、私服の婦人警官です」とでも付け加えて。しかし、彼女の左右は空いていないから、隣で囁く事もできず、いねむりしているから、ブロックサインを送る事もできず、彼女の正面に座っている若い男は、視線をそちらに集中して向けている様子でもなかったので、何も行動しなかった。
 それにしても、無防備すぎる。たぶん、わざとではないと思うけれど。でも、中には、わざと挑発的、煽動的なファッションの若い女は、制服姿の女子高生も含めてかなり居る。自らストーカーを誘うんじゃない、バカ者!と云いたくなる。
 もうずいぶん前の話だが、「婦人警官です」と、本当に言った事がある。京浜東北線に乗っていた時に、酒臭い息をぷんぷんさせた”プータロー”が乗って来た。空いている車内で、隣や、目の合いそうになった人に「何見てんだよー」と言いがかりをつけている。2~3人が、別の車両に移動した。
私の隣の席が空いていて、いやだな、と思ったが、やって来た。「何だよー」と言うので「何ですか?」と顔を見てやった。「何だよ、このやろー。てめーは逃げねえのか?」と言うので「私はさっきからここに座っているんです。いやなら、あなたが何処かへ行きなさい」「何だ、おめー、何だっつーんだ?おめー何の仕事してんだ?」と言うので「婦人警官です」と答えてやったら、その男はもごもご言って、席を立ち、次の駅でヨロヨロ降りて行った。
 足元ふらつかせているのを見ていたので、走ったら逃げ勝つ自信があったのだ。最近は・・逃げ勝つ自信、無いかも。 鍛えるべきか、小市民に徹するか、問題だ。

ファンタジー・オブ・クラシック

2007-04-21 00:45:57 | Weblog
昨日、4月19日は、中野ゼロ大ホールで、東京室内管弦楽団”ファンタジー・オブ・クラシック”というコンサートがありました。
私が、もう15年もお世話になっているオーケストラです。団員オケではないけれど、レギュラーメンバーで長く来ている演奏家が多く、独自のサウンドを持っているという自負があります。普段はポップス・オーケストラ的なフレキシブルな活動が多いのですが、今回は、ロッシーニのオペラ”絹のはしご”序曲(隠れた名曲)、サン=サーンスのヴァイオリン協奏曲第3番、ベートーヴェンの交響曲第6番「田園」という”クラシック”のプログラムで、ピアノは出番なし・・。でも、パンフレットの曲目解説を書くという重大任務を与えられました。東室(東京室内管弦楽団の略)にとっての、いわば”定期公演”のような大事な演奏会で、私なんぞが解説を書かせて頂いたりして良いのか・・?と思ったのに、お引き受けしてしまう、わたし。 でもお陰で、改めて持っている資料をひっくり返したり、CD を新たに買ったり、インターネットで調べたり・・と資料を集め、勉強になりました。でもね、スコアの解説文、CD ジャケットの解説文も、インターネットで見つけた文章も、皆さん、的確な言葉で、上手によくまとまっているので、マネッコにならないようにするのに苦労しました。 今は、マネッコするとすぐバレるし、厳しいですから。結局、自分なりに要約したり、資料を聴いて特徴的だと思った箇所をピックアップしたり、「田園」はスコアを一通りながめて、聞き手の道しるべとして、自分なりの解釈などを書き、かなり主観的な内容になってしまいました。だから、演奏が、そういう風に聞こえなかったら”責任問題”かしら と、ちょっと心配しましたが、なかなか全体的に良い演奏でした・・と思います。
 ”絹のはしご”は弦楽器群が綺麗だったし、木管群もしなやかな繊細さが際だっていました。サン=サーンスのソリスト、韓国人のチョ・ユジンさん。若いけれど、去年会った時より、ぐっと自身に満ちて、存在感が大きくなって、素晴らしい演奏でした。サーモンピンクのドレスも、サン=サーンスも彼女によく似合っていました。アンコールでのびのびと聴かせたバッハの無伴奏ガボットも観客の印象に強く残ったと思います。
 そして「田園」では、指揮者の橘直貴氏らしい、爽やかさで始まり、気がつくと、客席全体が舞台に魅入っていました。ここまで観客の心をつかめれば、公演としては成功だな、と関係者の一人として思いました。隣の見知らぬ方が、お連れの方に「楽しそうに弾くオケだね」とおっしゃっているのが聞こえて、「そうなんです、それがこのオケの一番の特徴なんです!」と云いたかったけれど、堪えました。アンコールは故・いわくぼ氏オリジナル編曲の「タイスの瞑想曲」で、これだけは東室の十八番。
 普段、一緒の舞台で演奏している人たちを客席から、心の中で応援しながら聴くのは、なかなか面白い体験でした。



ジャズ三昧

2007-04-17 01:10:47 | Weblog
先週は木曜日、土曜、日曜日・・と続いてジャズをやりました。
 木曜日は、”道産酒の会”という北海道に縁のある名士にして飲兵衛の方々の集いで、北海道出身の、クラリネットの後藤雅広さんを中心に、アコースティック・ギターの阿部寛さん、ウッドベースの小林真人さん、という最強のトラッド陣で固めて、そこへわたくし、クラビ・イクミが乱入。いや、お邪魔しない程度に参加させて頂く、という企画でした。世話人代表の堀田さんのアイデアで、”千の風になって”を皆さんでまず歌って頂くのを生伴奏した事から、会員の皆さんに愉しい波に乗って頂けたようで、全体的に愉しい会となりました。
 土曜日は、新宿三丁目のトラッド・ジャズの殿堂、DORAのライブに”新宿アコギの会”が出演する日で、わたくし、一応”筆頭書記長”なので、都合がつく限り、顔を出すことになっております。その割りには重役出勤してしまいましたが、加藤亜依嬢のバチさばきも鮮やかなシロフォンで、大いに盛り上がっておりました。”アコギ”つまり、アコースティック・ジャズ・ギターをこよなく愛する面々の集まりで、くだんの第一人者、阿部寛さんをリーダーに、楽器自慢ができるところまで、楽器もウデも磨いている方々の、別の言い方をすれば、”ギター小僧”の会です。しかし、同じギブソン・エル・ファイヴを丁寧にチューニングしてあって、5台で一辺に弾いても、なかなか美しい音色が楽しめます。それと、なんと云っても、リズム・カッティングがよく聞こえて、ワクワクします。日本のジャズ・ギターの草分け、角田孝さんのご息女でジャズ・ヴォーカルの中西美樹子さんの歌のあと、最後に”書記長”乱入。アイ・ガット・リズム、木曜の時に比べると、イマイチ上手くいかなかった感じ。1曲だけ入るのって、なんだか場がつかめないまま終わってしまう。こういう状況は、ずいぶん経験しているのに・・。
 日曜日も、DORAでライブ。仕事をしてから行ったので2セット目だけの参加。DORAで練習をしている月曜チームと火曜チームの混成のようなバンドに、阿部寛さんが特別参加で、わたくし、イントロを出す必要もなく、気楽に楽しませてもらいました。ああいうカッコイー、イントロが出来るようになりたいものです。道はまだまだ遠い、が登っている、と信じたいなあ。

ダイスケ・ファン

2007-04-08 00:54:11 | Weblog
母が野球好きということもあって、小さい頃から、野球は良くみている。
プロ野球ばかりでなく、高校野球も良く見て来た。
小さい頃は、高校生といえば大きなお兄さん。私が育った時代は”スポ根”真っ盛り。(意味わからない人は、いいです)やがて自分と同世代が甲子園に行く時期となり、あとはずっと後輩たちの舞台となった。・・って、自分が長いこと生きてきた、という事が云いたい訳じゃありません。その間、色んなヒーローやスターが出てきて、プロになった人、ならなかった人、数千人、数万人いた中で、一番印象に残っているのが、やっぱり松坂大輔。
 夏の大会の時は、TVK(テレビ神奈川)で県予選を放送する。ある時、たまたま見ていたらワイルドピッチでさよなら負けしたピッチャーがいた。あ~あ、と思って見ていたら、試合の後の整列でもひどくしょげていた。「2年生だから、まだいいじゃん。あー、3年生に悪いと思って泣いてるのか」アナウンサーも「本来の実力は、こんなもんじゃないんですがね」と云っていた。それが松坂大輔だった。
 その翌年、春の選抜で優勝、夏にはどんな脚本家も書けないようなドラマを見せてくれた。『有言実行』彼は、自分に「やる!」と言っているんだな、と思った。その姿勢はずっと続いている。しかし、その原点が小学校の卒業式の時の夢、「プロ野球に入って、百億円の選手になるぞ!」だったことを今夜のテレビで初めて知って、驚いた。その通りになっているではないか!
 無邪気な子供は、大人が「ありえない。無理」と思うことを平気で口にする。少し現実がわかる子供は、もう荒唐無稽なことは言わない。しかし、松坂くんは、口に出して、それが実現している。なんで、彼は実現できるのだろう?「純粋に望んだことは、ずっと望んでいると実現するものだよ」昔、むっか~し友人だった人に言われたことがある。純粋に、強く思いこんで頑張れたという事だろうか・・?
<おっもーい~いこーんだーら、試練のみーちーを~・・。>超懐かしいフレーズ。でも、松坂くんには、星飛雄馬のような悲壮感は全くない。明るい人気者だ。とにかく、良いデビュー戦になって良かった。次の登板、イチローとの対決が待ち遠しい。

ここは何処でしょう?

2007-04-02 15:58:09 | Weblog
今年の桜は、早咲きと予想されていたにも関わらず、3月になってから思いの外、寒かった為に、ほぼ平年並み。期待が大きくなってしまったので、貪欲にお花見しています。
そこで、クイズ ここは何処でしょう?

ヒント1, 私にとっては、ここの桜を見ずして『花見した』と云う無かれという場所です。

ヒント2, そう言えば、お正月も早起きして来ています。

ヒント3, 去年は、夏にも「ぼんぼり祭り」で来ました。なんだ、うちから比較的ちかい・・。

ヒント4, 豊島屋のお菓子に同じ名前のがある・・。

はい、どなたも分かりませんね。
当たっても賞品が出る訳でもなし。答えは、鎌倉の”段かずら”です。鎌倉の鶴ヶ岡八幡宮に向かう大通り、若宮通りの中央分離帯が、車道に挟まれるように参道に続いている、一段高い通り道です。鳩サブレで有名な豊島屋さんのお菓子にも「塩竃」状の同名のお菓子があります。元から、鳩サブレや落雁の小鳩豆楽など、ちょっとしたお土産に遣っていたけれど、ある時、「お待たせ致しましたので、宜しかったらお使い下さい」とシャーペンとボールペンのセットを貰って以来、益々ファンになりました。超ゲンキン

たった1週間か、長持ちしても10日程しか咲かない桜。山の景色の中にポワンッと咲く山桜も素敵だけれど、人を喜ばせる為に植えられてソメイヨシノは、植えた人、手入れをして下さる人の気持ちごと、愛でたい気持ちでいっぱいになります。


~夢のお告げ~

2007-04-01 12:48:25 | Weblog
「転職せよ!」と、お告げがあった・・。
夜なべして楽譜を作っても実入りは少ない、演奏本番はドキドキして心臓に悪い・・ん~、転職しよう!
 お告げに従って、南へ向かう。 浜辺で助けた覚えはないけど、亀の背中に乗って竜宮城へ。あっという間に竜宮城入り口。こんな所に、就職先があるのやら・・。まかり間違っても乙姫さまに、とは考えられない。もしや、乙姫さまに行儀見習いを御指南? いやいや、おこがましくって、できまへん。
 その時、楽の音が聞こえてきた。羽衣を身につけているので、行動は鈍くて仕方がないが、近づいて見ると、琵琶やお琴や笙の楽士たちがいるではないか。なんとも雅な雰囲気、に浸ろうと思ったら、音程悪いじゃありませんか。リズムも揃っていないし、多少のズレは民族色の内とはいえ、だいたい譜面は無いの?どれどれ、みれど・・。雅な楽士なのに五線譜見てるの?それなら、ここはもっと皆で揃えて、ここから動きをつけてなさったらいかが?・・なんて指示しちゃって、転職の筈だったのに・・と思い出し、「やっぱり、ここじゃなかったみたいなので、おいとま・・」まだ来たばかりじゃありませんか、もっと指導してください、と云われるのを振り切り、「お土産は絶対、いりませんから」と亀タクシーに乗り込んだのに、運ちゃんはトランクから玉手箱を取り出して、放り出すや、脱兎の如く走り去り、排気ガスと煙をかぶる。
 ああ~、怖かった、と夢から醒めて鏡をみるや、あ~見知らぬシワが・・
オソマツ4月1日、夢の一席。おあとがよろしーようで・・。