室内楽の愉しみ

ピアニストで作曲・編曲家の中山育美の音楽活動&ジャンルを超えた音楽フォーラム

花冷えの朝に・・

2006-03-31 11:47:48 | Weblog
 ビオラのGさんが、急に亡くなった。
肺血症だという。急に高熱が出て、下がらなくなり、自分で呼吸をすることができなくなったのだそうだ。信じられない・・。
 Gさんは、私が行っているオーケストラでの同僚で、ビオラセクションの”かなめ”だった。いつも誤魔化しのない、誠実な演奏をする人で、周囲からの信頼も篤かった。派手ではないが、いつも穏やかにニコニコしていて、小柄で可愛らしいところがあり、小編成での小学校向けコンサートでの司会進行など、似合う人だった。楽器紹介でソロを弾く前に「緊張して手が冷たくて動かないよー」と言うので、手を握って温めてあげたりもした。ビオラ以外の楽器に挑戦するのが好きで、同僚のチェロ奏者の楽器を借りて、チェロの名曲を弾いてみせたり、私に「革命エチュード、教えて」と聞きに来て、その後、友人宅でその曲を弾いている映像を見せてくれたりもした・・と、さっきから過去形で書いているのが、つらい。

サクラと”花粉”

2006-03-29 15:22:01 | Weblog
 来てます!来ました、この季節。サクラもいいけど”花粉”もね!
なんで同時に来るんだ、サクラと”花粉”
今年は、噂どおり、去年よりはずっとマシです。が、今朝からティッシュの減り方がスピードUP!
そして、私の場合、喉が掻きむしりたくなる様な”ひっかかり”が始まり、じきに痛みになるのです。[レベル1]これを放っておくと、夜も眠られません。[レベル2] 私にとっての”花粉症”の顕著な症状は、この喉の痛みです。もっと酷くなると、丸めて円柱状にしたティッシュを鼻に突っ込むことになります。[レベル3]両方の鼻に詰め物をする様になると[レベル4]更に、目が痒くなって真っ赤になると[レベル5]です。
 なるべく[レベル1]で済ます為に、ノン・シュガーの喉飴と北海道産はっか油は欠かせません。薬はたいがい、頭がくら~っとなったりするので[レベル4]になるまでは飲みません。が、しかし、今日は寝具一式、干したり洗濯したりしたので、今夜が心配で~す。

密入国者のドキュメンタリー

2006-03-25 22:22:33 | Weblog
 アフリカ大陸からスペインへ密入国しようとする人々のドキュメンタリーを見た。
番組の冒頭を見なかったのでアフリカの何処から渡ろうとしていたのか、詳しくは分からない。アフリカの北部、モロッコやセネガル、南部からも密入国業者にお金を払って、砂漠を通り、トラックで何カ所か中継されて、水や食料、穴だらけのボートを与えられて、やっとカナリヤ諸島から90キロのアフリカ北部の海岸に着き、ボートを修理して出て、難破して、また修理して、水をかき出しながら、モーターを修理しながら、やっとカナリヤ諸島に着いて、スペインの海上警備隊に発見されてしまう。それでも、国籍が分からないように、仏語、英語をしゃべらずにごまかせれば1年滞在許可が下りるという。
 しかし、取材者の勇気に驚いた。フランス人が2人だと思うが、難破したボートにも乗っていた。その前のトラックにも同乗していた。スペインの海上警備隊に逮捕されて、撮影カメラも没収されたそうだ。それが、放映できてるのだから、返してもらえたのだろう。
 私はたまたま日本に生まれ、亡命する必要も無く、拉致される事もなく済んだからこうしていられるが、世界中、密入国者、ボートピープルは無くならない。

500年前の古典

2006-03-23 23:49:24 | Weblog
 シェイクスピアの芝居「まちがいつづき」を見た。
生き別れのまま育った2組の双子の主従が、家族や周囲の関係者にそれぞれ間違えられて騒動となり、敵国人の身でありながら入国した事で夕方5時までに身代金が払えなければ処刑される事になった”父親”と修道院の院長になっていた”母親”と巡り会えて”めでたし”となる、ドタバタ喜劇。面白かった。 
 小劇場での上演で、舞台は左右の壁にそれぞれ扉が作られ、右の扉の向こうが、同時に左の扉のこちらになる場面もあったり、奧の2枚の透けるカーテンの動きで場面転換をしたり、随所に工夫がちりばめられていた。そういう工夫じたいが、とても演劇らしく、”古典の根幹”を損ねることなく、面白く見せた。改めてシェイクスピアに興味を持って、少しだけ調べてしまった。16世紀から17世紀にかけて52年生きたのか・・。昔、同じ劇団でモリエールの「スカパンの悪巧み」を見た事があるが、モリエールの方がシェイクスピアの没後6年後の生まれで、やはり51年と、半世紀ちょいの人生で多くの作品を残している。500年も昔に作られた演劇の古典が今も生きている!音楽の比ではない! ごいす~! いや、すごい!!

WBC 世界一

2006-03-21 23:40:27 | Weblog
 王ジャパン、世界一!やった~
「素晴らしい仲間たちと素晴らしい試合ができました」選手が口々に云うとおり、素晴らしい試合だった。最初の2点がデッドボールとフォアボールの押し出しで獲れた時は「決勝戦なのに楽勝?」と思ったが、そう簡単なものではなかった。でも、松坂投手はピンチではスピードボールで三振取るし、ファインプレーもエラーもありバラエティに富んだ、面白い、見応えのある試合だった。
 終了後の記者会見映像に、キューバチームの監督のコメントがあった。「日本は素晴らしいチームだった。おめでとう!」他に、野球場で応援していたキューバ人、日本国内にいるキューバ人などのコメントも出てきたが、「負けたのは残念だが、決勝戦で戦えた事自体すばらしい。日本おめでとう」と何人もの人が云っていた。果たして、立場が逆だったとしたら、日本人は何と云っただろう? 王さんは相手を讃えるコメントを云えたかもしれないが、一般の日本人は、「なんで負けたんだ」と自分たちの事しか思いを馳せる事ができなくないだろうか?相手の強さを素直に認められる素直さとインテリジェンスをキューバから学びたい・・と思った。

卒園式リハ

2006-03-19 22:23:30 | Weblog
 卒園生一人一人の歌を歌う保育園の卒園式のリハーサルを見に行った。残念ながら本番は仕事で出られない。
 22人の一人一人に贈られる心のこもった詩に何人かの作曲家が思い思いのメロディを付けている。歌うのは”父ちゃん母ちゃん&職員”による合唱団と卒園生。本番は下級生たちも参加する。全員暗譜。 今年の合唱団は例年になく”男声”が立派で”女声”が寂しく聞こえるほどだった。更に、子供達の元気には圧倒される。調子の良いアップテンポの曲は特に張り切って歌っている。私が作った2曲はどう歌われるのか?皆さんに受け入れられているのか?とドキドキしながら聴いた。 う~ん、テンポ設定が私のイメージより速いようだ。これだと細かい音符の歌詞がはっきりしないんじゃないかな?もう一曲の方はだいたいOKだ。
 指揮者に「感想を」と云われて「ショーちゃんの歌の方は・・」と言いかけたところで「リョウくんですよね?」と云われてしまった。しまった!姉妹校の方の歌とタイトル間違えた 親は子供の名前を間違えられたら気分を害するだろうなあ。しかしリハーサル後、リョウくんのお母さんは、挨拶をしに来て下さった。もう一曲の親御さんには会えなかった。ペケなのかなあ~? 救いは、子供達の大声だった。それにしても名前を間違えたりして、最低のドジになかなか立ち直れそうもない。 

高麗

2006-03-16 23:50:06 | Weblog
 西武線の高麗へ仕事で行った。
ずっと以前は池袋ですら「遠い」と思っていた。山手線の新宿から上野までの北側半分は馴染みがなく「知らない所は遠い」と思っていたのだ。それが、ある時から池袋乗り換えの西武線、東武線沿線に仕事で行く機会が増えて、成増や石神井ですら遠いと思っていたのが、上福岡、清瀬あたりでも大して遠くは感じなくなった。「知ってる」という事が距離感を感じさせないのだ。
 高麗(こま)も清瀬の延長線上、程度に思って行ったのだが、電車の終点駅として知っている飯能や小手指を越えて、飯能乗り換え秩父線の沿線駅。地図を見て改めてビックリ!所沢や入間より遙かに奥なのだ。 私鉄は奧が深い。
 「遠い」と思いこんでいる所は遠く感じ、知らない所は遠くても遠いと感じない。全く”思い込み”のせいだ。高麗は「下界より2~3℃気温が低いです」と伺ったとおり寒かったけれど、素直な素敵な中学生たちが演奏を聞いてくれました。

デスパレートな人生

2006-03-13 21:52:22 | Weblog
 三月になって、春めいただの、やっぱり三寒四温で寒いだの・・と云っていて、気がついたら今日は13日。確定申告どーすんの
 あわてて領収書類を分類して計算するばかりにしたところで、昨日の打ち上げ飲み会で店に忘れてきたポーチを預かってくれている友人に会わなければならず、ひとまず外出。
会ったら、お茶くらいしちゃうでしょ? 帰宅して夕食たべて、そうだ、明日のリハーサルの前に少しは練習しておかなきゃ・・。 さあ、計算やろうか・・その前に朝からまだ一度もメールを見てないなあ、ちょっと放っておくと40~50もジャンクメールがたまっちゃうし・・。 そういえば、ブログおさぼりしてるから、ちょっとはやらないと・・ などと、なかなかやらないワタシ。
 何とかなる、何とか間に合う・・とどこかで思っているのだ。なんて”デスパレートな人生”

エデンの東

2006-03-09 17:09:05 | Weblog
 「エデンの東」を見た。
ヴィクター・ヤングの有名な曲の演奏は、今までにオーケストラの演奏だけでも、たぶん百回以上弾いて来ていると思うが、実は、映画をちゃんと見たのは初めてでした。
 厳格な父親に認められたい、愛されたいと思う若くてストレートな主人公。品行方正な兄との確執。時代が変わっても、ストレートで不器用な若さと親子の情は変わらない。ショックから倒れてしまった父と最後に心通うシーンでは涙を流さずにはいられない。
夫の厳格さに嫌気がさして離婚した、主人公の母親は売春宿の経営者になっていたが、そこの場面でちらっと流れるラグタイム・ピアノが、「そうか、こういう風にピアノが弾かれていたのかあ・・」とリアリティを感じてしまった。ジェリー・ロール・モートン(ジャズは自分が始めた、と言い切った)が売春宿で弾いていたのも、こんな風で、こんな風に見られて居たんだろうなあ・・と。
 ・・と見たけれど、今後「エデンの東」を弾く時に、何も変わらないだろうなあ・・。

刺激か、ストレスか・・?

2006-03-08 18:29:49 | Weblog
 知人のジャズ・ヴォーカリストが”膠原病”で医者に「ストレスがかかるから、ライブなどやってはいけない!」と言われたそうだ。
 ”ストレス”とは、何か?確かに、練習や集客、打ち合わせ他、雑用はどれも”ストレス”と言えば”ストレス”。でも、それも”愉しみ”と言えば”愉しみ”であり、気分転換の効果も、達成感、幸福感も得られる。何よりも”生き甲斐”になる。”ストレス”を避けて”生き甲斐”を捨てるか、”刺激”を求めてリスクを背負うか?難しいところだ。
 「小さい時に、死に損なうと長生きする」と子供の頃、よく母に言われた。私は乳児期に点鼻薬の事故から死にかかった事があるらしいのだが、お陰様で極めて丈夫。かなりタフにできている。危機的な状況の岐路に立ってみないと、分からないが、私は”刺激”が自分を元気にしてくれる気がする。”刺激”も度合いに因る。”ストレス”も度合いに因る。そして精神的な要素が多い。
 イベントをすることでの”ストレス”。何もしなくて詰まらない”ストレス”。どっちみち生きているだけで”ストレス”はあるのだから、やっぱり「同じアホなら踊らにゃ損々」と思うけどなあ。