東大の研究グループが「柔軟なセラミックス」を創り出すことに成功
Engadget より 220209 山本竜也(Tatsuya Yamamoto)
東京大学 吉田英弘教授らの研究グループは2月7日、セラミックスの硬度を維持しながら、弾性率を低下させ柔軟になる性質を発見したと発表しました。
なお,本研究の内容は,査読付き科学ジャーナル「Acta Materialia」に掲載されています。
セラミックス(金属以外の無機材料の総称)は、陶磁器やガラスなどの身の回りの道具から、半導体や産業用部品など、様々な場所で使われています。中でも、硬いうえに耐熱・耐腐食性に優れているエンジニアリングセラミックスは、航空宇宙や深海、発電プラントなどの過酷な環境での構造材料として活躍しています。
セラミックス(金属以外の無機材料の総称)は、陶磁器やガラスなどの身の回りの道具から、半導体や産業用部品など、様々な場所で使われています。中でも、硬いうえに耐熱・耐腐食性に優れているエンジニアリングセラミックスは、航空宇宙や深海、発電プラントなどの過酷な環境での構造材料として活躍しています。
ただし、硬度がある一方で、金属とは違い塑性変形をほとんどしないという性質があります。ようするに、力を加えた際に壊れやすく脆い性質ということです。
吉田教授らの研究グループは、このエンジニアリングセラミックスであるイットリア安定化ジルコニアの蛍石立方体構造(キュービックジルコニア)を炉内温度600°C、電流密度400 mA/mm2で10分間の通電処理を行ったところ、ゆっくりと力を加えた場合に弾性率が最大30%程低下することを発見しました。
吉田教授らの研究グループは、このエンジニアリングセラミックスであるイットリア安定化ジルコニアの蛍石立方体構造(キュービックジルコニア)を炉内温度600°C、電流密度400 mA/mm2で10分間の通電処理を行ったところ、ゆっくりと力を加えた場合に弾性率が最大30%程低下することを発見しました。
主にプラスチックやゴムなどの高分子で見られる粘弾性変形に近い挙動で、硬度を維持しつつ高分子のような柔軟な性質をセラミックスに付与できたことは画期的だとしています。
これまで、材料の弾性率を制御するのは困難だとされてきましたが、これが実現できれば、例えばセラミックスの弾性率を低下させることで金属などとの異種材料接合時に熱破壊への耐久性を高め、セラミックス部品の信頼性向上が期待できるとのことです。
Source: 東京大学
これまで、材料の弾性率を制御するのは困難だとされてきましたが、これが実現できれば、例えばセラミックスの弾性率を低下させることで金属などとの異種材料接合時に熱破壊への耐久性を高め、セラミックス部品の信頼性向上が期待できるとのことです。
Source: 東京大学