室内楽の愉しみ

ピアニストで作曲・編曲家の中山育美の音楽活動&ジャンルを超えた音楽フォーラム

仰天フルーツ

2008-06-27 12:18:13 | Weblog
一昨日の水曜日は、西荻窪のミントンハウスで”アストロノーツ”の弟2回ライブでした。
いらして下さった皆さま、ありがとうござりました。
本当は昨日、”御礼”を載せたかったのですが、当”goo ブログ”がメンテナンスの日だったようで、一日遅くなりました。でも、私もかなり多用している絵文字の表示時間が短縮され、確かに改善された”手応え”有り、です。

ライブの方は、昨日、勇気を奮って録音を聴いたところ、改善すべき点が目に付き、少し落ち込みましたが、「愉しかった」と感想を送って下さった方があり、少し救われたところです。皆さまの優しさに甘えることなく、マシなライブを目指して行きたいと思いますので、今後とも宜しくお願い申し上げ奉ります。

写真は、頂き物のフルーツ・コンポートです。お世話になっているマネージャーが「衝動買いしました」と言って持ってきて下さいました。自分ではとても買えない、”衝動買い”で頂く以外には出会えない豪勢フルーツ 記念にアップさせて頂きます。お味も、見た目以上の”仰天フルーツ”でした。ありがとうございました、ナイス・マネージャー

副都心線

2008-06-18 22:47:57 | Weblog
来週6/25のミントンハウスでの”アストロノーツ”LIVEのためのリハーサルをしに、新宿三丁目に行きました。
 帰り道は、つい先日開通したばかりの「副都心線」に乗ってみました。開通以来、遅延してばかり、とニュースになっていましたが、今日は大丈夫のようでした。

新宿三丁目の丸の内線改札付近からJR新宿駅までの地下道は、ずうっっっっっと、いつ果てるとも知れない年月の間、工事中でした。天井はグリーンのネットが垂れ下がり、靴を履いて160cm少々の私でさえ圧迫感を感じる鬱陶しさでしたが、伊勢丹の地下入り口が斜めのエスカレーターで入れるようになり、都営新宿線へ下りるエスカレーターも出来て、やっと天井もふさがりました。

丸の内線改札に向かって左奧が、スパッと開いて、その先が「副都心線」に続いています。エスカレーターで1階分下りて、更に緩やかな下り坂。JR新宿駅まで歩くのに比べれば、近いものです。大江戸線の飯田橋駅の通路みたいだな・・とか、南北線の白金台駅を思い出すな・・とか、この車両の連結部ドアは有楽町線にもあったな・・とか、似ているもの探しをしてしまいましたが、関係ないかと思っていたこの地下鉄、意外にも使えるかもしれません。渋谷で、どこから地上に出られるのだろ~、と少し不安に思いましたが大丈夫。宮益坂交差点側の東急デパート前に出られます。便利かもしれない・・。

しか~し! 名前がダサ~イ!
副都心って何? さいたまアリーナ? シンボルカラーも茶色だし。 
営団なのだから、もう少しこなれた”宮益坂線”とか、”ハチ公線”とか、渋谷を意識した名前にすれば良かったのに。

昨日のミントン

2008-06-18 03:11:37 | Weblog
昨日は、恒例月一の阿部寛トリオのLIVEを聴きに西荻窪ミントンハウスへ行きました。
今月のゲストは、クラリネットの清水万紀夫さん。サックス、バス・クラリネット、フルート・・と沢山の楽器の持ち替えをこなすマルチ・プレイヤーで、ペギー・リー、クリス・コナー、マリーネ・デイドリッヒ、フランク・シナトラ等、有名な歌手の来日公演でも沢山演奏をなさっている大ベテランです。

清水さんの演奏を聴くのは3月にあった新宿トラッド・ジャズ祭り以来。太っとい、堂々たる清水節。普段は、穏やかにニコニコしてらして、礼儀正しい紳士だけれど、クラリネットを吹き始めると、左肩が上がって、ややガニ股の、いかにも”ただ者”ではない雰囲気が魅力的。

そんな清水さんに、阿部さんが「こんなの知ってます?知らないでしょう?じゃあ、やってみよう」と次々とくすぐりを入れながら、進めます。そんな中で、1曲だけ、清水さんの方から「これやってみてよ」と出てきたのが”リバーボート・シャッフル” 典型的なデキシーランド・ジャズの曲で、後藤雅広さんのクラリネットでは何度も聴いているけれど、清水さんの演奏では、全く別の曲になるから面白い。色んなものがブレンドされて醸し出される清水さん独特の個性。大人の雰囲気の中にも、無邪気さが顔をのぞかせる清水節を堪能しました。

私は行くといつも”飛び入り”参加をさせて頂くのが恒例になっているのですが、この日はギター・マニア系のお客さんが多そうな雰囲気だったので、ソロはやめて、”サマータイム”1曲にしました。この曲でアドリブをしたのは初めてでした。

ところで、来週の水曜日は、同じミントンハウスで”アストロノーツ”が「タンゴ&ジャズ」で出演いたします。奮ってご来場のほど、宜しくお願い致します。

このところ、プリンターが調子が悪く、ついにヨドバシカメラへ修理に出しに持って行きました。重たい、というより、箱が大きくて持ちにくくて、腕がぶらぶらになりました。戻って来るまでは、5年前に買ったモバイル用、BJプリンターを1枚ずつ手差しで使わなくてはなりません。

関係ないけど、今朝は総理大臣になった夢を見ました。総理大臣なのに、寝坊して「あと5分で国際会議です。早く着替えてください。」と言われていて、「何を着ようかな・・」とクロ-ゼットを開けてみて決まらなくて、呉服店に行き、「こちらは七百万円でございます」と言われていました。いったい何の暗示でしょうか? 幸い、「買います」と言う前に目が覚めました。

利き酒チャンピオン

2008-06-14 13:56:32 | Weblog
木曜日に、北海道とお酒の好きな名士の集い、”道産酒の会”があり、演奏家たちとお呼ばれして参りました。

もうすぐ洞爺湖サミットが開かれる、という事で北海道サポーター達は湧いております。この日は洞爺湖サミットで各国の国賓に出される予定の日本酒が、”彩花洞爺G8 北海道酒造連合組合”というラベルを貼られて振る舞われました。

各テーブルに7~8種類ずつくらいの日本酒が置かれて、飲み放題。それを提供して下さった”北海道酒造連合組合”の西田さんのお話を静聴するどころか、「こっちの瓶も美味しいですな~」「いや、これも良いですよ」「どれどれ、うわー、これは美味い!」と大騒ぎ。

皆さんが私にもお酒をすすめて下さるのですが、クラビノーバ持参の私は、この道産酒の会では、ひと舐めする事もできまへん。元々、お酒に強が訳ではないので、さほど悔しいという事もないか・・というと、そうでもありません。あれだけ皆さんが、大喜びであれこれ飲み比べして喜んでいるのを見ると、私でも「くそ~」(あら、お下品な!)

今回は、レギュラーゲストのクラリネット後藤雅広さん、ギター阿部寛さんの他に、バイオリニスト、ヤンネ舘野氏をスペシャルゲストにお誘いしました。ヤンネさんは、これまた日本酒が大好き。一応、紹介されて最初のコーナーまでは、乾杯程度に押さえていましたが、皆さん静粛の中、クラシックを弾き終えると、遠慮せずにやっていたようです。

功労賞、お誕生月の方々の紹介・・など盛り沢山のコーナーのあと、何と云っても一番のイベントは”利き酒大会”です。純米酒か、本醸造か、吟醸かを当てていくゲームですが、9回戦の末、とうとうヤンネ氏が優勝してしまいました。「道産酒の会、始まって以来の”外国人”優勝者が出てしまいました!我々は、どうしたらいいのでしょう」(琴欧州か?)と言われる騒ぎとなり、皆さん大興奮でした

写真は優勝者としてシャクを手に、”関白殿下”の装束を付けたヤンネ氏の記念立像です。貴族然とした雰囲気のヤンネに、何故か似合ってしまいました。恒例の”関白殿下”による”手締め”も、ヤンネに伝えるのに手間取りましたが、皆さん大喜びの中、後藤さん、阿部さん達と、”サマータイム”を演奏してお開きとなりました。「あなたが連れてくるミュージシャンは、みんな凄いねえ」とおっしゃられました。演奏も、お酒も・・という意味で褒められたんだ、と思いました。


片づけて、ヤンネさんを大井町のホテルまでお送りしました。写真も趣味のヤンネ氏、性能の良いノキアの携帯で、銀座通りのイルミネーションを写していました。大井町のホテルに、阿部さんの友人でもある指揮者の今西正和さん(通称イマニー)が、宿泊していることが分かり、連絡したらロビーに下りてきてくれました。

同じ京都在住の”おぼっちゃま”系ミュージシャン二人を引き合わせ、1階のプロントでアフターアワーとなりました。二人とも、おばあさまの代まで邦楽の家系。ヤンネは言わずと知れたフィンランド人。イマニーは一昨年スロバキアでフィンランド人の大指揮者に師事して以来、新境地を開きつつある新鋭指揮者。探せば色々共通点のある二人と11時頃までおしゃべりして、外のパーキングに待たせたプリウス号で帰りました。

色々盛り上がって楽しい一日になりました。帰宅してパジャマに着替える時、気がつくと膝のまわり、腕の内側にも青タンが・・。20kgクラビノーバを運搬移動をした”勲章”でしょうか・・。

一つ終わって、次タンゴ・・

2008-06-08 23:54:26 | Weblog
昨日は、なかのゼロ大ホールで、東京室内管弦楽団のコンサート本番の日でした。

ソプラノの崔光岩さん、テノールの中鉢聡さんをゲストに、”珠玉の名曲&オペラ・アリア集”と題して The ファンタジー・オブ・クラシックのシリーズ第2回の演奏会。崔さんは無理のない美声で、コロラトゥーラ・ソプラノのレパートリーとして最高峰の”夜の女王のアリア”を楽々と歌い、中鉢さんは日本人離れした表現力で観客を楽しませました。

私の出番は、アンコールのみ。本番の大半を客席で鑑賞させて頂きました。崔さんの持ち歌”愛する小鳥よ”のピアノ伴奏をしました。前日のリハーサルではアンコール曲の練習は無し。本番前のゲネプロでもハイトーン多用の歌なので、本気で声を出さず・・で、殆どぶっつけ本番状態。けっこう、イヤーな状況でしたが、自分に対しては緊張しないフリをして”正気”を保ちつづけました。

徹夜して書いた曲目解説の方は、誤字もなく文字が並びましたが、やはり字が小さく「最後に名前が書いてあるのは分かったけど、今日はメガネ忘れちゃってねえ・・。観客の平均年代を考えると、どのくらい読まれたかねえ・・」と、来てくれて友人の一人に言われ、

とりあえず一つ終わり。次は、タンゴのアストロノーツ、久しぶりに西荻窪のミントンハウスでLIVEです。6月25日水曜日。夜7時半から、60分程度のステージを2本。今回は、バンドネオンが使われている映画音楽も入れてみようかな・・と、宣言したからには譜面を作らなきゃね

プリンターが、何故か黒が印刷できなくて困りました。なんとか治ってちょ~よ

奇妙な果実

2008-06-05 16:40:10 | Weblog
ビリー・ホリデー自伝「奇妙な果実」を読んだ。代々木上原の独特の雰囲気の古本屋で買った本だ。1971年に油井正一&大橋巨泉の訳で出版されている。

日頃、ジャズ仲間からアメリカ国内での黒人差別に関して「黒人は白人のバンマスに話しもまともに出来ないんだぜ」と聞いていてもピンと来なかったが、ビリー・ホリデーの本を読むと、その凄まじさが具体的に想像出来た。想像出来て、気分が悪くなってくるほどだ。

ビリーの曾祖母は奴隷時代の人で、ビリーは主の子供を沢山産んだ曾祖母の子孫の一人。子供の時から大柄できれいで目立ったらしい。生まれた時は母親が13歳だったので伯母の家に預けられ虐められ、不良扱いされ、レイプされ感化院に入れられ、それでも逞しく成長しながら音楽を心の拠り所にしていく。ある時母親と二人その日の宿にも困る程の困窮した時に、ダンサーとして雇って貰おうとオーディションに行ったけれどダメで、ピアニストが「歌は歌えないか?」と一言助け船を出してくれて歌ってみせて、以来歌手になった。しかし、黒人が少しでも良い生活をしようとすると迫害される。白人と同じホテルに泊まれない。良いレストランでは入場を断られる。同行の白人バンドメンバーが抗議してくれて騒ぎになる。

ビリーの付き人に毛皮のコートを貸すと「お前がそんな良い恰好が出来る訳がない。盗んだのだろう」と殴られる。警察も全く信用出来ない。黒人に生まれた事で、毎日が闘いの連続だ。ドラッグのせいで何度も刑務所に入る。一旦足を踏み入れてしまった道から脱け出す辛さを語るビリー。イギリスでは当時から既に徐々に使用を減らす医学プログラムがあり、アメリカもそれをやってくれたらどんなに楽に、効果的にやめられかを語るビリー。闘いの中で逞しく這い上がり、突き落とされ、また這い上がり…騙されたり、辛酸を舐める思いをどれだけ繰り返したか分からないが、失意を乗り越えて、味わい深い歌を歌って人気を博した。

卑屈になる事なく常にプライドを高く保持してレディと渾名される。ニューオリンズという映画の中で“ニューオリンズを懐かしいとはどういう意味か分かる?”という歌を歌う女中役で出ているが、その歌に惹かれクラシック演奏会で歌ってしまう白人お嬢様歌手が主役に作られている。その女優、ドロシー・パトリックはビリーを毛嫌いして、大変感じが悪かったそうだ。しかし、私が買ったDVD には、キャスト:ルイ・アームストロング、ビリー・ホリデイ、ドロシー・パトリックの順に名前が書いてある。ビリーは「白いドレスを着て歌ったシーンが全部カットされていた」と書いているが、そのシーンがもし残っていたら見てみたいものだ。

そもそも”奇妙な果実”とは、リンチに遭った黒人が木からぶらさがっている様子の事だという。この歌はビリーの看板の歌となったが、歌うたびにビリーは酷い疲労感を覚えたと言う。彼女の父親(ビリーが生まれた時は15歳だった)が黒人ゆえに病院で診てもらえず、手遅れになって死んだ時の事とオーバーラップしたと言うのだ。

彼女自身、1959年44歳で死ぬ直前さえ、黒い肌の麻薬患者を理由に、ニューヨークのメトロポリタン病院で、長時間にわたり廊下に放置されていたそうだ。何とも、想像を超えた話だ。

彼女の死後、公民権運動が盛り上がりキング牧師の有名な"I Have a Dream" の演説でピークを迎えながらも「あれは、いつか暗殺されるだろう」と人々は囁き、それは恐ろしいことに現実となる。

21世紀になった今日、アメリカで初めてアフリカ系といわれる黒人の大統領候補が登場した。しかし、そのオバマ氏も「いつか暗殺されないだろうか・・?」と人々はひそひそ噂をしている、とオバマ支持のボボ・グリーン氏も言っていた。

私たち日本人は、身近にアフリカ系の人々と接する機会が少ないので、本音の部分を全否定する資格は無いかもしれないが、少なくとも、文化を含めて歴史を学ぶ事は大切だと思う。

なかのZERO大ホール 6月7日

2008-06-04 02:40:26 | Weblog
今度の土曜、6月7日中野の”なかのZERO大ホールで、私がお世話になっている東京室内管弦楽団の演奏会”The ファンタジー オブ クラシック Part2”が催されます。「珠玉の名曲 オペラ・アリア集」・・とタイトルは長いですが、14:30開場 15:00開演です。指揮は橘直貴氏。ゲストはソプラノのサイ・イェングァンさん、テノールの中鉢聡さん。

メンデルスゾーンの「真夏の夜の夢 序曲」の後、オペラ「椿姫」から第1幕前奏曲に続いて「乾杯の歌」「そは彼の人か」などアリア4曲。休憩を挟んで、ヘンデルの「ア・ラ・ホーンパイプ」と「オンブラ・マイ・フ」をオーケストラで演奏して、色んなオペラ・アリアをまた5曲。「ムゼッタのワルツ」「歌に生き恋に生き」「女心の歌」「夜の女王のアリア」最後にチャイコフスキーの三大バレエ「白鳥の湖」「眠れる森の美女」「くるみ割り人形」から抜粋で演奏。

ここまでは私の出番はありません。アンコールで演奏される予定のサイさんの中国語の歌「愛する小鳥よ」の伴奏を一人で弾くのと、オーケストラで「ヴィオレッタに捧げし歌」というコンチネンタル・タンゴに参加します。

それと、当日配られるパンフレットの中の”プログラム・ノート”つまり曲目解説などを書きました。今夜が原稿の締め切りだったので、昨夜はほぼ徹夜。今日も予定をキャンセルして、何とか間に合わせました。限られた紙面の中で、全体のバランスを見て、すべて均一でも面白くないし、解説し過ぎない程度に、読み手が知りたいだろうと思うことを想像し、集めた資料と格闘。小難しい専門知識より、親しみの持てる内容になるよう心懸け、なるべく自分らしいコメントも入れるよう、というご要望もあり、挨拶文もまとめ・・。

どうせ、捨てられるんだろうな・・。開場内か電車に乗る前の駅ホームのゴミ箱行きかもしれない。あんまりジックリ読まれても困るので、「今の曲はどれ?」「休憩はあるの?」「あとどの位で終わり?」など、途中で飽きた方達の指標くらいでいいかもしれない。中には、どれか言葉に引っかかって「ふ~ん」と思って下さる方も千人のうち、10人位いればいいかな~。

まだ券は残っていますから、今からでも土曜日の午後、ご予定の無い方、宜しかったらいらして下さい。入場料はS席¥4500が¥4000になります。サイさんの歌う「夜の女王のアリア」は天下一品ですよ。