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世界が「宗教紛争」に覆われる原因は何か~中東で紛争勃発の今こそ考える 日本式「オンデマンド宗教」が最高である 202311

2023-11-04 22:40:00 | なるほど  ふぅ〜ん

世界が「宗教紛争」に覆われる原因は何か~中東で紛争勃発の今こそ考える 日本式「オンデマンド宗教」が最高である
  現代ビジネス より 231104  大原 浩


⚫︎神は妄想だ
 2020年6月10日公開「コロナ、暴動に満ちた今こそ『苦しい時の神頼み』の効用を見直そう」で紹介した、生物学者のリチャード・ドーキンスによる「神は妄想である 宗教との決別」(筆者書評)は、2006年に出版された、科学的精神の普遍性を説く啓蒙書であり、世界的なベストセラーとなった。

【写真】中東紛争の本質~南北アメリカ侵略・アジア・アフリカ植民地化との同質性

 ドーキンスが、いわゆる「無神論」を強く主張する背景には、宗教(カトリック)が傍若無人にふるまった「中世暗黒時代」の存在がある。

 近世でも行われたヨーロッパの宗教裁判  
14~16世紀において「ルネサンス」(世界史の窓)は、暗黒時代に暮らしていた欧州の人々に光をもたらしたが、依然として「宗教(神)支配」が続いた。

 ガリレオ・ガリレイの1616年と1633年の2度に渡る宗教裁判(世界史の窓)において、「宗教によって科学が弾圧され」、ガリレオが「それでも地球は回っている」とつぶやいたとされることは有名だ。

 1782年にスイスで行われた裁判と処刑が、ヨーロッパにおける最後の魔女裁判であるとされるが、「国富論」(筆者書評)で有名なアダム・スミスが、1759年に著した「道徳感情論」(筆者書評)の中でも、「火あぶりにならないために教会の顔色をうかがう」かのような記述が散見される。
 実際、スミスが生きた時代にも宗教裁判による処刑は行われており、彼もその残虐な処刑の様子を目撃したと思われる節がある。

 宗教裁判が行われなくなり、「科学」が本当に西洋社会に根付き始めたのは、18世紀後半以降、産業革命が始まってからといえよう。

 だから、歴史的に考えれば、長年にわたって欧州は宗教に支配された(科学的後進)地域であり、その宗教(カトリック)に立ち向かうために、近代科学が発展したのだと言える。

 米国も、1620年にピルグリム・ファーザーズ(ピューリタン)がプリマスに上陸したことに代表されるように極めて宗教的国家であり、1692年に始まった「セイラム魔女裁判」もよく知られている。

 確かに近代科学は欧米で発展したのだが、それは「宗教と戦うための武器」としての側面が強い。つまり、「科学と宗教が敵対関係」にあるというわけだ。
 したがって、リチャード・ドーキンスのような「無神論者」と、「無神論者」と戦う宗教という構図が出来上がる。

 結局のところ、欧米を始めとする多くの国々において、「神の存在を信じない(疑う)『無神論者』」は、許しがたい(言ってみれば「宗教裁判にかけるべき存在」)なのである。
 だが、科学と宗教は、本当に対立しなければならない運命にあるのであろうか?
その疑問の答えの一つが、仏教(多神教)的宗教観であると考える。

⚫︎神が人間を創造したのではなく人間が神を創造した
 ほとんどの宗教において「神の天地創造」や「神の手による人間誕生」に関わる神話がみられる。
 なぜ我々は存在するのか? この世(宇宙)はどのようにして誕生したのか? という疑問は、古代から連綿と続く人類にとっての最大級の謎だ。その謎に対する答えとして、「神」というものが古代から語られてきた。
 つまり、「神が天地創造し、人類を誕生させた」というわけである。しかし、科学的研究によれば、事実はその逆だ。

 ある(色々な宗教的概念が刷り込まれていない)幼児を対象にした研究によれば、人間のDNAには「目に見えない精霊のようなものを信じる傾向」が組み込まれている。彼らに、だれも座っていない椅子を指し示し、「ここに(目に見えないが)ある人物が座っている」と教えると、すぐに信じるのだ。

 このように、目に見えない何かを信じる傾向は、他の動物では今のところ確認されていないようであるから、人類だけに与えられた特別な能力といえるのかもしれない。
 つまり、「神」は、AIと同じように「人類の最大の発明品」ともいえるのだ。だから、神に人間が支配されるのではなく、人間が神(宗教)を活用すべきである。

 よく、AIが進化して、人類を支配するという恐ろしいSF作品を見かける。
「マトリックス レザレクションズ」(筆者映画評論)に至る「マトリックスシリーズ」が有名だが、ロボットプラザ公式サイト「人工知能(AI)の脅威を描いたSF映画8選 AIが人類に反逆する!」のように多数ある。
「AIを使いこなすのか、それともAIに支配されるのか」というテーマは「神を使いこなすのか、それとも神に支配されるのか」と極めて似通ったテーマだと考える。

⚫︎「オンデマンド宗教」を「活用」する
学術文庫&選書メチエ編集部「『利己的遺伝子』のスター科学者、ドーキンスが到達した『日本人みたいな宗教観』」は興味深い資料だ。

「大原浩の逆説チャンネル<第12回 >苦しい時の神頼みが最高戦略、神は存在しないが宗教は重要だ」で述べたが、「神(宗教)に支配される」ことと「宗教を活用する」こととはまったく別である。
 例えば、人類は文明というものを生み出した。この文明の誕生には、ある程度以上の規模の人間の集団が必要であり、その集団を取りまとめるなんらかの強力な求心力も不可欠である。動物の群れとは全く異なった存在なのだ。

 この「人間集団」をまとめ、「文明」を生み出す「求心力」となったのが、宗教であることは間違いが無い。簡単に言えば「他人に支配されることを拒む人間でも、(人間ではない目に見えない存在である)「神」の支配は受け入れる」ということだ。
 ほとんどの古代文明において、支配(王権など)と神が結び付けられていたことがその証拠である。
 だが、その一方で、神の名を騙った神官などが横暴にふるまったり、「我こそが神だ」と王様が暴虐な支配を行ったりすることも同時に行われた。

 近世でも「王権神授説」によって、「権力者に対する批判」を封じ込めようとした。

 そのような「独裁的な一神教」の文化の中で育ってきた欧米人の中に、「大原浩の逆説チャンネル<第23回>宗教とビジネス、スティーブ・ジョブズと仏教 特別対談:大原浩×沼田功(その2)」のように、「多様性を尊重する」仏教(多神教)に傾倒する人物が出てくるのは、ある意味当然なのかもしれない。
 沼田功は、私が執行パートナーを務める人間経済科学所・フェローであるとともに、楽天、サイバーエージェントなど70社以上を上場させた「伝説の公開請負人」である。

 さらには、宝瑞院副住職も務める。仏教の本質については、「宝瑞院副住職の心豊かなお金持ちになるための仏教」という番組が参考になると思う。
 ちなみに、ドーキンス氏は、「宗教」そのものは否定していない。「神」という、人間に指図する絶対的存在を否定しているのだ。

 事実、彫刻、絵画、建築、さらには讃美歌を始めとする音楽などの文化的遺産の多くは宗教的動機に基づいて制作されてきた。我々は日常意識しないが、京都や奈良を始めとする寺社仏閣も宗教遺産である。
 また、歴史的なダントツベストセラーは「聖書」だとされる。確かに、この「奇想天外な物語」は非常に面白く、人々を魅了するのもよくわかる。
 このような「宗教的文化遺産」を始めとする「宗教の活用能力」に秀でているのが、日本人だというわけだ。

⚫︎宗教の奴隷になってはいけない
 中世ヨーロッパの宗教裁判で行われた,拷問や火あぶり,八つ裂きなどはおぞましい歴史だ。
 しかし、現在でも2020年6月28日公開「カトリック教会で『子供の性的虐待3000人以上』…狂信と信念の境目」のような恐るべきことが「神の名のもとに」活動する教会の組織の中で行われている。
「拒めば地獄に落ちるぞ」と聖職者から子供たちが脅された可能性を考えると、胸が締め付けられる。

 この問題は、5月25日公開「ジャニー喜多川性加害、20年米大統領選、ノルドストリーム爆破、セレンスキー汚職……報道しない自由という社会的もみ消しの被害者たち」2ページ目「カトリック教会の性加害報道」で述べたように、「社会的もみ消し」の対象になってきた。
 そして、5月27日公開「オールドメディアのオワコン化から、戦後78年の『既得利権』の崩壊へ」冒頭「戦後の既得利権をオールドメディアが守ってきた」で述べたように、フランスだけでもその被害者の数は、「カトリック教会の性的虐待被害者、70年間で21.6万人 仏調査報告」と驚くべき数になっている。

 しかも、フランスだけではない。NHK 10月28日「スペインのカトリック教会 20万人の未成年者が性的虐待被害か」との報道もあり、世界に13億人いるとされるカトリック教会の信徒の被害が最終的にどのようになるのか、想像するだけでも恐ろしい。

⚫︎現代人が求める危険な疑似宗教
 古典的な宗教の(熱心な)信者は減っているが、共産主義や環境保護(脱炭素)などの疑似宗教が広まっている。
 共産主義国家が宗教を弾圧することはよく知られているが、それは共産主義も宗教の一つだから、異教徒を排除するためだといえよう。
 カール・マルクスは、「宗教は民衆のアヘン」だと言ったとされるが、その言葉はそのまま「共産主義は民衆のアヘン」だと言い換えることができる。
 特徴は、「多様性」を否定し「絶対権力」を認める点にある。多くの(過激な)環境保護活動にもその傾向が認められる。

 2021年8月22日公開「脱炭素・EV推進、『合理的な科学的根拠が無い』この方針は、もはや『宗教』だ」、1月9日公開「環境イデオロギーが世界を破壊する、欧州の政治家も『狂っている』!?」などのような事例を見れば明らかだ。

⚫︎戦争の原因の多くは(排他的な)宗教である
 我々は、「異教徒なら殺しても構わない」という宗教を認めるべきだろうか?
多くの戦争の背景には「宗教問題」が隠れている。
 過激なイスラム教徒をテロリストと呼ぶが、過激なユダヤ教徒やキリスト教徒はどうであろうか?
 イスラム過激派の行いには断罪されるべき部分があるが、過激なユダヤ教徒やキリスト教徒の蛮行も断罪すべきである。

 詳しくは、10月27日公開「中東紛争の本質~白人の南北アメリカ大陸侵略・アジア・アフリカ植民地化との同質性、そして米国は常に「独裁国家」の支援者であった」、10月23日公開「パレスティナ―天井の無い監獄で何が行われてきたのか?『いじめられっ子』がやり返したら大騒ぎに」、10月13日公開「世界は21世紀の『オイルショック』に向かっている~バレル500ドルもあり得るか」などを参照いただきたい。

 よく、日本人は「教会で結婚式を挙げ、寺で葬式を執り行う」とか、「クリスマスを祝ったら、すぐに神社に初詣に行く」などと揶揄されるが、これこそが日本の素晴らしい「宗教の多様性」の象徴である。
 どのような宗教(神)も「独裁者」としては認めないのが、日本の「民主主義的価値観」なのだ。

 日本は「神仏習合」先進国であり、クリスマスや結婚式に象徴されるように、キリスト教も取り込んだ。そのうち、イスラムも取り込むのではないだろうか?
 日本の「宗教習合システム」こそ、平和のために世界中が学ぶべきなのであり、日本人は「宗教習合先進国」として胸を張るべきだ。
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🚶…向島工場地域…Alp📚 231104

2023-11-04 20:40:00 | 🚶 歩く
🚶…右岸堤防道…宇治川高架橋…京滋バイパス側道沿…左岸堤防道沿側道…隠元橋西詰…黄檗線…文教大南&西沿…24号線…ベルファ:百均…向島渡シ場町…隠元橋…右岸堤防道…Alp📚🥮…右岸堤防道…>
🚶12476歩2kg

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📚司馬遼太郎;宗教 旅 国家 文明,Kotoba:萌える言語学,BIRDER11:ハンター列伝,きょうの健康;腰痛はxxx。


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