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何気無い日々が続く様に。生きていく事の大変さがカナン。ある種空気の様な存在になりたいもの。

生命の元作る「最後のピース」 PrES細胞の作製成功 理研など  202202

2022-02-04 23:07:00 | ¿ はて?さて?びっくり!

生命の元作る「最後のピース」 PrES細胞の作製成功 理研など
  毎日新聞 より 220204


 マウスの受精卵が細胞分裂してできた「胚盤胞」から新たな幹細胞「PrES(プレス)細胞」(原始内胚葉(ないはいよう)幹細胞)を作製したと、理化学研究所と千葉大のチームが3日付の米科学誌サイエンス電子版に発表した。
 この細胞を混ぜた塊をマウスの子宮に移植したところ、着床後すぐの通常の胚と似た構造に成長したという。

 胚盤胞は、①主に体になる細胞②胎盤になる細胞③胎盤ができるまでの栄養源となる卵黄のうになる細胞――の3種類の細胞からなり、このうち2種類から既にES細胞(胚性幹細胞)とTS細胞(胎盤幹細胞)の二つの幹細胞が作られている。
 三つ目のPrES細胞がそろったことで、幹細胞だけを使った生命誕生につながる可能性があるという。チームは「最後のピースができた。人工的に生命を再構築できる技術への第一歩だ」としている。

 理研の大日向(おおひなた)康秀客員研究員らのチームは、マウスの受精卵を胚盤胞に成長させた後、特殊な条件下で培養し、卵黄のうになる能力を持つPrES細胞を作製。これを、薬剤で卵黄のうになる細胞をなくした胚盤胞に注入したところ、育たないはずの胚盤胞が成長を続け、正常な子マウスが誕生したという。

 さらに、三つの幹細胞を混ぜ合わせた塊を雌マウスの子宮に移植し、約1週間観察した結果、2~3割の確率で着床し、着床後すぐの通常の胚に似た構造まで変化したという。正常な胚にはならず、子マウスは生まれなかった。

 胚盤胞を人工的に作る研究は国内外で行われている。米豪の2チームは2021年、ヒトの幹細胞などを使い、胚盤胞に似た細胞の塊を作製したと発表した。

 大日向研究員は「数十個の細胞からなる胚盤胞が生命の起源として機能する仕組みの解明に役立つかもしれない」と話す。マウスとヒトでは受精卵の発育の仕組みが大きく異なるため、チームはよりヒトに似たブタの細胞での研究も進めている。【荒木涼子、渡辺諒】

ー幹細胞や胚の研究に詳しい京都大iPS細胞研究所の高島康弘講師の話
 非常に興味深い成果だ。胚の成長に対する卵黄のうの役割や、着床前後の胚の仕組みの解明につながる。ヒトとマウスとでは成長の過程の仕組みは大きく異なるが、マウスで得たアイデアをヒトに応用することで、倫理面から研究が難しい領域でも理解を深められる。


*幹細胞
 分裂して同じ細胞を作る能力(自己複製能)と、さまざまな部位の細胞に分化する能力(多分化能)を持つ特殊な細胞。発生や組織の再生などを担う細胞と考えられている。皮膚や血液の体細胞に遺伝子などを導入し、培養して作るiPS細胞(人工多能性幹細胞)も幹細胞の一つ。
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🏛 国宝・十一面観音像 奈良博で24年ぶり展示 2022/2/5〜3/27迄

2022-02-04 23:00:00 | 〽️ 行事・新案内等 控え

国宝・十一面観音像 奈良博で24年ぶり展示
 産経新聞ニュースより 220204


 露出展示される聖林寺の国宝・十一面観音菩薩立像=奈良市の奈良国立博物館

 天平彫刻の傑作として名高い聖林寺(しょうりんじ)(奈良県桜井市)の国宝・十一面観音菩薩立像などを展示する特別展「国宝聖林寺十一面観音三輪山信仰のみほとけ」が、5日から奈良国立博物館で開催される。同像が同館で展示されるのは24年ぶり。もとは大神(おおみわ)神社(桜井市)に付属した大御輪(だいごりん)寺に祭られ今回、同寺にあった他の像も同時に並ぶ。3月27日まで。

 大御輪寺に安置されていた十一面観音像は明治政府による神仏分離の政策により聖林寺へ。米国の東洋美術史家、アーネスト・フェノロサや哲学者、和辻哲郎らがその美しさに魅了され、世に知られることになった。

 同像は高さ約2メートルで、木心乾漆(もくしんかんしつ)造りという技法で造られた流麗な姿。通常は聖林寺の収蔵庫(改修中)で祭られている。

 今回の特別展では360度露出展示され、さまざまな角度から見ることができる。像の背後を飾っていた光背の一部も並び、当初の華やかな姿をうかがうことができる。

 また、元々大御輪寺に安置されていた正暦寺(奈良市)の日光・月光両菩薩立像(平安時代)と法隆寺(斑鳩町)の国宝の地蔵菩薩立像(平安時代)も並び、十一面観音像と約150年ぶりの「再会」となった。

 今月7日と21日、28日、3月22日は休館。
   観覧料は一般1400円など。
  問い合わせはハローダイヤル(050・5542・8600)。
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【全部試しました】非常食おすすめ10選!本当においしいのはこれだ (控え) 202202

2022-02-04 22:55:00 | 生活編

【全部試しました】非常食おすすめ10選!本当においしいのはこれだ
ノーヴィス編集部  より 220204


 地震や豪雨などの自然災害による被害が増え、今まで以上に注目されるようになっている「非常食」。そんななか「せっかくならおいしい&楽しい非常食を食べたい!」という人も少なくないはず。
 そこでnoviceでは、これまで実食レポートしてきた、本当におすすめできる非常食10選をお届け!「日清カップヌードル保存缶」や非常食用の「たべっ子どうぶつ」など、ユニークな非常食をたっぷり紹介します。 


🥫【吉野家の缶飯】完売続出の人気非常食
「缶飯」は、高機能玄米「金のいぶき」と吉野家牛丼の具が合体した「ご飯缶詰」。 「金のいぶき」は栄養価が高く、白米と比べ食物繊維が7.8倍、 ビタミンEは26倍と栄養豊富! 災害時の食糧としてもぴったりな食品です。
 また、この「缶飯」は温めなくても常温でそのまま食べられ、製造後の賞味は3年。
 いつでもどこでも吉野家のおいしさが味わえるというわけですね。全6種類が展開されているなか、今回は「豚丼」と「焼塩さば丼」をセレクト。 豚丼はお店の味と比べると、少々味は薄め。豚肉の旨みもほんのり感じ、常温でも「ぬるい」とか「ボサボサする」といったような感じはありません。温めるとお店で食べる豚丼に近くなりました!
 焼きさば丼は、皮のパリパリ感こそありませんが、焼きさばの塩加減がちょうど良く、噛むたびに旨みを感じます。お米は想像以上に水分を保っており、少し硬めのおかゆに近い食感。薄めの味で、和の風味を感じますね。こちらも温めた方がおいしく味わえました。

  >>>【吉野家の缶飯】完売続出の人気「非常食」実食ルポ!キャンプ飯にいいかも!?


🍜【日清カップヌードル保存缶】一缶で2食分のラーメンが食べられる!
 日清のカップヌードルといえば、カップラーメンの元祖。そんなカップヌードルの非常食というのですから、試してみないわけにはいきませんよね! 中身には麺2玉・粉末スープ入りかやく2袋・紙カップ2個・フォーク2本が入っていました。
 出来上がったラーメンを食べてみると、麺はツルツルで食べやすく、食べ慣れたカップヌードルの味。謎肉やふわふわのたまご、エビもおいしく食べられましたよ。期限が切れそうになっても、これなら通常のおいしいカップ麺として楽しむことができそう!

>>>「日清カップヌードル保存缶」作り方と味を解説【おすすめ非常食お試し報告】


🍩【たべっ子どうぶつ】お馴染みのお菓子が非常食に
 見慣れたキャラクターが描かれた缶。非常食バージョンに描かれた動物たちは、防災グッズを身につけていました。賞味期限は、筆者の購入したもので約4年8カ月! さすが非常食といったところですよね。
 缶を開けてみると、全部で63個入っていましたよ。2個割れていましたが、缶が凹んでいた割には被害が少なめ? 食べてみると、こんがり甘じょっぱいバター味の通常版に比べて、厚焼きの非常食版は、ほんのり甘く牛乳が飲みたくなるような味。普段のお菓子としても良さそうです。

>>>お馴染み「たべっ子どうぶつ」が非常食に変身!【おすすめ非常食お試し報告】


🌯【特務機関NERV指定 防災糧食】エヴァ×災害食メーカーの完結型災害食

『特務機関NERV指定 防災糧食』は、おなじみ「エヴァンゲリオンシリーズ」と災害食や介護食・治療食の専門メーカー「ホリカフーズ」のコラボによって誕生した非常食。
 ベースとなっているホリカフーズの「レスキューシリーズ」は、自衛隊や災害現場で食されているものと同スペックで、ライフラインが寸断された状況でも温かい食事が摂れる完結型災害食とされています。
「01ビーフカレー」、「05和風ハンバーグ」、「02牛丼」です。どれも非常食なチープさは感じない内容です。気になる味は、予想以上に美味! 特に「05和風ハンバーグ」は、料理としての特別感は今回試した中でNo.1。鶏肉ベースのハンバーグと温かいとろっとした餡のハーモニーが絶妙です。楽しい・手軽・火気や他の器具&カトラリー不要なので、キャンプ飯として持っていくのにも良さそうですよね。

>>>【キャンプにいいかも!?】エヴァンゲリオン「特務機関NERV指定防災糧食」実食レビュー


🍴【井村屋のえいようかん】人気老舗食品メーカーの非常食
「井村屋」は、1896年に創業した老舗食品メーカー。あずきを使用したお菓子は特に人気が高く、最近はSNSでおもしろい呟きをすることでも話題となっていますよね。
 そんな井村屋から販売されているのが、こちらの「えいようかん」。登山時などでの行動食としても親しまれているようかんを「5年間長期保存」とした、非常食にもぴったりな商品です。
 1本171kcalと、ご飯一杯分に相当するエネルギーを補給できるのもうれしいところ。ひとくち食べてみると、みずみずしさとあんこの優しい甘さが口いっぱいに広がります。ほどよくしっとりしていて、噛みやすく食べやすい! あっという間に完食しましたが、結構な満腹感が得られました。非常時はもちろん、ランニングやサイクリングなどアウトドアシーンにも良さそうですね。

>>>話題の「井村屋のえいようかん」実食レポート!防災備蓄&行動食にもおすすめ


🍛【尾西のカレーライスセット】ココイチのカレーがどこでも食べられる!?
 カレーでおなじみのCoCo壱番屋が監修した「尾西のカレーライスセット」。賞味期限は約5年と十分な保存期間です。お湯または水さえあれば簡単にふっくらご飯ができあがるので、災害時にかなり助かりそうですよね!
 気になるカレーはスパイシー! さすがココイチといったおいしさです。ご飯とカレーを一緒に食べるとご飯の硬さも気にならず、カレーのスパイスで身体がぽかぽかに。気持ちも不安になるであろう非常時、こんなカレーがあったらきっと和めるはず。避難用のバッグに入れておいて損はありませんね!

>>>「ココイチのカレー」が食器不要でどこでもOK!?【おすすめ非常食お試し報告】


🥫【たこやき缶詰】大阪の味を缶詰でも
 たこやきのイラストの入った可愛い缶詰。これが非常用の持ち出しバッグに入っていたら、なんだかホッとしそうですよね。プルタブ式が採用され、缶切りがなくても開けられるので非常時も安心。賞味期限は筆者の購入したもので3年近くありました。
 ソースはゼリーっぽい感じ。ほんのり薄味ですが、しっかりソースの味がします。口に入れると確かにたこやきの味がしますが、そのままよりも、マヨネーズや鰹節、紅しょうがなどをのせて食べればよりたこやきらしく食べることができましたよ。

>>>「たこやき缶詰」はそのまま食べても大阪の味!?【おすすめ非常食お試し報告】


🍝【マジックパスタ】水だけで食べられる不思議なパスタ
 水だけでも作れる「マジックパスタ」は、「ペペロンチーノ」、「きのこのパスタ(デミグラス風味)」、「カルボナーラ」の3種類が展開。賞味期限も筆者が購入したもので5年以上と、非常食にはぴったりです。
 早速水で作ってみると、パスタがしっかり水を吸っています。ちょっと硬いところも残っていますが、ちゃんとペペロンチーノの味! 簡単で、お皿やカトラリーがいらないのもうれしいところですよね。「きのこのパスタ(デミグラス風味)」や「カルボナーラ」もあっという間に完成。お皿にのせて食卓に出せばきちんとしたランチになりそうです。

>>>水だけで食べられる「マジックパスタ」って?【おすすめ非常食お試し報告】

🍚【3種の餅】水に浸して30秒で完成!
 レトルトカレーみたいなパッケージのこちらは、「水をそそげばアッというまにしょうゆ餅」「水をそそげばアッというまにあんこ餅」「水をそそげばアッというまにきなこ餅」。いずれも水だけで作れるお餅です。カルシウム・マグネシウム・ビタミンEが入っています。
3種類とも、そのままでももちろん食べられましたが、レンジで温めるとさらにおいしさUP! きなこはほんのり甘い味。甘さが足りない人は、砂糖を加えて調節してもいいかもしれませんよ。

>>>水に浸して30秒!非常食にもなる3種の餅を実食【おすすめ非常食お試し報告】


🍿【カラムーチョ】通常版と一緒に食べ比べ!
 みんな大好きカラムーチョが非常食に。保存期間は5年で、日頃の備えやアウトドアにぴったりなスナック缶とされています。キャップを閉めて保管できるのも、非常食のカラムーチョならでは。
 袋と缶の中身を全部出してみることに。袋のカラムーチョはやはりたくさん入っていますね。非常食のカラムーチョを食べてみると、ポテトの風味と後からくる辛さがちょうどよく、食べる手が止まりません・・・。通常との違いはまったくわかりませんでしたが、非常食としてだけでなく普段から食べられそうです!

>>>ローリングストックにも!非常食のカラムーチョ【おすすめ非常食お試し報告】



◆どれもおいしそうな非常食ばかりでしたよね。これらの商品はすべてオンラインで購入できるので、詳しい情報は各実食レポートからチェックしてみてくださいね!
https://no-vice.jp/article/57738/
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亡くなる日を歌で予言した!平安のベストセラー歌人、西行のドラマティックな生涯  202202

2022-02-04 22:41:00 | なるほど  ふぅ〜ん

亡くなる日を歌で予言した!平安のベストセラー歌人、西行のドラマティックな生涯
  和楽web  より 220204  高橋 三保子


「願いが叶うなら、春、満開の桜の木の下で、満月(2月15日)のころに死にたいなあ」
そうつぶやいた10数年後、自分が予告した日から1日だけ遅れて、2月16日に静かにあの世へ旅立つーー

 そんな奇跡を起こした人物が、およそ800年前の日本にいました。
平安時代末期から鎌倉時代にかけて活躍した歌人、西行です。

 西行は多くの和歌を詠み、勅撰和歌集にも合計265首が採用されたベストセラー歌人。後に続く歌人に大きな影響を与え、能や落語、多くの文学作品の題材にもなっています。

魅力的な作品を多く残したんですね!

 武士の家に生まれて将来を期待されながら、西行は23歳で突然、家も名誉も捨てて出家してしまいました。高貴な女性と禁断の恋に落ちて、思いを断ち切るため出家したという説もあり、その生涯はドラマティックです。
 和歌の世界では真っ先に名前が挙がる有名人でありながら、謎も多い西行。その足跡をたどりながら、花と月をこよなく愛した西行の、歌の魅力をご紹介します。

⚫︎23歳。高貴な女性との恋に破れて出家?
 西行は1118(元永元)年、名門の武士の家に生まれます。「西行」は出家してからの呼び名で、もともとは「佐藤義清(のりきよ)」という名前でした。上皇を警護する「北面の武士」という役職について働き、蹴鞠や馬術にも優れていたようです。
 結婚して二人の子どもがいましたが、23歳のとき、突然出家してしまいます。
 年をとり、人生の酸いも甘いも噛み分けた老人ならいざ知らず、前途ある若い武士がすべてを捨てて仏門に入ることは、当時の人びとにとっても驚きだったようです。『西行物語』や『源平盛衰記』という書物には「同僚が亡くなって世の無常を悟ったらしい」「いやいや、高貴な女性に叶わぬ恋をしていたんだよ」とさまざまな推測が書かれています。

「失恋説」を採用している『源平盛衰記』には西行の歌として、こんな和歌が紹介されています(この歌自体が、源平盛衰記の作者による創作であるという説もあります)。

  思ひきや富士の高嶺に一夜寝て 雲の上なる月を見んとは

(高嶺の花だと思っていたあなたと一夜を過ごすことができるなんて、思いもよらないことでした。富士山よりもさらに高い、雲の上に浮かぶ月のように、あなたは私にとって遠い存在です)

 西行が出家したのは、口にするのも恐れ多い高貴な女性に恋をしたためである、と源平盛衰記は伝えています。叶わぬ恋に身を焦がす西行に、相手の女性は「あこぎの浦ぞ」と言いました。その言葉を聞いた西行は恋をあきらめ、出家を決意したというのです。

「あこぎの浦」は、神様に捧げる魚を獲るための漁場です。一般の人が漁をすることは禁じられていました。ある漁師が、あこぎの浦でたびたび魚を獲っていたため、海に沈められてしまいます。この故事をもとに、人びとは「伊勢の海あこぎが浦に引く網も 度重なれば人もこそ知れ」という恋の歌を口ずさむようになりました。秘密の恋も、逢瀬がたびかさなれば人に知られてしまうよ、という意味です。

 西行が恋をした相手の女性は、鳥羽天皇の中宮「待賢門院璋子(しょうし/たまこ)」とも言われています。璋子は幼いころからとても美しく、鳥羽天皇のおじいさんにあたる白河法皇にも寵愛されていました。恋愛について現代よりもかなり自由だった平安時代ですが、祖父と孫が同じ女性を愛するということはさすがに珍しく、このことが、後の歴史的大事件につながっていきます。

 源平盛衰記の記述がどこまで真実なのかはわかりませんが、魅力的な姫君と若い武人の悲しい恋物語は、当時の人びとの心を惹きつけてやまなかったようです。

確かにストーリーが切なくて印象的です

⚫︎煩悩を断ち切るため、4歳の娘を縁側から蹴り落とす!?
 タイトルが衝撃的すぎる!どういうこと?
『西行物語』には、出家を決意した西行が、かわいい盛りの4歳の娘を縁側から蹴り落とすという残酷な場面が描かれています。

 西行が家へ帰ると、娘が駆け寄り、袖をつかんできました。その姿をこの上なくいとしく思いながらも、これこそが出家をさまたげる「煩悩の絆」だと言って、縁の下へ蹴り落としてしまうのです。娘はなおも父を慕って泣きつづけたと西行物語は伝えています。
 この記述も真偽はわかりませんが、妻子のある若い武士が出家するということは、当時からそれほど重い覚悟が必要なことだったのかもしれません。

出家を決意した西行は、こんな歌を読んでいます。

  そらになる心は春の霞にて 世にあらじとも思ひ立つかな

(心が春の霞のように落ち着かず、空へ向かって立ちのぼっていく。出家しよう、と思い立った)
「そら」は雲が浮かんでいる「空」だけではなく、空っぽである様子や、むなしさのような感情もあらわしていると考えられます。
「そらになる心」という歌いだしに、失恋の痛みや、娘を足蹴にするような葛藤の重さは、あまり感じられません。むしろ、春の空に向かって気持ちがどこまでものぼっていくような高揚感、迷いが吹っ切れた後の穏やかさがあるような気がしませんか?

悩んだ末に決意をした後って結構すっきりするもんね

「春風が花びらの布団をかけてくれる」ロマンチックな桜の歌
出家後の西行は、しばらくの間、東山や鞍馬、嵯峨など、都の郊外に庵を結んで暮らしていました。その後、2年間にわたり陸奥(現在の東北地方)へ旅をしています。

 1149(久安5)年、西行32歳のとき、現在の和歌山県にある高野山の大塔が落雷で炎上するという事件が起こりました。その再建をきっかけに、西行は高野山へ入山。以降、およそ30年間を高野山を拠点として過ごします。と言っても、ずっと高野山に閉じこもっていたわけではなく、都や四国など各地へ旅をして歌を詠んでいます。

 中でも西行がお気に入りだったのは、桜の名所として知られる吉野山(現在の奈良県)。今でこそ花の季節には多くの人が訪れる観光名所ですが、平安時代には、まだ知る人ぞ知る秘境でした。

木のもとに旅寝をすれば吉野山 花の衾(ふすま)を着する春風

(旅の途中,吉野山の桜の木の下で眠っていると,春風がそっと花びらの布団をかけてくれる)
 情緒にあふれていて素敵!
修行中の身である自分のほか、人の姿もない山の中で満開の桜と出会い、花びらに抱かれるようにして眠る西行の姿が目にうかぶ、ロマンチックな歌です。単純に花の美しさをたたえることを超えて、まるで花に恋しているような歌いぶりですね。

あくがるる心はさても山桜 散りなんのちや身に帰るべき

(山に咲く桜の花を見ると、心がふわふわと体を離れて飛んでいってしまいそうだ。桜が散った後には、体に戻ってきてくれるといいのだがなあ)
 吉野の桜に恋焦がれるあまり、西行の魂は肉体を離れて花と一心同体になってしまったようです。それにしても、先にご紹介した「そらになる心」の歌といい、西行の心は何かに夢中になったり深く思い詰めたりすると、すぐに体を離れて飛んでいってしまうのですね。
 ひとつの場所に長くとどまっていられない、生まれながら旅人の魂を持っていたのかもしれません。

 自分の頭の中は私だけのものですものね
「心がどんどん澄んでいく」西行が愛した月の歌
桜とならび、西行がこよなく愛した和歌のテーマが「月」です。

歎(なげ)けとて月やはものを思はする かこちがほなる我が涙かな

(「なげきなさい」と言って、月が私に物思いをさせるのだろうか。そうではない。それなのに、まるで月のせいにするかのように、涙があふれてくるのだ)
 百人一首に採用されている歌なので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。西行の和歌を集めた『山家集』では「恋」の部に分類されており、ここでいう物思いは、恋の悩みのようです。
 月を見上げると、いとしい人を思い出して涙がこぼれる。今夜の月が美しすぎるせい……なんて、何だかかぐや姫みたいですね。

 西行が恋をテーマに詠んだ歌はその多くが「題詠」、お題をもとに作られた作品です。西行自身の経験をそのまま歌にしたというよりも、想像をふくらませて創作した可能性が高いと考えられます。この歌を詠んだとき、もしかすると西行の脳裏には、世を捨てる以前に経験したほろ苦い恋の記憶がよぎっていたかもしれません。

月の歌をもう一首、ご紹介します。

行方なく月に心の澄み澄みて 果てはいかにかならんとすらん

(月を眺めていると,心がどんどん澄んでいく。私はこの先,どうなってしまうのだろうか)
 きれいな満月をじっと見ていると、なんだか吸い込まれてしまいそうな気持ちになることがあります。海外には、月を見るとオオカミに変身してしまう男の伝説がありますが、古今東西、月の姿には人の心をざわつかせる何かがあるようです。
 西行もまた、孤独な修行の日々の中でふと月を見上げ、心がどんどん透明になっていく感覚を味わったのかもしれません。
 心のおもむくまま、安定した暮らしも、家族もすべて捨てて生きてきたけれど、自分はいったいどこへ向かおうとしているのか……と不安になる瞬間もあったでしょう。
 月や花の美しさを描写するだけでなく、自然によって引き起こされる心の揺らぎをありのままに詠むのが、西行の歌の古びない魅力だと思います。

 いつの時代にも不安はあって、西行の歌はそういった感情にそっと寄り添ってくれる感じがしました

⚫︎讃岐へ……崇徳院の御霊を慰める旅
 1156(保元元)年、西行にとって衝撃的な事件が起こります。後白河天皇と崇徳院が皇位継承をめぐって争った保元の乱です。
 崇徳院は表向き鳥羽天皇と、西行と恋の噂があった待賢門院璋子の子どもということになっています。けれど、実の父は鳥羽天皇の祖父である白河法皇とも言われ、鳥羽天皇から疎んじられていました。崇徳院は幼くして天皇となりますが、異母弟に譲位させられ、鳥羽上皇をうらむようになります。

 お互いに和歌を愛し、年齢も近かったことから、崇徳院と西行は歌を通じた交流がありました。保元の乱に敗れた崇徳院が出家した際も、西行は身の危険をかえりみず、崇徳院がいる仁和寺に駆けつけています。出家した身とはいえ、かなり大胆な行動です。

 崇徳院は罪人として讃岐に流されることになりました。西行は「心をしずめ、修行に専念してください」という主旨の歌をたくさん書き送っています。崇徳院は熱心に写経をし、「寺に収めてください」と朝廷に送りましたが、呪いを恐れた後白河天皇から送り返されたと言われています。

 朝廷から排除され、心をこめた写経すらも受け取ってもらえないーー。
『保元物語』によると、崇徳院は烈火のごとく怒り、爪を切らず髪も剃らず、舌を噛み切った血で「大魔王となって祟ってやる」と写本に書きつけて天狗になった、とも言われています。崇徳院が讃岐で亡くなった後、都では火事や謀反事件が相次ぎ、人びとは崇徳院のたたりではないかと噂しました。

 歌のやりとりを通して崇徳院の真心にふれていた西行は、この結末をどんなふうに受けとめたでしょうか。崇徳院が崩御したのち、西行は讃岐へ、御霊を慰める旅に出ています。

よしや君昔の玉の床とても かからん後(のち)は何にかはせん

(陛下、もう終わりにしましょう。崩御された今となっては、たとえ昔のままの玉座にあられたとしても、それがいったい何になるというのですか)
 崇徳院の魂に呼びかけるこの歌からは、西行の深い悲しみとむなしさがにじみ出してくるようです。

⚫︎西行の自信作「鴫立つ沢の秋の夕暮」
 1180(治承4)年、平清盛が平安京から福原へと遷都をおこなった年、西行は30年暮らした高野山を下り、以前から憧れていた伊勢の二見浦へと引っ越しをしました。
 6年後、69歳のときには、平家によって焼き討ちにされた東大寺を再建するため、「砂金を寄付してほしい」と奥州藤原氏に依頼する旅に出ています。
 歴史書『吾妻鏡(あずまかがみ)』によると、旅の途中、西行は鎌倉の源頼朝に会って、銀で作った猫の置き物をもらったといいます。高価な銀の猫を、西行は門の外で遊んでいた子どもにあげてしまいました。
 世間の常識や私欲にとらわれない、自由な性格が伝わってくるエピソードですね。

 北へ向かう西行が、湘南のあたりで詠んだとされる歌を見てみましょう(この歌が詠まれたのは、出家間もない20代の頃だったという説もあります)。

心なき身にもあはれは知られけり 鴫(しぎ)立つ沢の秋の夕暮

(出家して、もののあわれを感じる心とは遠く隔たっている世捨て人の私にも、シギたちが飛び立つ沢の秋、夕暮れのものさびしさがしみじみと感じられることだ)
 シギは干潟や田んぼのような沼地に住む、くちばしの長い茶色の鳥です。シギが沼地でエサをとっている様子に、鶴や白鳥のような華やかさはありません。おそらく夕闇に紛れて、姿も見えなかったことでしょう。
 何かに驚いたのか、シギたちがいっせいに飛び立ち、あたりの静けさが破られます。はっとして顔を上げると、鳥の群れが飛んでいく山の稜線を、秋の夕日が赤く染めているーーそんな光景が目にうかぶようです。

 西行自身、この歌の完成度の高さにはかなり自信を持っていたようです。勅撰和歌集『千載集(せんざいしゅう)』に自身の歌が複数選ばれていると聞いて、東北から京都へ向かった西行。途中の道で知人に会い、「『鴫立つ沢』の歌は千載集に採用されたでしょうか?」とたずねます。「選ばれていないようですよ」と聞き、がっかりして東北へ引き返してしまったという逸話が残っています。

「鴫立つ沢」の歌は、西行の死後『新古今和歌集』に掲載され、秋の夕暮れをテーマにしたすぐれた3首の和歌「三夕(さんせき)」の歌のひとつとして有名になりました。

あの世で喜んでるかな〜

⚫︎和歌で亡くなる日付を予言
 西行が奥州への旅の途中で詠んだとされる和歌を、もう一首ご紹介します。

風になびく富士の煙(けぶり)の空に消えて 行方も知らぬわが思ひかな

(風になびく富士山の噴煙が、空にのぼって消えていく。その煙のように、私の思いがどこへただよっていくことやら、行方もわからない)
 亡くなる2〜3年前に詠んだこの歌を、西行は「わが随一の自嘆歌」、つまり一番よくできたお気に入りの歌と語っていたようです。

 花を見ては体を抜け出し、月を見ては不安になるほど透き通っていた西行の心は、ここでも煙のように大空へ舞い上がっていきます。西行は「漂泊の歌人」と言われますが、体だけではなく心も、時間や空間にしばられることなく自由に羽ばたいた人でした。

願はくは花のしたにて春死なむ その如月の望月のころ

(願いが叶うなら、春、満開の桜の木の下で、お釈迦様が入滅した2月15日の満月のころに死にたいなあ)
 60歳のころ、西行が詠んだ歌です。実際に西行が亡くなったのは、それから10数年が過ぎた1190(建久元)年2月16日。死ぬ日付までほぼ言い当てた見事な去りぎわは、西行という歌人の存在を伝説にします。

 西行にとって桜という花は、ただ美しさを愛でるだけの存在ではありませんでした。見事に咲き誇り潔く散る、そのサイクルに生と死を見ていたのかもしれません。

 若くして世を捨て、花と月を愛し、権力者の栄枯盛衰を見守り、膨大な数の和歌を後世に残して旅立った西行。歌集をめくり、時空を超えて語りかけてくる西行のことばに、耳をかたむけてみませんか?

📗西行の歌にふれてみたい方へ。おすすめの入門書
ビギナーズ・クラシックス日本の古典「西行」(角川ソフィア文庫)
コレクション日本歌人選「西行」(笠間書院)
白洲正子「西行」(新潮文庫)
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終生免疫獲得も見込める「国産生ワクチン」の懸念は開発予算  202202

2022-02-04 22:18:00 | なるほど  ふぅ〜ん

終生免疫獲得も見込める「国産生ワクチン」の懸念は開発予算
 Newsポストセブン  より 220204


⚫︎「国産生ワクチン」の開発は進行中
 新型コロナに対するmRNAワクチンは時間の経過で中和抗体が減少する。そこで現在、日本では天然痘ワクチンに使用されていたワクシニアウイルスにコロナウイルスのスパイクタンパクを組み換えた生ワクチンの開発が進行している。1回の接種で長期にわたって効果が続き、また細胞性免疫なので変異株にも効果が期待できる。来春、ヒトへの臨床治験が開始される予定だ。

(【図解】Sタンパク質遺伝子をニワトリ線維芽遺伝子に…国産生ワクチンの製造図)

 新型コロナはオミクロン株の影響で再拡大。承認済みワクチンのオミクロン株に対する効果は30分の1か、50分の1程度ともいわれ、さらに一度感染しても、1、2年と比較的短期間で免疫が低下・消失するので、周期的に感染拡大を繰り返す。
 そのため次々に登場する変異株に対しても、効果が見込めるワクチンの開発が急がれている。

 そんな状況の中、日本では1回の接種で長期間の効果が期待でき、終生免疫獲得も見込めるワクチンとしてワクシニアウイルスをベクター(運び屋)にした新型コロナワクチンの開発が進行中だ。

 開発を担当している、東京都医学総合研究所の小原道法特別客員研究員に聞いた。
「ワクシニアウイルスを利用したワクチンの代表的なものは天然痘ワクチンです。200年以上の歴史があり、幼少期に1回接種すれば、その効果は一生続きます。
 現在、1961年に日本で開発されたワクシニアウイルスを大幅に弱毒化したDIs株がベクターとして使用されています。この株は安全性が確立されており、これに新型コロナのスパイクタンパクの遺伝子を組み換えた生ワクチンを開発しました」

 つまり、DIs株に遺伝子組み換え技術で新型コロナウイルスのスパイクタンパクの遺伝子を組み入れる。それをトリ由来の細胞を入れた培養タンクで培養、生ワクチンを作成する。
 以前の鶏卵での培養に比べ、細胞培養を行なうことで、より安全性が高くなり、製造コントロールも容易になっている。

 その開発した新型コロナウイルスワクチンをマウスに投与して攻撃感染させると投与1週間目に中和抗体が作られ,細胞性免疫も獲得,接種した全ての個体が肺炎を起こさなかった。
 また滋賀医科大学の協力で、カニクイザルにもワクチンを接種した結果、ワクチン接種群では肺内の新型コロナウイルスの増殖が5万分の1以下に減少、感染拡大が抑制された。
 これは感染しても、ウイルスを排除できることを示唆する。

「中和抗体を接種後1週間目に獲得できるうえ、天然痘ワクチンと同様に終生免疫獲得も期待できます。今は来春予定のヒトへの治験開始に向け、準備を進めているところです。
 ただ開発費用の不足から、計画が遅れる可能性があります」(小原特別客員研究員)

 今後も承認済みワクチンは3か月に1回程度のブースター接種が必要になる、と指摘する医療関係者が多い。しかも接種費用は1回あたり、総額1兆円との試算もある──。

 この現状を鑑み、政府は国産の生ワクチン開発に理解を深め、予算等を含めた厚い支援に取り組むべきだろう。

取材・構成/岩城レイ子

※週刊ポスト2022年2月11日号



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