名著復刻全集より

2023-04-04 18:33:21 | 読書、書物

  晴れ。日中は今日も暑いくらいだった。

 青森県新型コロナウイルス感染者数は、百二十四名。ぜんぜん減らないどころか、むしろ増加傾向かも。

 慌ただしい新年度開始早々ですが、名著復刻全集より、小林多喜二著「蟹工船」を読み終わりました。お昼休みにちょこちょことしか読んでいなかったので時間はかかりましたが、名著、と謳われる所以が分かった気がします。現代の「通常の世界」では考えられないほど劣悪極まる労働環境の中で、工員達が起こす反乱の結果と、新たな決意に至るまでを、物凄いリアリティを持って克明に描写しています。こんなことが現実にあったのか、と恐怖すら覚える労働環境の描写、搾取され続け人間として扱われない工員達の仲間の死、反乱と失敗……。一部の階級の人達が富を囲い込み、大勢が苦しんでいるという構図は、今も昔も変わらないのだな、と思わされます。

 名著でした。

 「一九二八・三・一五」という作品も収録されています。こちらもまた労働者達のストライキと投獄、過酷な拷問のみならず、投獄される人々の心の描写が見事に描かれた、リアリティに満ちた作品でした。

 次は名著復刻全集より、幸田露伴著「小説 尾花集」を読みます。またお昼休みにちょこちょこなので時間はかかると思いますが、幸田露伴作品を味わいたいです。

 今日は午後から外作業をしていて疲れました