昔の本の気概

2019-07-07 16:39:57 | 読書、書物

  晴れ。

 昨日、夕方にお猫様を動物病院へ連れて行った際に妹の車に乗ったのですが、エアコンを効かせ過ぎていてその結果、朝起きると喉が痛くて仕方ありませんでした。体もだるかったのでひょっとしたら風邪っぽい状態だったのかも。出かけると金が出て行きますので健康面の問題もあり、今日は大人しくしていました(笑)。

 朝から油彩で絵を描き、その後も猫達をデッサンしたり居なかったら読書したりで過ごしました。

 昨夜、「指輪物語」の再読が(ようやく)完了しました。名作ファンタジーを読み終え、今度は私の稀覯書棚より一冊。三島由紀夫著「鍵のかかる部屋」です。

 

 プレス・ビブリオマーヌという独特の特装本を出版していたところのものです(昭和45年当時もの)。この「鍵のかかる部屋」のプレス・ビブリオマーヌ版は二種類あり、豪華なA版、廉価版のようなB版。左がA版、右がB版となり、何が違うかと申しますと……、

 

 A版は、表紙が総革装丁で純金製のシリアルナンバーが象嵌された金属製の鍵が埋め込まれています。

 

 著者本人の直筆の署名入りで、おまけのように登場人物の名刺がついてきています。中身も特別に製作された銅版画の挿絵が入っており、今ではこんなのどこも出版しないだろ? 、という豪華さ。昔はこんな風に本に愛着を持ってデザインし、手間暇惜しまず製作していたんですね。

 

 B版は廉価版なのでハードカバーです。

 

 名刺と、A版にはない切符がおまけで付いて来ていますが、著者の署名はありません。

 昔の出版業界ってこういうの製作して売れていたのですから、随分活気があったんだろうなとしみじみ。

 せっかくなので豪華な気分を味わうため、あえてA版で読みました。総ページ数四十数ページなので、既に読破。最後の終わり方がなんとも薄気味悪いというか、「その後」が心配になってしまう印象。でも、遅読の私が一日で読んでしまったことからも、面白い短編だったとお判りいただけますでしょうか(笑)。ちなみに「この鍵のかかる部屋」の表記は旧字体です。

 次もまた、私の稀覯書棚より。これは安価な復刻版ですが、太宰治生誕110年を記念し「駆け込み訴へ(え)」をば。こちらも楽しみですね。

 さて、大分体調も戻りましたのでこれからウォーキング、行ってきます。ゲージツ的な、楽しい一日でした



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