( 飛行機で秋田へ )
< 第1日 男鹿半島をめぐる >
飛行機で、伊丹空港を出発し、秋田空港に着いた。
空港でレンタカーを借りて、男鹿半島へ向かう。
明朝、五能線の始発駅である東能代駅から 「しらかみ1号」 に乗る予定。そのため、今日は男鹿半島に遊び (ドライブして)、半島の西端近くの温泉に一泊する。
男鹿半島と言えば、遠い昔、学校で教わった「八郎潟の干拓事業」。ただそれも、言葉の上だけの知識で、その後、歳月を経て、ナマハゲという奇祭があることも知ったが、くわしいことは何も知らない。
ナマハゲもさることながら、今回、男鹿半島に立ち寄ったのは、日本海に突き出した男鹿半島の、そのトン先の大間崎。そこに立つ大間崎灯台を見たかったからである。
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寒風山は、男鹿半島の真ん中あたりに位置する。
パノラマラインのヘアピンカーブをゆっくり走って、標高355mの山頂に到着。一面の草原状の起伏が美しい。
入場料を払って回転展望台に上がってみるが、曇天のため、日本海の眺望は良くない。晴れていれば、絶景だろう。
眺望は良くなかったが、展望台の中で、少し勉強をした。
そもそも寒風山は火山の島だった。噴火による成長もあったが、北側に米代川、南側に雄物川が日本海に流れ込み、その土砂の堆積によって、陸続きの半島になった。
半島の付け根にあたる寒風山の東に、汽水湖の八郎潟が取り残された。
琵琶湖に次ぐ大きな湖であった八郎潟は、干拓事業により広々とした田となって、湖はわずかに残るのみとなった。
(寒風山展望台付近からの日本海の眺望)
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せっかく男鹿半島へ来たからには、ちょこっとでも「男鹿のナマハゲ」に触れたい。旅に出る前に「なまはげ館」という施設があることを知り、寒風山からナマハゲの里へと向かう。
道路は快適で、やがて、こんもりとした山中に「なまはげ館」があった。
そのすぐ先には、なぞめいた雰囲気の漂う神社があったので、まず土地の神さまにご挨拶する。
真山神社という。
この神社の奥に、真山 (マヤマ 567m)、本山 (モトヤマ) という峰続きの山があり、平安時代ごろから山岳信仰・修験道の場となった。真山神社の奥宮も、真山にある。
故に、今も、神仏混合、山岳信仰の風を残す神社である。
ナマハゲは、この「お山」から、大晦日の晩に降りてくるそうだ。
( 真山神社の門と本殿 )
参拝を済ませ、木立を隔てた「なまはげ館」に入ると、たくさんのナマハゲたちが迎えてくれた。
恐ろしい鬼の顔をもち、包丁(或いは、鉈)を手にして、蓑を着たナマハゲは、真山、本山の神々の化身とされる。ゆえに、各家では、災禍を祓い、豊作・豊漁・吉事をもたらす神として、丁寧にお迎えする。
村里に現れたナマハゲは、大音声を発しながら、怠惰な子どもや嫁を探し、家に侵入してくる。一家の主人は正装して迎え、怠惰な子も嫁もいないと弁明し、お酒と料理を出して帰っていただく、という行事である。
( 「なまはげたち」 )
「なまはげ館」を出て、ナマハゲの行事を実演して見せる「男鹿真山伝承館」に入った。
他の観光客とともに、囲炉裏のある座敷の端に座って待っていると、突然、家が揺れ動くような音をたて、ナマハゲが怒鳴りながら入ってきた。
次々にふすま、障子を開け、家中を探し回る。すごい迫力だ。
そして、家の主人との問答 (怠け者はいないかという詮議と、そのような者はいないという弁明) となり、お酒を出して、来年も、また来てくださいと送り出す。
(「伝承館」のナマハゲの一場面)
伝承館のそばに、トイレがあった。清潔で、ウォッシュレットだった。
(「伝承館」のトイレ)
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天気が良ければ、男鹿海上遊覧船に乗って、船から男鹿半島を眺めるつもりだったが、あいにくの曇天なので、あきらめて入道崎に直行する。
パーキングに車を置くと、すぐに、入道崎灯台があった。
灯台から先へ、草原が日本海へ向かって開けている。「灯台のある岬50選」の一つ。
そこここに、マーガレットの白い花が咲き乱れていた。
ここは、北緯40度の線上にあるそうだ。碑があり、40度のラインを示す石が、点々と草原に並んでいる。40度は、北京、そして、マドリッドとほぼ同じ緯度のようだ。
青い海があれば、申し分ないのだが ……。
夜は、近くの温泉宿に泊まった。
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