室内楽の愉しみ

ピアニストで作曲・編曲家の中山育美の音楽活動&ジャンルを超えた音楽フォーラム

”熱血指導”

2007-06-26 22:35:06 | Weblog
”学校へ行こうMAX”というTVで、テニスの松岡修造さんが、母校の柳川高校のテニス部を”熱血指導”するシーンを見た。

以前、TVテニス教室で、子供を泣かせている場面をちらっと見かけた時は、でそこまでやるかなあ~、そんなイメージで売りたいのかなあ~、などと思ってしまっていた。世界水泳など、他のスポーツのキャスターでも”熱血キャラクター”で、賑やかしの、過剰な興奮の煽り役、というイメージしか持っていなかった。ところが、今日のTVでは、後輩たちを奮起させ、”本気”を出させる指導をしていた。

出来なかった事が出来るようにする為には、冷静に諭すという程度では、技術的にも精神的にも乗り越えるところまで行かれない。”必死”つまり、なりふり構わない、”死にもの狂い””命がけ”(どれも強い言葉ばかりだけど)を体験しないと、到達できないモノがある。ヒトから強制されないで、自らそこまで到達できる人はいるだろうか? 獅子は谷に子を落として、這い上がって来ることを教えるというけれど、意地悪でやっているのではなく、”命がけ”の中から得られるものを教えているのだ。

松岡修造さんも、決してイジメているのではなく、励まし続けて、”本気になる”とは、どこまで自分を頑張らせる事なのかを、自分自身が”本気”を出して、教えているのが分かって、感動した。
TVの番組の作り方そのものが、”やらせ”っぽい部分の多い番組ではあるけれど、普段、”熱血ぶり”ばかりがクローズアップされている松岡修造氏の教える”本気”を、上手に見せていた。
 今まで、松岡修造氏を誤解していたかもしれない。

イタリア文化会館行き

2007-06-25 00:50:47 | Weblog
西荻窪のお大尽のお供をして、イタリア文化会館へ”鈴木慶江、ミラノの休日~オペラ・散歩道~”を見に行った。リサイタルだと思って行ったら、一風変わった演奏会だった。

千鳥が淵を花見散歩した時に「あ~これが、以前ニュースで”景観に合わない”と言っていた赤いビルか・・」と見ていた、そのビルがイタリア文化会館だった。エントランスに近づくと、ジャズ系の匂いがするコンテンポラリーが聞こえ、ロビーに入るとギャラリーになっていて、ボナノッテとかいうジェコメッティをやや柔らかくしたような彫刻が展示されており、”文化!”が日常的に存在する空間、という感じがした。

階段を下りて行くと、地下がホールになっている。壁にヴェルディのオペラを一文字で表した”書”が展示され、一人で来た人にも退屈をさせない。その”書”のタイトルを見て、ヴェルディの~、という以前に、シェークスピアの~、と題した方がいいんじゃないかな・・などと思いながらホールに入る。

ソプラノの鈴木慶江さんとバリトンの笠井仁さんがそれぞれ1曲ずつ歌った後、二人による長いトークが始まった。ミラノの街の観光案内をしている。ピアニストを含めて三人ともミラノに長く留学し、ミラノの行事や、音楽家にまつわるスポットや、美味しいものを地図をスクリーンに映しながら、思い出を挟みながら紹介している。秋に鈴木慶江さんを囲むツアーの宣伝を聞くに及び、「そういう演奏会だったのか?」と思ったりする。

配られたパンフレットも、まさにガイドブックの中にプログラム、プロフィールが書いてある、という感じ。その中で、運河沿いの骨董品店やレストランの写真が印象に残った。地元の人が愉しむための素敵な通りになっている。自分たちが愉しむ素敵な景観をつくる・・。東京にあるだろうか?地方にはあると思うが、時間帯は早い。人生観の違いを改めて再確認した。

また1曲ずつ歌ってトーク。鈴木慶江さんが椿姫の”そはかの人か”を歌って第一部おわる。ミラノ風にという事で3時開演だったし、休憩時間は30分。その間に、スポンサーからのご厚意で、スパゲッティと化粧品のサンプルが全員に配られた。これは、すごい

トークの直後に歌う事は避け、鈴木慶江さんが先に舞台袖に戻り、少しの間、笠井さんが場つなぎをしてから、鈴木慶江さんが歌う。全体に、歌のテクニックはよく勉強されている印象を持った。ダイナミック・レンジの幅も広く、イタリア語の意味を理解して歌っているのが分かる。そして演奏中の顔が綺麗。しかし、それでも歌は難しい。外国人が歌っている、と分かってしまうのだ。アメリカ人が歌っても、訛っていて、ネイティブではない事が分かりやすいけれど、発音を外に出す言語だから、声が前に出る。しかし、日本人の感性では、日本語は表に吐き出す言語ではなく、口の中で遠慮がちにしゃべっているので、中低音域の発音がこもりやすいのではないかな・・。

休憩後は、プログラムによると2曲だけ?と思っていたら、椿姫の中のアルフレードの父、ジェルモンがヴィオレッタに「身を引いてくれ」と言いに来る二重唱の場面を演奏された。ピアノ独奏の”間奏曲”から続けて20分あまり、字幕付きで、見応えのある出し物となった。「これから結婚をする娘の幸せの為に、息子と別れてくれ。これは天の声だ」と説得しに来る理不尽さを、どうしてヴィオレッタが説得に応じてしまうのか、不思議な場面なのだが、「私を抱きしめて下さったら勇気が湧くでしょう」というシーンを経て、次第にジェルモンの意志に沿う二重唱に、音楽の力で展開していくのが、良く分かった。その場面だけの上演なのに、入り込める演技だった。これだけのものを見せられれば、観客は満足できる、と思った。


「ミラノで共に学んだ仲間たちと演奏会をするのが夢だった」という最後の鈴木慶江さんの言葉を聞いて、ミラノ・ツアー宣伝の為のコンサートなのではなく、コンサート自体が主体だった事が分かった。双方の抱き合わせなのかも知れないが、”宣伝”が表に出ると、人は斜に構えてしまうんじゃないかなあ。終わってみると、面白い企画だった。

インヴィジーブル研究

2007-06-22 13:09:35 | Weblog
私は電車の中でMDを聴く事がある。殆どの場合、自分が愉しむ為ではなく、練習の為に録ったものとか、参考になると思って録ったライブの生録(許可が要らないライブ)の曲の頭出し等、資料整理をしている事が多い。自分が弾いたものを聴く時は、「あ~、こうじゃなくて、ああ弾くべきだ」と反省し、次回への自戒(偶然の、半分意図的なシャレ)として聴く訳です。

そんな電車内でイヤホーンをぶら下げている私の周辺で、すぐ隣座席とか、通路の反対側とか、指でリズムを取っている人がいたりする。まさか、イヤホーンから音漏れしてる? 私は音漏れは気にしているつもりで、最大30レベルの中で、平均10レベル、電車が速度を上げている時で12、停車中は9レベル程度にしているので、音は漏れていない筈。なのに、なんで、私のイヤホーン内の音と微妙に合っているテンポで、つま先でリズム取ったり、ピアノを弾く指のような手つきでリズム取ったりしてるの、皆さん?

まさか「なんか、聞こえてます?」と尋ねることもできない。けど、もしかして、私の頭の中で鳴っているモノが、周辺の人にリズムを取らせているんだったりして・・と思った事が、実は1回や2回ではなく、3回以上あった気がするんですけど。

もう、十年くらい前だろうか。家の前まで帰ってきた時に、急に”弟のイメージ”がを頭の中に湧いて出て、家に入ったら「今日、来たのよ。じきに帰ったけど」と母に言われ、仰天した事がある。なんで? 何を感じて、どうして弟の来訪が分かったのだろう? 目には見えない”気配の粉”のようなモノが残っていたのだろうか?

私は、幸いにも、”霊”や”宇宙人”の類は、見たことがない。そっち系は見たくないのだが、何やら目に見えないもの”インヴィジーブル”の存在は、色々感知しているし、とても興味がある。

昨日は、西荻窪のミントンハウスへ”阿部寛トリオ”のライブを聴きにいったのだが、ゲストはクラリネットの清水万紀夫さん。左肩を上げ、かかとでリズムを取る姿は、太々しいと云えるくらいの堂々とした”ただ者ではない”風格だが、お辞儀はいたって昔気質な謙虚な礼儀正しさだ。そして、出てくる音は”清水万紀夫節”が渦を巻いてビヤ~ッと押し出されて、インヴィジーブルなモノが溢れていた。対抗する阿部寛Gtr.小林真人Bassコンビは、浸食されないように普段よりテンションを上げて、より強固な一枚岩となって、普段あまり使わないフレーズも飛び出して愉しんでいるようだった。阿部&小林コンビからも、いつもと少し違う”インヴィジーブル”が出てきて、相乗効果で、とても面白かった。このジャンルの音楽で、こんな、お客の為でない、ここまで面白い演奏が聴ける場所は、私が知る限り、ミントンハウスだけだ。

私の”インヴィジーブル研究”は、当然、自然と続く。




Ikumiはんこ

2007-06-19 23:01:56 | Weblog
Ikumiはんこが届きました。

先月、兵庫の篠山市の黒豆会館で”ピアソラによせるコンサート”に出演させて頂いた時に、プロデューサーだった加藤昌男さんは、デザイナーで、色んな物を手作りなさるアーティストです。消しゴムを削って、遊び心いっぱいの、素敵なはんこを作っていらして、最初に見たのは、ヤンネ舘野さんがバイオリンを弾く姿の”ヤンネはんこ”でした。シベリウス&コルンゴルトの没後50年企画ツアーの、丹波の森公苑でのポスターはシベリウスとコルンゴルトの似顔絵はんこが使われていました。また、”ピアソラによせるコンサート”の楽屋で頂いた美味しいサンドイッチには、一個一個に”ピアソラはんこ”のシールが貼ってありました。

そこで、私は、今までの人生でも、滅多に殆どやったことの無い”おねだり”をしてしまいました。「加藤さん、私に”Ikumiはんこ”作ってください!」

加藤さんは「私のはんこは、あまり似てないって評判なんですよ。それでもいいですか?」とすっかり苦笑いでしたが、こんな機会は二度と無いと思って、無理矢理お願いして帰って来ました。

その”Ikumiはんこ”が届いたのです。ピアノの形の中に、ピアノに向かっている私と、向こうからこちらを見ている私がいるんですよ。いいでしょう?
鍵盤の上に指を乗せているあたり、ご苦労なさったのではないでしょうか・・?

世界に一つだけの、私の為だけのはんこ。(はんこはそういう物だけど)まさにユニーク!
嬉しいな~。やった、やった! ヒュー、ヒュー!



セヴラック協会例会

2007-06-18 16:21:10 | Weblog
セヴラックという、ドビュッシーと同時代のフランスの作曲家を愛好する人々の集い”セヴラック協会”の例会に行きました。

「とても素敵な大地のような香りがする」とドビュッシーが評したとおり、南フランスからピレネーにかけての風景と香りを感じさせる作風です。6年前に、舘野泉さんが作品集のCDを出されてから、セヴラックを知った方が多いと思います。権威主義からは遠いところにいて、かといってサティのようにあからさまに皮肉な反骨精神を表現するのとも違って、故郷のラングドック地方で自由に創作活動をしたという、ユニークな作曲家です。

私も、舘野さんのCDを聴くまでは、「セヴラックという名前は聞いたことがある」程度でしかありませんでしたが、聴いてみると、とても爽やか!特に、私は”セルダーニャ”の中の《二輪馬車で》が好きです。楽譜を買って弾いてみると、ジョージ・ウィンストンを連想するような箇所があったりして、従来の大作曲家とは違う、気取りの無い、マイルーム感覚の先駆けか、と思ったりもします。

昨日の例会では、ピアノ曲を6本のフルートに素敵に編曲された演奏や、舘野さんのお弟子さんの平原あゆみさんの演奏で大曲”大地の歌”、それに舘野さんの演奏もあり、盛り沢山でしたが、中でも、末吉保雄先生の《ヴェルレーヌの詩に曲をつけた3人の作曲家の聴き比べ》は、とても面白い企画でした。

ポール・ヴェルレーヌがランボーをピストルで撃って、牢獄に入れられた間に、小さな窓から見える空へ向かって「空は屋根のかなたに」と詠んだ詩に、アーン、フォーレ、セヴラックがそれぞれ曲をつけていて、バリトンの鎌田直純さんと末吉先生のピアノ伴奏で、演奏されました。この詩は、たまたま以前から知っていた(気がする)し、アーンの歌曲を合唱で歌われる知人の発音指導をお頼まれした時にも含まれていてアーンの作品は知っていたので、とても興味深く聴きました。

アーンは末吉先生の解説によると若い、十代の作品だそうで、きれいなフランス歌曲。フォーレは獄中にいるヴェルレーヌの心中に的を絞った表現。セヴラックは、ヴェルレーヌが見た窓の外に広がる景色、空気を感じさせる音楽、といった印象でした。

末吉先生といえば、お話が上手で、ソルフェージュの四声の書取りではとろけるような美しい弾き方で内声が聞こえず、苦労させらた、というのが学生時代の私の印象でしたが、相変わらず、お話も上手。ピアノ演奏は、ピアニストとは違う、作曲芸術家だなあ、と思いました。
「とても素敵な気分になれる」集いでした。

祝!関白殿下

2007-06-15 11:47:21 | Weblog
昨日は、北海道にゆかりのある”飲兵衛”の名士の会、”道産酒の会”にお呼ばれして、行きました。今月は、クラリネットの後藤雅広さん、ギター阿部寛さん、ベース小林真人さん、の尊敬する”巨匠陣”にご一緒して頂きました。この方々が付いていれば、どこへ行っても怖いモン無しです。

乾杯の後、”道産酒の会”と”You Are My Sunshine”の伴奏をして、お食事開始。ゲスト・スピーカーのお話や、ヘルシーで美味しい道産食材によるお食事を皆さんとご一緒に愉しませて頂きました。”北の誉”がふんだんに出されているのに、クラビノーバを車で運んでいる私は、舐めることすらできないのが、ちと淋しいところです。(なんちゃって、強くぁないのに、一丁前に云ってみる)世話人代表の堀田さんは、いつもながら耳新しい情報を提供して、皆さんを愉しませるよう是、努めていらっしゃり、感心します。今日は、常磐ハワイアンセンターに関する情報を提供するのに、プロジェクターを用意なさっていました。

宴もたけなわとなり、メイン・イベントは”聞き酒大会”です。各テーブルから代表が2人ずつ出て、純米酒、本醸造、吟醸を当てて、最後まで勝ち残った人のテーブル全員にお土産が出るゲームです。先々月は、阿部さんが決勝まで残りましたが、本人曰く「遠慮して」敗退。先月はトランペットの下間さんが挑戦して、一回戦敗退。今回は、下戸の後藤さんと、お酒も巨匠の小林さんが代表で参加しました。案の定、後藤さんは一回戦で戻って来ました。小林さんは、我がテーブルの期待を一身に背負って勝ち残り、7回戦、8回戦・・。とうとう優勝して”関白殿下”になってしまいました。

写真は、”関白殿下”の衣装を着けて表彰される小林さん。自前のおヒゲで、付け髭の必要もなく、大変良く似合ってしまいました。この姿で、最後の演奏コーナーに突入。右端からスラッピングしながら大きなベースごとお立ち台へ移動する離れ業も披露して、大いに受けました。お陰で大盛り上がり。演奏も愉しく、会員の皆さんにも喜ばれました。


民族音楽・・そして普遍性

2007-06-11 15:36:01 | Weblog
毎週土日の午後開催されている新宿三丁目の銅鑼LIVE に、一昨日の土曜日は、私が所属する”田部フレンズ”が出演する日でした。私は仕事があって遅刻し、2ステージ目だけ参加したのですが、私たちの他に、3バンドが演奏していたようです。

最後に演奏したのは、アルバート式クラリネットの専門家の渡辺毅さんと、普段は”デキシー・キングス”で普通のボエーム式クラリネットやテナーサックス奏者として活躍している白石幸司さん(通称キンちゃん)による、2クラリネットとピアノ、ギター、ベースのリズムセクションでした。キンちゃんは、私が初めてジャズの仕事を依頼された時に、一緒にやって頂いたメンバーの一人で、より親近感のあるプロの奏者です。(しかも男前)この日は、なんとキンちゃんも、アルバート式を一緒に吹くというのです。渡辺さんのクラと同じ、スペリオパイプの歌口のような色のマウスピースを付けていました。

それで、曲目もニューオリンズのスピリチュアル系の曲などをやっていました。キンちゃんも、流石にいつもの軽やかな動きのフレーズではなく、所々に音を張ってアルバート式らしい響きをさせていましたが、結局、キンちゃんらしい品の良さが隠せません。音程もバッチリで、聴いていて気持ちが良いのですが、渡辺さんの演奏を聴くと、ニューオリンズらしいアルバート式の”味”や”コク”のようなモノが際だって聞こえ、とても違うのが面白かったです。

ニューオリンズ・スタイルの”民族性”を改めて、感じました。音程は、悪いより良い方が良いに決まっているのですが、”民族音楽”の”味”となると、きちんと吹く事より、”確信”を持って表現する事の方が、より重要に思われます。

これは、タンゴに於いても同じ。しょせん、日本人でありながら、外国人のスピリットに傾倒して、模倣する立場としては、”その気”になって、”確信”を持って(持ったつもりになって)やるしか道はありません。

ところで、クラシック音楽も、”西ヨーロッパ地方の民族音楽”なんです。学生時代の民族音楽学の授業で北沢方邦先生が、そうおっしゃった時の事を思い出しました。ロマン派の後半の”民族楽派”でなくても、モーツァルトもベートーヴェンも、バッハだって、その当時の市井のメロディを借りてきて作曲しているし、それぞれの生きている時代に空中に漂っていた音楽を無視して、作曲できる筈は無いのです。だから、モーツァルトの作品を弾く時は、モーツァルトの時代の空気をイメージする必要があり、ベートーヴェンしかり、他の作曲家しかり、です。

でも、クラシック音楽は”普遍性”をはっきりと認識したジャンルであり、それ故に、グローバルに、”民族を越えて参加できる音楽”であり、だから日本人である私でも、私なりにやれるのだ、と考えるに至って、やって来ました。

そこで、オールド・ジャズですが、ジョージ・ルイス・スタイルとか、ベニー・グッドマン風とか、サッチモ風、ファッツ・ワーラー風ストライド・ピアノとか、色々スタイルで云われたり分類されたりしているようですが、その中にも、”普遍性”を感じる事ができます。それって、結局、”良いものは良い”っていう事なのかな・・?

昨日の日曜日、西荻窪のミントンハウスというライブハウスで、いつもお世話になっている銅鑼の大将のバンド、”キャナル・ストリート・ジャズ・バンド”に、上山実くんの代役で初出演させて頂きました。飛び入りでは、毎月のように”阿部寛トリオ”の時に弾かせて頂いていますが、昨日、いわば”ミントン・デビュー”をした事になります。そろそろ、”良い演奏”をジャズでも目指さないといけない段階になって来た気がします。


スルガ銀行=Western Union その後

2007-06-08 15:23:14 | Weblog
先週のブログに書いた"Wetern Union"の一件。
ドイツ人のUrlich から送られて来たお金を受け取りにスルガ銀行へ行ったら、「ご本人が書いているミドルネームが申請書に書かれていないのでお金をお渡しできません」と言われ、「納得がいかない!」とゴリ押しして出金し、帰宅後、そのドイツ人にメールをしたら「僕はミドルネーム無い」という返信が来た、という事件です。受け取り金額に差が生じたことも含めて、一連の事件に関して、納得がいく説明を求めて、週末にスルガ銀行に手紙を出しました。

火曜日に、支店長から「回答をしたい」と連絡があり、今日、その支店長とWetern Unionセンター長が家に来られました。

私が見たかったもの、Urlichの手書きの、ドイツ側の申請書のコピーを見せてもらいました。そこには、 ファーストネームとファミリーネームの間に、"Pausch" と、書いてありました。確かに、ミドルネームでしょうね・・。

それと、9340円の請求額分58.50ユーロを本人が送ったと言っているのに、受け取ったのは9060円だった事については、レートを固定で送られなかったか、固定で送られたのに、私が1ヶ月以上経って行った為に、照会を更新する必要があり、その更新の際に、固定がはずれて、当日のレートにされた可能性がある、と言われました。それはスルガ側からは分からないので、ドイツ側に確かめてくれるようにUrlichに連絡するしかないそうです。その際に、差額をUrlichが受け取れるというのです。

う~ん、結局Urlichの「僕はミドルネーム無い」と言ったのがウソだったのか?それとも、代理人が書いて混乱を招いたとか? まだ疑問はぬぐえないなあ。早速Urlichにメールを出したので、また”その後-2”が書けるかな・・。でも、差額280円分の請求に、Urlichは、Wetern Unionに行くかな~。

いずれにしても、日本から海外に送金する手段は色々あって、それぞれ便宜を図っているのに、海外からの送金を日本で受け取る手段が、大口の貿易業務用は別として、小口では国際郵便為替とこのWetern Unionしか無いので、これからも、これを利用せざるを得ません。

スルガ銀行の窓口で「お客様、欧米の方にはミドルネームというものがある事はご存知ですか?次回からはお気をつけ下さい」と私に言った無表情の若い女性と、「お客様、そういうシステムになっております」としか言えなかったその上司の事。「どうも愛想がなくて・・」と支店長に言われたので、「ペナルティ処分をして欲しいなんて、思っていません。ただ、何か研修会でもあった時に、お客の感情を逆撫でするような事は言わないように気をつけましょう、くらい言って下さい」とだけ、言いました。



男って・・

2007-06-06 17:43:17 | Weblog
今朝の電車の中での出来事です。
10時過ぎで、さほど混んでいない東海道線のボックス型車両で、ドアから近い、横向きすわりの座席に座っていたら、隣の、ドア側に座っていた人が、突然、彼に背を向けて立っている男性に、いきなり「なんだよぉ~」と言いながら、こぶしを押しつけていました。つまり、”殴る”に近い状態・・?

ビックリして見ると、その立っている人は少年マンガ誌を読んでいて、肘が私の隣に座っている男性に当たったらしいのです。殴った人は、すぐには気が収まらないらしく、しばらくブツブツ言っていました。

「すぐ切れる人かもしれない。次の駅で、そっと席を移ろうかな・・」と私は思ったのですが、驚いた事に、殴られた方は、「すみません」と言ってからも、その場から移動しないのです。そのままマンガ誌を読んでいました。う~ん、分からない。女性なら、普通はその場から離れるものですが、男性は動かないものなんでしょうか? 動いたら、男の沽券に関わるとか? それとも、只、無神経なだけ? 

よく分からん、と思いながら私も動かず、そのまま座っていました。

確かに、男性より女性の方が、接触に関して神経質。向かい合わせで座っていたら女性同士でも、足がお互いに触れないようにします。靴が触れても、たいがいは気にするし、立っている人の靴が触ると、わざとぶつかって無言のうちに<触ってますよ>と知らせたりするものです。男性はそんなところには、神経遣わないのかな・・。でも、今朝の例のように、一線を越えるといきなり”拳”が出る。

普段、音楽の仕事は、衣装などの違い位しか男女の差異を感じる事がなく、「男だから、女だから・・」という意識は少ない方だと思うのですが、今日は、こんな所で”大違い”を見つけました。



ホタル&しらす

2007-06-05 21:16:51 | Weblog
鎌倉の”お嬢様”ファゴット奏者の松木葉子さんに「ホタル見に来ませんか?」とお誘いを受けて、ホタル鑑賞にお邪魔しました。お宅のお庭と奧のお家との境界線に小川が流れていて、そこにホタルがいるのです。

その前に、鎌倉名物の”しらす”をお母さまの手料理でご馳走になりました。材木座の近くの魚屋さんで”生”と”釜揚げ”を売っているそうです。鉢に私のこぶし程の生しらすをこんもりと盛りつけして下さり、ショウガ醤油で頂きました。う~ん、”生”の味と歯ごたえ。これを「ねっとり」と表現した雑誌があったそうで、「ねっとりになったら、もう食べられないのに、そんな言い方するなんて許せない!」と母娘で仲良く憤慨していらっしゃいました。

朝に買ったものはお昼ご飯に、夜ご飯用は午後買うのが”通”だそうです。お料理屋さんが優先なので、日によって、漁が少ない日は沢山は買えないのだそうです。昨日は、お天気も良く、普段見ているシラスより大きい立派なシラスを沢山出して下さいました。釜揚げが、また、美味しい!サラダの上に、山芋の千切りと一緒に載せてあり、歯ごたえの違いを楽しみました。ヨソ様の食卓を撮影する訳にもいかず、写真がないので残念です。他にも、蕗の卵とじや、美味しいおみおつけ、珍しい中国茶など、色々ご馳走になりました。ごちそう様でした。

さて、ホタル鑑賞。お庭の切れ目の色んな草や、山椒の匂いのする暗がりから小川を見ると、フワ~ッ、フワ~ッ、とクリスマス・ツリーのように可愛い灯りが点灯します。それは、意外に長く、その場にたたずむものもあれば、光ったままフワ~ッ、と移動するものもあり、様々です。こちらへ近づいて来てくれるホタルもあり、目が慣れてくると、ホタルの点灯しているお尻以外の身体の部分も見えたりします。お尻の光はまあるいけれど、身体本体は、結構スリムなんですね。

しばし松木邸で楽しんでから、表に出て、その小川に沿って上流まで、ホタルを追って行きました。このたった1週間から10日程の貴重なホタル鑑賞シーズン。月曜日とはいえ、結構お散歩がてらホタルを見に出ているご近所の方がいらして、松木さんも声をかけられたりしていました。地元でこんなに楽しめるとは、なんて素敵なことでしょう!

ホタルにとっては、”点灯”は求愛活動だ、ときいたことがあります。川床から生えている草や木の、葉っぱの陰にひそむのや、大きめな木の間をフワ~ッ、と渡っていくのや、色んなデモンストレーションがあるようでした。上流の行かれる限界まで行ってみたけれど、一番たくさんかたまって見られたのは、松木邸のお庭でした。ホタルさん達にとって、松木邸の物置の陰が”勝負”の場所なのかもしれません。儚い光の消え方をするだけに、点灯している間は、せめて「しっかり!」と応援したくなりました。

実は、ホタルを写真に撮るのは難しく、カメラがかってにフラッシュを焚いてしまうと風景は写るけどホタルは写らないし、フラッシュOffでは緑色の点々が辛うじて写るだけ。そんな中、30cmの距離で点灯してくれたホタルさんを写せたのですが、このGooの画像フォルダに入ってくれなくて、残念ながらUP出来ません。どーしてだ~?