室内楽の愉しみ

ピアニストで作曲・編曲家の中山育美の音楽活動&ジャンルを超えた音楽フォーラム

勝算と勝機

2006-02-24 23:31:25 | Weblog
 今日のリハーサルの為の編曲とプリントアウトは朝3時半までかかり、お風呂に浸かり(いつもながら居眠りして口と鼻にお湯が入る)床に着いたのが5時。女子フィギュアをやっていた。安藤選手が地に足が着かない演技をしているのを見ながら、目覚ましアラームを4つ位セットして寝た。 7時半に再びテレビを付けたら「オリンピックの女神は荒川静香に微笑んだ!」と言っていた。『オリンピックは国籍に関係なく、世界最高の人間が見られるから面白い』などと日頃言っていても、やっぱり日本人の金メダルは嬉しい
 荒川さんは、自分で考え得る、最高の準備が出来て本番に臨んだに違いない。「ここまでヤッタのだから大丈夫」と云える処まで準備できた人は強い。その上で、過度の期待に縛られる事なく、自由でバランスの良い精神状態に自分を置く事にも成功した。一個人として無欲な自分でいながら、全人類的な広がりのあるオーラを放っていた。素晴らしい! 
 思えば、伊藤みどりさん時代に課題とされていた体型、表現力、国際大会の経験など、全てクリアできたので世界一になれたのだ。勿論、本人の努力は素晴らしいけれど、先達の歴史があったお陰だと云える。選曲も良かった。”トゥーランドット”はイタリア人のプッチーニの作品だが、中国宮廷が舞台のオペラだから、アジア人でも違和感が無い。しかもゴージャズでドラマチックだ。そこには勝算と勝機があった! 
 やっと「寝てはいけない」がもうじき終わり、寝られるようになる。(寝不足はオリンピックのせいだけじゃないって?)今日はもう寝よう。まだ”ひなまつりコンサート”の譜面、全部は揃ってないけど。

息抜き。

2006-02-22 22:44:24 | Weblog
 明後日リハーサルなんだけど、まだ譜面そろってないんだけど、息抜きにでかけた。
友人お勧めの浜松町の中華屋さんへ行った。芝明神通り(?)の奥の方にある店で、全員中国人でやっているらしい。決して派手な”いかにも中華”という感じではなく、むしろ明るく清潔で、きちんと、てきぱきしている。ピータン、焼き餃子、フカヒレ餃子を取り、久しぶりにビールをぐびりっ。 今日は暖かかったので大正解だった。他に酢豚、五目そばを取った。こう書くとたいした”グラン・ブッフェ”に見えないなぁ・・。でも、どれも美味しかった。ここの特徴は、清潔できちんとした店内のイメージ通り、油が軽く、合わせ調味料やスープが透明で、味もすっきりしている様でいて、にんにくも微かに香り、とても丁寧に作られている感じがする事だ。一言で云うと”ヘルシー”で洗練されている。(二言になってしまった)そして杏仁豆腐!生クリームが入っているらしくて食感は殆どプリンだが、杏仁豆腐なのだ。もう余所の杏仁豆腐は食べられない。因みに三百円。トータル?は、わかりましぇん。ゴチになっちゃったので・・。

コンプリケ~

2006-02-21 18:56:11 | Weblog
 フランス文学者の鹿島茂氏が歴史小説作家の山田風太郎氏について語る番組を見た。
 以前、「パリの王様たち」というバルザック、デュマ、ユーゴーの比較に関する著作を読んで以来、鹿島茂に時々注目していたので、山田風太郎の小説は昔、一冊くらい読んだ事がある程度だが、見てみた。山田風太郎の歴史小説は、史実と史実の”間”を「そんな事もあったかもしれない」フィクションで繋げるという、世界的に見ても珍しい手法で書かれており、”プロレス史観的”な”イイモン”と”ワルモン”ではくくれない、同一人物の中の様々な面を描いている、と評価していた。鹿島氏自身、「パリの王様たち」の中でも、三人の文豪の様々な面を引き合いに出していて、一人の人間が持つ多面性を、立場の違う人が別の角度から見ると、それぞれ違ったように見える事の面白さ、難しさを語る見地から、山田風太郎に共通点を見出していたのだろう、と思った。 私自身の興味もそこにある。世の中、完璧な人間などいないし、百ゼロ、白黒はっきりした解りやすさばかり求めるのは危険だ。人間の複雑さをお互いに理解しあおうとする事で、大概のトラブルは解決できる。でも、あまり「解るわぁ~」と面と向かって云われるのも「そんな簡単に解らないでよ!」と反発したくなっちゃうけど・・。それくらい、複雑なものなのだ。

もぉ、笑うしかない

2006-02-20 12:35:12 | Weblog
 ひなまつりコンサートとその直後の一般向けコンサートの為の編曲をしている。 毎日、やっている。やってもやっても、終わらない。
 「今年はモーツァルト生誕250年で・・」聞き飽きそうなフレーズだけど、同じフレーズに乗って、モーツァルト作品をクラリネット、バイオリン(ビオラ持ち替えあり)とピアノで、オリジナルと編曲を並べる。オペラのアリア等も入れているが、あくまでもモーツァルトのスタイルで、それでいて原曲の歌だけの演奏より、器楽的なプラス・アルファが欲しい。これが、なかなか苦労のタネだ。誰が考えたんだ、こんな企画? ・・・ハイ、あたしです。
 1回目のリハーサルが、24日。金曜日か・・。なにっ、あと4日しか無いじゃん!
ブログ書いている場合か

トリノ五輪前半終わって・・

2006-02-19 13:32:03 | Weblog
 開会式でパバロッティが歌った「誰も寝てはいけない」のタイトルどおり、トリノ五輪で寝不足だ。
 日本人選手たちは一生懸命やっているが、なかなかメダルが取れない。不言実行の昔と違って、今は皆、有言実行の時代だ。「メダルを狙います」「実力を発揮できればメダルは獲れると思います」これは、マスコミやマスコミを通して応援してくれる人に向けて言っている以上に、自分自身に向けて言っているのだろう。 実力を発揮するには自分で自分を信じて集中する事が何より重要だ。
 ところで、”実力”って何だろう?今までやって来た中で最高の記録?いや、私はその時のその瞬間に出たものが”実力”だと思う。昨日はできたが今日はできない、としたら、今日は”実力”が下がったのだ。しかし、その”実力”向上の為には本人の努力だけでなく、様々なものが必要だ。ウィンター・スポーツは日本では夏のスポーツに比べると、お手軽なものではない。雪印乳業の経営失敗の影響もさることながら、JOC会長まで務めた西武の堤氏の失脚も相当な影響があったんじゃないか、と思う。 スポーツ、芸術、科学研究などは同じ努力をするなら費用が多く使える方が有利なのは当たり前だ。
 マスコミは注目を集める為に、確かに過剰な期待感を煽ってきたが、選手同様、マスコミも日本国民の代表なのだ。思わしい結果が出なければ、皆んなで反省するしかない。
 そうは云っても、せっかくの四年に一度のイベントなのだから、最後までまだまだ寝不足につきあうど。

アンテナ・・

2006-02-15 22:22:56 | Weblog
 うちから車で30分弱のところにあるホームに、それまで一人暮らしをしてきた伯母が入って、10ヶ月になる。
 一昨日、訪ねて行ったらあまり元気がない。「何となくね・・」特に何という訳でもない様子なのだが、気がふさぐらしい。「テレビでもご覧になれば気が紛れるかも、せっかくオリンピックだってやっているのだし、」と言いながらスイッチを入れたが、深夜のさざなみ状態。さてはアンテナ・コードが抜けているな?と思って見てみると、コードが無い! ずっとテレビも見られない状態でいたのか 私の方がショックを受け、今日、コードを持って行った。 リモコンにも電池を入れて、局や時刻も合わせた。「オリンピックやっているのご存知でした?」「あら、やってるの?」「ほら、新聞に載っているじゃないですか。」病院でも牢獄でもないんだから「テレビくらい見ないと世の中から取り残されますよ」
 80歳を過ぎると私もこうなっちゃうのだろうか?すでに・・だって?毎日夜中までついついオリンピック見ちゃうからね。

伝承、継承・・

2006-02-14 22:57:32 | Weblog
 友人から借りて”ダヴィンチ・コード”を読んでいる。 面白すぎる!
「われわれは先祖が崇めた神を崇めるということだよ」「キリストについて先祖から伝えられたほとんどの話が捏造されたものだということだ」「教養のあるキリスト教徒の大多数は、おのれが信じるものの歴史を知っている」など、作者の勇気あるフレーズが連なる。
 2週間前に”トラディショナル・ジャズ”を愛好し、周囲の人々から”大将”と呼ばれている方の発言で「私はこれが好きな連中と共に生きて、共に死んで行く。その後、この音楽がどうなろうと気にしない事にしたんです。後の連中は、やりたければやる。廃れたって、どうだっていいんです。無理に継承しようなんて思わないんです。」なんと潔い発言か!
 タンゴでも継承問題が身近に迫って来ている。続けたければ、聴衆ごと次世代を開拓しなければならない。クラシック音楽界では継承の歴史が700-800年続いている。自分が良いと思うものを後進に伝えて行く・・信じる事を伝えて行く宗教と共通している。”教育”というものが”伝承”そのものだからなあ。心して行かなければいけない。ところで、誰からも伝承を求められないなあ・・
 

止めたい人多いらしいのに・・

2006-02-13 23:52:23 | Weblog
 明日はセント・バレンタインデーだ。
アメリカ人の友人から去年「アメリカでは男女お互いに”バレンタインデーおめでとう”と言い合う」と聞いた。女性が男性に愛の告白をするのは、日本で作られた行事のようだ。それのお返しの”ホワイトデー”も日本で作られた。お菓子の会社やデパートの陰謀だ。
 ところで、先月だったと思うが、アメリカの砂糖製造会社にまつわるドキュメンタリー番組をBSで見た。初めに”ハロウィン”のお菓子が売られている場面を出して、「これらの砂糖菓子を消費者は買うように強要されている」と言っていたのを思い出す。砂糖製造のウラには黒人奴隷の歴史があり、アメリカ南部では今日でも尚、サトウキビを刈る黒人(移民)の悲劇は続いているそうだ。そう!消費者は買わされているのだ! 
 分かっているのだが、義理チョコ、用意してしまいまいた コミュニケーション・ツールだからね~

奥沢でディナー

2006-02-12 16:23:16 | Weblog
 奥沢のイタリアン・フレンチ・レストランへ6人で行った。
今までに2回ほどここでタンゴを演奏させて頂いたことがあり、演奏後のディナーが感動的に美味しいので、人を連れて行ってみたいと思っていたのだ。
 今回じっくり聞いたところによると、店はイタリアン・フレンチ・スタイルなのだが、シェフはパリとノルウェーで修行をしたそうで、マリネに造詣が深く、オードブル盛り合わせは一緒に行ったフィンランド関係音楽家たちを喜ばせた。しかし、お店の一押しは”オニオン・グラタン・スープ”。そういえばメニューに書いてなかったのだが、パリのグランド・ホテルに迫る味、とのお勧めに従って取ってみたら、流石に自信作だけの事はあって、今まで食べたことのない美味しさだった。ポルチーニ茸のスパゲッティも茄子とベーコンのスパゲッティもそれぞれ味が立っていて美味しかったが、まだ口の中が感触を覚えているのが海の幸リゾットだ。具もさることながら、白米に混ざっていたインディアン・ライスの噛み応え・・。一緒に行った一人が来週のサッカー国際試合でフィンランド国家を歌うことになっていて、一緒にいたフィンランド人に発音を確かめていたシーンとともに、長く思い出に残るディナーとなった。

爪磨き

2006-02-11 11:53:42 | Weblog
 うらわ市民会館の「タンゴの饗宴」は大変盛り上がりました。
コンサートの第1部は、バンドネオン2台バイオリン2人、ベース、ピアノのセステート。第2部がフルオーケストラでのシンフォニック・タンゴ。どちらも演奏内容も充実してできたと思う。
 タンゴでの弾き方と、クラシックでの弾き方、ジャズでの弾き方に違いがあるかというと、自分では意識的な違いは無い。同じ自分の中にある広い洞窟の中の中央にクラシック・エリアがあって、右の方にタンゴ、左の方にジャズ・・かな。それらは互いに繋がっていて、どこからという境界線は無い。ただ、”郷に入っては郷に従え”でやっている。
 タンゴでは際だって”グリッサンド”をよく使う。鍵盤の左から右へ右手の人差し指と中指を突っ張らせて爪で素速く引っ掻く。又は、親指で右から左へ引っ掻く。昨日は親指をかなり多用したらしく、帰宅後にみたら爪に擦り痕が残っていた。良く見ると人差し指も中指もかわいそうな状態になっていた。 そこで無印良品で買った爪用ヤスリを使って磨いてやった。これで暫くはつるつるである。