室内楽の愉しみ

ピアニストで作曲・編曲家の中山育美の音楽活動&ジャンルを超えた音楽フォーラム

ボンマルシェ

2007-12-30 12:52:09 | Weblog
今年の買い物で「成功した」と言える物は少ないなあ・・。
その数少ない物の1つが羽毛布団。

西荻窪のミントンハウスのLiveを聴きに行く日に早めに着いて、たまたま駅となりの西友をウロウロしていて見つけた羽毛布団。冬の寒い日に空気が冷たいと眼が痛くて眼が覚めたりするので、寝る時に顔をすっぽり覆うまで布団にもぐって寝ていたけれど、その布団が重くて、こんどは息が苦しい。これは軽い羽毛布団が必要だな~、と去年の冬中思っていた。しかし羽毛布団は結構お高い。夏のバーゲンで見た時も、「じゅ、じゅーまんいぇん

これは、よっぽどの”出会い”が無ければ買えないな・・と思っていた。その”出会い”の日だった。フランス製のグースの西川製で、初めから半額の値札が付いていた。その上、キャンペーンで寝具コーナーが15%引き。更にその日はセゾンカード5%引きなので「合計20%引きになりますよ」と店員さんに言われ、GO オマケに送料無料。申し訳ない気がするほどだった。その羽毛布団。買った当時はまだ必要ではなかったけれど、冬になって大変暖かく、しかも軽く、希望通り。タオルケットの上に敷いている。念のため、必要な時にいつでも掛けられるように毛布を足元に置いているけれど、今のところ全く必要がない。これは良い買い物でした。

もう1つのボンマルシェ。横浜みなとみらいのワールドポ-タースで見つけた黒地に赤いバラの柄のカットソー。タンゴやジャズのLiveに重宝している。中国製。なんとC千ですゼ。何度か手洗いしたが、未だに黒っぽい水が出るので、お店の人が言うようにネットに入れて洗濯はできないが、信じられない値段だ。これも良い買い物でした。

信じられない値段のウラには、きっとなにか理由があるのかな・・。在庫処理、倒産のバッタ品、低賃金の製作者・・。何かは分からないが、誰かの不幸のお陰ではない事を望みたい。

暮れになって、10年ぶりでメガネを作り直した。青山ビジョンで作る3つ目のメガネだ。
以前は殆どコンタクトで生活していたけれど、最近は外出時以外は、殆どメガネで生活するようになった。今まで使ってきたメガネは、軽くてデザインも気に入っていたのだけれど、ベッドに置いていて気がつかずに座ってしまい、お尻で歪んだことが2度あった。その度に青山ビジョンで直してもらった。それが、このところ表面のコーティングが剥げて来たのと、鼻に当たる箇所が偏って右側ばかり凹む感じがして、ずっと気になっていた。それでやっと作りに行った。

有難いことに、度が殆ど変わっていないので、前のメガネと同じ度のレンズという事になった。とても喜んで帰って来た。翌週、出来上がりを楽しみに受け取りに行ったが、掛けてみるとイマイチ良く見えない。目の前のビルの看板の文字が、古いメガネの方が良く見えるのだ。どーしてこんな事になっちゃったのか・・? それは、眼とレンズの距離だった。古いメガネの方はまつげが触れる距離で、店員さんの説明では、まつげが擦れてレンズのコーティングが剥げやすくなる、と言う。う~ん・・。

とりあえず多少、距離を縮めるように調整してもらって帰って来たが、イマイチ見づらいので結局、古いメガネばかり使っていた。これではスペアを作っただけになってしまうと思って、レンズを取り替えてもらうことにした。強度近視ゆえに、少しでも”牛乳瓶の底”に見えるのを緩和する為に、高級レンズで、へりもカット、コーティングも最高級なので、作り直しはお店が嫌がるかな・・と思ったけれど、快く作り直しをしてくれている。出来上がりは年明けだ。

最近、世の中には数千円で中国製メガネが出来ちゃうシステムもあるらしい。でも今回はフレームも福井の職人さんの日本製。一つ一つを丁寧に良い物をつくる。それに見合った金額を支払う。当然の取引の中での良い買い物・・であって欲しいなあ。

最近出会ったグッド・アイデア

2007-12-24 13:13:27 | Weblog
メリー・クリスマス!
クリスチャンじゃなくても、世界中メリー・クリスマス!
冬至を過ぎて、北半球の最も日の短いこの時期に、平和を願い、心温まる事をしようよ、というアイデアは素晴らしいな~といつも思います

今年はなんだかずっとバタバタしていて、仕事に行って「あ~クリスマスか・・、そーか年末か~」と気がついた・・というのが実際のところではありましたが・・。最近行ったパーティの仕事で、これはグッドアイデアだなと思う事がありました。”乾杯”の大役を小学校低学年のお嬢ちゃんにやらせていたのです。”乾杯”は、長いスピーチをさせないようにご指名する、というケースが多く、それにも関わらず長口上を述べて顰蹙を買うケースも多々あるのですが、お小さい方の可愛らしい声での”乾杯”はとても微笑ましく、場を和ませました。

昨日は、すばらしき文化人の集い”柳田ガッコウ”のメンバーの方達のクリスマス会で、現代表のお宅にお邪魔しました。うちからは駅を挟んで反対側で、珍しいことに近場でした。桜の名所に面した素敵なマンションで、気取りすぎない、センスの良い大人の暮らしをしていらっしゃるのが伺えました。そこへ、10人、ワン・ディッシュ持ち寄りで小一時間かけてご馳走を並べ、4時から9時半まで食べ続けました~。

皆さんそれぞれ、文学系の方、美術系の方、お茶の先生、食膳の先生、歴史学者・・など素晴らしい研究者で、ご趣味も能楽、絵画、音楽、歴史散歩・・と人生経験も豊かで話題も豊富。尽きることのない好奇心の持ち主ばかりで、大変愉しい一日でした。元々、横浜国大の先生でいらした文化人で、残念ながら昨年亡くなられた柳田先生とお親しかった皆さんなので、学者系の方が多く、皆さん勉強家。勉強好きが揃っているのですが、まじめなだけではなく、茶目っ気たっぷりの個性的な方が多いのです。サイドテーブルに”柳田先生”と呼ばれるダンシング・サンタが置いてあり、”乾杯!”をした直後に拍手を1発すると、プレスリーばりの歌と共にダンシング・サンタが踊り始めました。故・柳田先生をしんみりと偲ぶのではなく、「ほら、オジさん参加してる!」と大笑い。 大皿がカシャンと鳴ると、また踊り出すサンタに大笑い。氷の袋がまな板に当たる音や、ワインの瓶が当たる音など、色んな音に反応しては踊り出すサンタ

これは素晴らしいアイデアだ! と感動しました。

初めて”柳田ガッコウ”のパーティに演奏で呼んで頂いて皆さんにお会いした時に、たまたま携帯のムービーで会場の雰囲気をぐるっと映していた事を思い出して、故人となられた柳田先生が映っている15秒のムービーを皆さんに添付メールで送って差し上げました。皆さんが嬉しそうに携帯の画面を覗いていらっしゃるのを見て、柳田先生がいかに親しまれていたか・・を改めて思いました。

なかなか他では味わえない愉しい充実感を反芻しつつ、食べ過ぎで痛くなった背中をさすって反省しつつ、帰りました

充実した演奏を聴いて決意新たに・・

2007-12-16 14:21:43 | Weblog
先日12/10 は東京オペラシティのドレスデン室内管弦楽団演奏会を聴いた。充実した演奏会だった。月曜日の午後2時という時間でもよくお客さんが入っていた。お目当ては舘野泉さん演奏による、吉松隆作曲”ケフェウス・ノート”の東京初演。カシオペアの妻、ケフェウスの五つ星の星座をカシオペア座に対する左手に見立てての、左手とオーケストラのための協奏曲作品というアイデアだそうだ。星の物語らしい、煌めくサウンドで出来ていた。精度の高いストリングスのミルキーウェイの上で、ピアノはクラスター音(手のひらでグシャッ)ですら美しくかった。吉松さんは、サウンドメーカーだ。それと、エネルギーの運びのコントロールが抜群に上手い。価値あるスタイルを確立しており、今後も吉松スタイルの作品が次々と演奏されるだろう。シャガールのようだな・・。

ドレスデン室内管弦楽団も素晴らしかった。指揮者とコンサートミストレスは同じブラニーさんで、ご夫婦なのかな? コンミスのブラニーさんのバイオリンは派手な音色ではないが、キリッとしまった精度の高い、しかもしなやかさがあって素晴らしかった。コンパクトな室内管弦楽団らしく、隅々まで行き届いた演出があちこちに見られた。モーツァルトのアイネクライネ・ナハトムジークにしろ、ヴィヴァルディの四季の”冬”にしろ、オリジナルな解釈を持たせながら、エキセントリックに放り出す事なく、抑制の利いた、計算された表現である事が分かる。チェロ以外、全員が立ち弾きなのは最近の流行ではある。アンコールでのモーツァルトのセレナーデか何かの緩叙楽章では、外側から順に舞台から姿を消す演出で、聴衆を愉しませた。

先週そのあとは、一段落するまで猶予を頂いていたお付き合い大会。遊んだってゆう事です
昨日は新宿三丁目の銅鑼ライブに”田部フレンズ”で出演後、辻堂のブルックランズでの”レジェンド4”(後藤雅広さん、千香さん、阿部寛さん、小林真人さん)のライブを聴きに行きました。自分がやった直後に聴いたこともあって、安心して素晴らしい演奏を聴きました。聴く人をハッピーにする後藤さんのクラリネット。千香さんのピアノの流暢なジャズ語にいつもながら憧れます。阿部さんは最近アメリカから輸入した”ソレンティーノ”という幻のギターを再調整してお披露目。キラッとした立ち上がりは阿部さんチューンらしいとも云えるけれど、エピフォンの別ブランドというだけあって、高級感のある品の良いサウンドでした。楽器が違うとアドリブも変わってくる印象を受けました。恐らくもっと大勢の編成でも、隙間からきっと聞こえる力のある楽器じゃないかな、と思いました。ト音記号ネクタイの小林さんは新しいベースフィーチャー曲を仕入れ、バッキングに、アドリブに、良いバランスで存在感があります。何人かのお客さんを飛び入りさせるやり方も、一度にかたまりにせず、適当に散らしたのも、昨日はスマートでした。

今日は、年末年始に向けて、マイペースを貫いてやるべき事を全部やってやるぞ!・・と新たな決意をして、ベッドカバーを洗いました。夜までに乾いてね・・。


ウップン・・

2007-12-11 01:00:25 | Weblog
先週末の中野ゼロ”クリスマス・コンサート” 下妻”リクエスト・コンサート”は、どちらもほぼ満席。内容的には、全てが完璧とまでは云えないまでも、まあまあかな・・。どうだろう・・?分からないが、私の耳に入ってくる範囲では、お客様の評判は「楽しかった」

それぞれ皆さん、細かい所まで鑑賞して感想を聞かせて下さったので、有難いことです・・。
しかし、なぜか自分としては開放感というか、爽快感が残らなかった。”仕事”を越えた「やった!」という手応えのようなモノが来なかったな~。何を期待していたのかな・・?

そう簡単に満足しない事で、また前進できるのかもしれない

ところで話は変わるが、以前から気になっていたけれど、近頃また気になる事がある。楽屋でも飲み会でも”歳”が話題になるのが多い事だ。その話題になると、私はなるべく知らん顔をしている。日本人は歳を気にする。言語が年上、目上を敬うべく、距離感を持たせるように出来ている。人は歳を重ねることで、見えなかったことが見えて来て、思いやりを持てるようになり、個人差はあるが、いずれまた思いやりを持てる範囲が狭くなっていったりする。私はこの思いやりを持てる機関が真の活動期だと思う。その範囲であれば、年齢の上下に何の関係があろうか?「○○さんって??さんより2つ上ですって。ということは▲▲さんより1つ下ね・・そうは見えないわねえ・・」そんな、下駄箱に下足札を片づけするみたいなポジションの確認を一々しないでは安心できないのか?

ある程度の修業期間を経て、本人も周囲もプロとしてやっていける、と認めたらその瞬間からみんな”同僚”でしょう。お互いの技量と個性を認め合って、自分に無いものを持っている人のその部分を尊敬して、より高め合って、一緒に音楽する喜びを共有する・・で充分でしょう。

性別や年齢にとらわれずにいられるのが音楽家の利点のはずだが、所詮、日本人村なのか。「もう○×歳だからね・・」とか「オバさんだから・・」「じじーよ」と卑下したり、自ら嘲笑うかのように言うのも、私は聞きたくない。

今年5月にヤンネ舘野グループと一緒にいた時は、気持ちが良かった。私も含め日本2人、フィンランド人、フランス人の4人。フランス語では距離感があれば”ヴーヴォワイェ”近しくなれば”テュトワイェ”で話すが、日にちと共にうち解けてくると自然とお互いに”テュトワイェ”になっていた。英語では初めからフランクだ。考えてみれば、彼等は30代前半位なんだろうな~、という感じ。国籍も年齢も超えた音楽という共通のフィールドにいられる感覚が、心地良かった。

「もう○×歳だから?×だ・・」と既成概念に押し込んだり、「どっちが幾つ上」だの下駄箱に嵌めたりするの、止めません?



体力テストの日々・・?

2007-12-06 00:02:39 | Weblog
11/24 にタンゴのライブが終わって、25もフル回転して、26日からホントに一生懸命時間を惜しんで”千の風になって”オケ伴譜面、作りました。26、27で、それまでに作ったイントロを破棄 29日に”メリー・ウィドウ”のパート譜を事務所に渡す約束だったので28日はまだやっていなかった弦楽パートの作製で終わってしまい、29日の帰宅後、そして30日に賭けるしかありませんでした。12/1と12/2 に仕事があり、2日の帰宅後は完徹。3日はそのまま作業を続け、4日の夕方、なんとかスコアとパート譜を池袋へお届けしました。

夜なべ、完徹、夜なべ・・と、よくまあ寝ないで体力が持つものだ・・と我ながら思います。本当にせっぱ詰まると、徹夜のあとも眠くなりません。一つには、途中から編曲を愉しくなったことがあると思います。あと、日頃の健康食のお陰。これは母に感謝です。それともう一つ、お風呂にゆっくり入ることで、かなり疲れが取れます。そのせいで、ますます寝るのが遅くなってしまうのですが・・。

湯船にゆっくり浸って出てくると、深夜に色んなテレビをやっています。映画”めぐり逢い”を見て泣かされたりもしてしまったし、一昨日だと思いますが、”仏像”に関する番組をやっていました。ある理髪店のご夫婦が、ご主人が癌になって悲しんでいたのが、京都のあるお寺で素晴らしい仏像に出会って、涙して、それ以来毎年2回、その仏像を拝んで、今では健康を取り戻してきている・・というエピソードをやっていました。

とても辛い思いをしたけれど、とても信頼しあって幸せなご夫婦です。不幸を味わった分、劇的な幸福感も味わっているようです。不幸を経て幸福を味わうのと、そこそこ不幸ではないけれどそれほど幸福感が無いのと、どっちが良いかな・・などとつらつら考えたりしました。やっぱり、穏やかな方がいいな~。

さて、明日のリハーサルはどーなることやら・・