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意外と知らない京都「ハイキングできる世界遺産」五重塔から1時間「上醍醐」レポ 2023/11

2023-11-08 23:05:00 | 🚇 旅選定の参考

意外と知らない京都「ハイキングできる世界遺産」五重塔から1時間「上醍醐」レポ
VRABO Mountain より231108  加藤 和花

五重塔「醍醐寺」から1時間「上醍醐」豊臣秀吉ゆかり&滝見コース「実踏レポ」
(撮影:加藤和花)


 古都・京都の風情を感じられる、世界遺産・醍醐寺。春の桜と秋の紅葉が美しく、境内に建っている五重塔は京都府最古であることで知られ、連日大勢の観光客が訪れる。伽藍の背後には醍醐寺の始まりの地である上醍醐があり、山中にもお堂が点在している。

関連:■せっかく訪れたのに…行かないのはもったいなすぎる! 国宝・文化財も多い「上醍醐」

 しかしながら,多くの人は麓の五重塔や金堂,三宝院の庭園などを鑑賞したら満足して帰路に就いてしまう。それではもったいない。
 上醍醐や上醍醐に至る道には、さまざまな見どころがある。
 そこで本記事では、麓の伽藍から上醍醐までの道のりや見どころを写真とともに紹介する。

■豊臣秀吉が花見をした場所「上醍醐不動の滝」
上醍醐の入山口。奥には山道が見える
 上醍醐まで登るため、まずは麓にある女人堂で受付を済ませる。入山口付近には仏像が安置されており、山に入る人を見送っているようだ。仏像の前を通り過ぎると、女人堂付近とは打って変わって本格的な山道が現れる。

 上り坂の後は平坦な道が少し続き、また上り坂を進むことになった。

入山口を通り過ぎると、さっそく登り坂が現れる

上り坂を終えると、いったん平坦な道に
 途中、豊臣秀吉が花見会を催したと伝わる場所があった。現在は立ち入り禁止になっており、地面は落ち葉で埋め尽くされている。看板によると花見当日、秀吉は一家を引き連れ、和歌をしたためた短冊を桜の枝に吊り下げ、豪華絢爛な花見を行ったらしい。

上醍醐不動の滝。周囲には水が流れる音が響いていた

上醍醐不動の滝のすぐ近くにある休憩所

 400年以上前に催された豊臣秀吉の花見会に思いを馳せ、さらに山道を進むと上醍醐不動の滝が見えてきた。上醍醐不動の滝周辺は人の手で石垣が積まれたような雰囲気で、こぢんまりとした祭壇のようなものも設けられている。広めの休憩所もあったため、ここで一休みしてさらに歩を進めることにした。

上醍醐不動の滝を過ぎたら、山の斜面をジグザグと進むように坂と階段が続く

途中には小さな休憩所もあるため、休みを挟みながら進んだ

 上醍醐不動の滝を過ぎると、ひたすら上り坂と階段が続く。平坦な場所を見かけることはあまりなく、立ち止まりながら30分ほど歩き続けた。

 上り坂と階段が終わると、また広めの休憩所が現れる。この休憩所を過ぎたら、上醍醐まであと少し。下り坂を歩き、上醍醐の寺務所前に到着した。

■上醍醐に到着! 点在するお堂を巡る
 上醍醐に到着。寺務所に行くなら門をくぐり、お堂を巡るなら左側の小道を進む
 瓦屋根が付いている門をくぐり上醍醐の寺務所、門の横の小道をさらに奥へ進むと、上醍醐のお堂が建っている場所まで行ける。今回は寺務所に立ち寄らず、お堂を巡ることにした。

霊泉「醍醐水」が湧き出ている場所。キンキンに冷えた水が沸いていた
 まず訪れたのは、醍醐寺発祥の霊泉である「醍醐水」。醍醐寺を開いた理源大師が874年に発見し、隠遁した場所だそうだ。現在はお堂の横に設置されている蛇口から、水を汲んで飲むことができる。

准胝堂の跡地。再建が待たれる
 続いて訪れたのは、西国三十三所の霊場でもある「准胝堂(じゅんていどう)」の跡地。 2008年の落雷により建物は消失してしまい、現在は再建予定地として更地になっている。再建されたらまた訪れたい。

国宝・薬師堂。平安時代の遺構としてとても貴重な文化財
 その後も薬師堂・五大堂・如意輪堂・開山堂を巡った。薬師堂は平安時代末期の1121年に再建、如意輪堂は江戸時代初期の1613年建立である。開山堂は1606年に豊臣秀吉が建立したとのこと。400〜1000年もの間、上醍醐を見守り続けたお堂の歴史に圧倒される。上醍醐には1時間ほど滞在し、下山することにした。

■上醍醐までは片道1時間ほど! 準備は万全に

上醍醐に至る階段。真ん中にはロープが設けられているが、支柱が倒れているものも数か所見かけられた
 麓の女人堂から上醍醐までは、休憩を挟みながら片道1時間くらいで行くことができた。
 しかし、地面は山肌がむき出しのところや、角が尖っている石がゴロゴロ落ちている場所もあった。階段の高さも均一とは言い難いため、トレッキングポールを用意し、登山靴かクッションがしっかり効いたスニーカーを履いて行った方がよいだろう。

 道中には自動販売機が見られなかったため、飲料水を用意しておくこともおすすめする。

国宝・金堂。現在建っているのは1600年に建てられたもの

三宝院の庭園。上醍醐まで登った後は、まったり庭園を眺めるのもよいだろう

 ちなみに、上醍醐への入山料は基本600円だが、麓の伽藍への拝観券を持っていたら500円になる。伽藍も貴重な文化財の宝庫なので、時間に余裕がある方はぜひ麓も巡っていただきたい。

●醍醐寺
・住所 京都市伏見区醍醐東大路町22
・電話 075-571-0002

※この記事の情報は2023年11月現在のものです。内容が変更される場合もありますので、最新情報はリンク先のHPでご確認ください。
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🚞 近鉄 新春おでかけ京阪奈1dayパス 23/12/31〜24/1/8

2023-11-08 22:34:00 | 🚃 鉄道

近鉄 新春おでかけ京阪奈1dayパス 発売
 Tetsudo com より 231108


⚫︎近畿日本鉄道は、「新春おでかけ 京阪奈1dayパス」を発売。
大阪府、京都府の両府内と、奈良県内(大阪線三本松駅以西)の近鉄電車が1日乗り放題。
 大人用のみの発売で、発売額は1,600円。
 発売期間は2023年11月15日(水)~12月31日(日)で、
 利用可能期間は12月31日~2024年1月8日(月・祝)。
12月31日利用開始の場合、1月1日も利用可能。

発売箇所は、大阪府、京都府、奈良県内の近鉄主要駅。

 橿原神宮、春日大社、三輪明神、安倍文殊院、信貴山毘沙門天、生駒聖天(宝山寺)、石切劔箭神社、枚岡神社、薬師寺、金峯山寺のいずれか1社寺のおみくじ等特典引換券つき。
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🚶〜京都市役所…<三条通>…山科駅〜六地蔵〜> 231108

2023-11-08 17:12:55 | 🚶 歩く
🚶〜三条…御池大橋…御池通…京都市役所:💳↩️…御池通…御池大橋…川端通…<三条通>…栗田神社前…ミヤコホテル沿…蹴上浄水場沿…栗田口刑場跡…九条山車石…日の岡の峠道標…陵駅沿…東海道線高架越え…東海道(旧三条通)…五条別れ道標…JR山科駅前…地鉄山科〜六地蔵…京阪六地蔵〜🚉…>
🚶12592歩2kg12F

☀️日ノ岡峠18℃:三条通はほぼ日陰で肌寒く

京都市役所:奈良カード1.2.3.4👌(7/20)
 で,勢いで御池の市役所から三条通を東へ峠越えで…山科へ,案外近いので。🚴チョクチョク。

🌡️ベランダ30.5〜12.2℃




京都市役所

蹴上浄水場

日向神宮鳥居

日ノ岡一切経堂地蔵尊

栗田口刑場跡碑

東海道:山科:鳩の鬼瓦⁈

五条別れ道標



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“大英博物館”から相談も…「まんだらけ」古川益蔵会長に聞く、国主導の“マンガ原画保存” 「日本人は海外で評価されないと価値が分からない」 2023/11

2023-11-08 00:53:29 | なるほど  ふぅ〜ん

“大英博物館”から相談も…「まんだらけ」古川益蔵会長に聞く、国主導の“マンガ原画保存” 「日本人は海外で評価されないと価値が分からない」
  新潮社  より 231108


⚫︎原画や色紙を販売するパイオニアはどう思うのか
 11月1日、ちばてつや氏と里中満智子氏が「マンガ・アニメ・ゲームに関する議員連盟」の議員らとともに岸田文雄首相を訪問。漫画作品の保存施設の整備やアーカイブの作成、クリエイターの支援などを訴えた。岸田総理は自身も漫画好きと語り、漫画文化を支援すべく、複数年にわたる基金の創設に意欲を示したという。

 東京都中野区にあるまんだらけ。外国人観光客も数多く訪れる人気スポットだ

(原画について語るまんだらけ会長の古川益蔵氏)

 また、8月14日付の読売新聞の報道によれば、文化庁は来年度から、日本漫画の原画やアニメのセル画の収集に乗り出す計画があるという。
 こうした背景には、近年、日本の漫画やアニメの世界的な人気が高まり、なかでも原画やセル画が高額で取引されている事情があるためといわれる。

 原画やセル画が高騰している現状は、日本最大級の漫画・アニメのコレクターズショップ「まんだらけ」が主催するオークションの結果を見ればわかる。
 例えば、「天空の城ラピュタ」「となりのトトロ」「もののけ姫」などのスタジオジブリのセル画は、数十万はもはや当たり前。場面によっては数百万で落札されることも珍しくない。文化庁は明らかにこうした動向を意識していると思われる。

 まんだらけは漫画の原画や色紙、アニメのセル画を1980年代から取り扱い、適正な値付けを行って販売してきたパイオニアである。
 まんだらけのキーマンにして会長の古川益蔵氏は、近年の原画保存の動きをどのように見ているのだろうか。
 また、日本の文化遺産といえる貴重な史料を、未来に伝えていくためにはどのようにすれば良いと考えているのだろうか。単独インタビューで話を聞いた。

⚫︎原画が高騰するのは日本の漫画が凄いから
――「まんだらけ」のオークションを見ると、宮﨑駿先生や鳥山明先生の色紙、スタジオジブリのセル画が高騰しています。ものによっては1,000万円を超えたものもありますね。

古川:原画や色紙の人気自体は、当社が商売を始めた1980年頃からありました。ただ、当時は国内のコアなマニアの間だけで売買されていたのです。近年は市場が広くなり、海外のコレクターが当社のオークションに入札するようになりました。
 さらに、マニアだけではなく、絵画などの美術品に興味を持っている人も手を出しはじめ、購買層が厚くなっています。これが、高騰の最大の要因でしょう。

――外国人の購入者も多いのでしょうか。

古川:ものすごく多いですね。特に、宮﨑さんや鳥山さんの作品は、ヨーロッパやアメリカ、中国、ロシア、中東、アフリカ、中南米など、世界中に均等にコレクターがいます。これは漫画やアニメの人気が高まり、ステータスが上がってきたためでしょう。

――日本の漫画やアニメが世界で知られ、人気が高まっているのがよくわかります。

古川:さらに、近年の傾向ですが、海外の博物館も当社のオークションに参加しているんですよ。海外では既に、漫画やアニメがアカデミックなものになっていますし、文化としての価値や位置づけが日本よりも確立されてきているのではないでしょうか。
 それだけ日本の漫画やアニメの評価が進んでいるのですから、落札価格が上がるのは当然だと思います。

⚫︎海外では博物館が原画の購入を始めている
――実際、海外の博物館が手塚治虫先生の私家本をまんだらけのオークションで落札したり、大英博物館がまんだらけの所蔵する手塚先生の『新寳島』を欲しいと言ってきたりしたそうですね。こうした動きはいつ頃から起こっているのでしょうか。

古川:世間的にはあまり知られていませんが、結構前からありますよ。博物館には資料を蒐集する専任の学芸員がいますよね。海外の博物館では、学芸員がコレクションの蒐集対象の一つに日本の漫画を加えているのでしょう。
 例えば何十年か前に、メイド・イン・オキュパイド・ジャパンの品物(注:戦後の米軍占領下の日本で制作された玩具など)を集めている海外の博物館がありましたが、その中の漫画のコレクションには国内にないものが結構あるんですね。
 漫画の原画に限ったことではなく、ヴィンテージのおもちゃなども良いものは海外に流出していますから、今度、日本にはものがないけれど海外にはある、という例が増えてくるのではないでしょうか。

――日本の公的な博物館からは、原画やセル画を集めたいという依頼はありますか。

古川:個人で漫画の博物館をつくりたいという人からは、依頼があります。例えば、手塚さんの古い単行本が欲しいといったお願いですね。けれども、公的な博物館や美術館からは、原画の真贋の鑑定などの形での照会はありますが、集めて欲しいなどの依頼はゼロですね。

――既存の博物館にそういった動きがないのが残念です。

古川:公的な博物館は漫画に割くお金もあんまりないんでしょうね。価値が認められた日本画や浮世絵にならお金は回せるけれど、漫画には予算が出ないのでしょう。僕は、まだまだ国内では、漫画に対する評価は低いと見ています。海外で評価されないとその価値がよくわからないというのは、日本人の性格なんでしょうね。

――なんだか、明治時代に日本画や浮世絵が海外に買われたのと同じ状態になっていますね。

古川:僕は、求める人がいるところに品物が行くと思っている。日本人が漫画やアニメの価値を認めるまでに至っていないので、海外に流出してしまっているというのが本当のところだと思いますよ。もし、政府や文化庁が、本気で原画やセル画を蒐集するのであれば頑張って欲しいと思いますが、時既に遅しではないかとも感じます。

⚫︎なぜ原画を蒐集するコレクターがいるのか
――私も手塚治虫先生を筆頭に、多くの漫画家の色紙や原画を蒐集していますが、古川会長が考える原画の魅力はどんなところにあるのでしょうか。

古川:それは、あなたが一番よくわかっているんじゃないの(笑)。コレクターにとっては、ピカソやゴッホの絵を持っている感覚に近いでしょう。印刷された単行本や量産されたグッズと違い、自分が好きな漫画家の一点ものを自分の宝物にできるわけじゃないですか。そんなの、ファンにとっては感激以外の何物でもないですよね。

――おっしゃるとおりですね(笑)。そもそもなぜ、古川会長は原画や色紙が売り物になると思ったのでしょうか。

古川:売り物になるというよりも、僕は第一に“価値がある”と思っている。そして、価値があると証明するためには、値段をつけなければいけないのです。売買しなければ値段はつきませんし、誰も価値があるなんて理解できません。

――価値が理解されなかったせいで、以前は原画が捨てられてしまうケースもたくさんあったそうですね。

古川:僕は一貫して、原画は守ったほうがいいと考えています。しかし、かつては出版社が編集部を訪れた読者にプレゼントしたり、倉庫がいっぱいになったら勝手に処分したりと、扱いがぞんざいだったのです。今では信じられない話ですが、昔は漫画家だって出版物には関心があっても、原画には興味がない人の方が多かったんですよ。手塚さんだって原画を読者にあげたりしていましたからね。漫画家の意識が変わったのは近年のこと。値段がつくようになってから、価値があると考える人が増え始めたとみています。

――対して、漫画のマニアやコレクターはいつ頃から価値を見出していたのでしょうか。

古川:はっきりとはわかりませんが、当社の場合、1980年代に店を始めた頃から、お客さんに「原画が欲しい」と言われ、扱うようになったのです。だから、マニアの方は凄いですよ。漫画家や出版社より先に価値に気づいたんですからね。ところが、大多数の日本人は漫画やアニメが身近にありすぎるから、その大切さや凄さがわからないのでしょうね。

⚫︎原画の取り扱いをやめない理由
――まんだらけは原画の取り扱いで過去にトラブルになったこともありますし、批判されたこともあります。

古川:基本的に、法の中では原画の取引はやっていいと思います。それがおかしい状況になったら法を改正するべきだし、何よりまず、漫画家や出版社が意識を変えるべきでしょう。
 漫画家も出版社に預けて終わりではなく、ちゃんと期限までに返してもらうように要請する。出版社も契約書を書くなどして管理する。原画に関しては社会的な問題にならないと、特に出版社は変わらなかったと思います。最近は徐々に双方の意識が変わってきていますし、いい傾向だと思っています。

――日本は何かしらの事件が起こらないと、関係者の意識が変わらないというのは確かにあると思います。

古川:ただ、僕の知っている範囲だと、原画を大事にしようという機運も高まっていますが、原画はすべてデータ化しているので要らないと考える漫画家も増えてきました。

――確かにいらっしゃいますね。ネットオークションで販売されている漫画家、イラストレーターを見かけます。

古川:こんな大御所も売っているんだなと、びっくりして見ていますよ。当社への買取依頼もたくさんありますから、原画の流通量は全体的に増えていると見ています。ただ、ネットオークションへの出品は存命の漫画家が行っているかもしれませんが、亡くなった方の場合はどうするのでしょうね。できることなら公的な施設が受け入れるか、もしくは中古市場が正しく扱っていく必要があると僕は思います。

原画をどのように鑑定するのか
――価格が高騰すると出現するのが偽物です。ネットオークションやフリマサイトでは、手塚治虫先生の色紙の偽物が依然として出品されています。

古川:偽物はものすごく出ていますし、当社にも毎日のように持ち込まれます。真贋鑑定の依頼もありますし、買い取ったものも改めて確認するなどして、毎日5~6人が鑑定に当たっています。僕も毎日鑑定していますし、土・日は最低でも2時間は見ていますが、対応が追い付かないくらい。
 最近の偽物は、プロの漫画家やアニメーターが作っているものもあります。僕はほとんどの場合は見分けがつくけれど、一般の方はまずわからない精巧なものが増えていますね。

――日本画や洋画だと、遺族や財団法人が鑑定を行っているケースがあります。対して漫画の原画やセル画はそうした組織がないですよね。まんだらけが鑑定できるのは、どうしてなのでしょうか。

古川:取り扱ってきた量が違うからです。当社はこれまで買い取り、販売した原画や色紙から、絵やサインだけでなく、本人が書いた「あいうえお」などの筆跡から数字までピックアップした膨大なデータベースを持っていますからね。

――そんなまんだらけでも、鑑定ミスをすることはあるのでしょうか。

古川:ありますよ。当社でもずいぶん、手塚さんの色紙など、偽物とわかった品物の代金を返却しました(注:まんだらけでは、原画に関して、後で偽物だったと判明した場合は商品代金を全額返却するという保証書を発行している)。
 こうした間違いから学び、データの精度を上げる努力をしてきました。とにかく、間違ったら大損ですから、鑑定を絶対的なものにすることは、お客さんからの信頼を得るためにも欠かせません。

⚫︎巨匠の死後、原画はどうなる
――古川会長の真贋鑑定への強い思いを感じます。

古川:鑑定は、うちの会社の中でも根幹にかかわる重要な部署です。国や文化庁も本気で原画やセル画の保存に取り組むなら、真贋鑑定の部署を作るべきでしょう。
 鑑賞に堪えうるものを集めるとなれば、作品を評価し、鑑定ができる学芸員が在籍する必要がある。しかし、当社も失敗を繰り返して学んできたのでわかりますが、人材を育てるのは簡単ではないと思います。

――今から教育するにしても、年月がかかりそうですね。

古川:国がうちを買収して、一つの部門として使えば解決するんじゃないですか(笑)。そうしてくれたら僕は引退できますが、偽物も進化しているのでなかなかそれができない。当社は鑑定ができる社員が増えてきましたが、データベースにない、品物の手触りとか全体のバランスといった感覚の部分を教えるのが難しいですね。
 偽物が氾濫している今は、データと感覚の両方を大事にすべきだと強く思います。

――課題は山積していますね。そして、令和に入って数多くの漫画家が逝去し、原画の散逸が危惧されています。

古川:僕としては、当社に売ってくださるとありがたいのですが(笑)、博物館などは買い上げるとしても大変でしょう。
 松本零士さんの原稿なんて、先月のオークションで1枚数十万、なかには数百万になったものもあります。これを時価ベースで買い取ったらとんでもない金額になりますよ。だから、無償で寄贈してもらう以外にはありません。
 ただ、漫画家の原稿は段ボールで何十箱、大御所だと何百箱になりますから、保管する場所の確保は難しい問題ですよね。

――セル画などは既に散逸が進み、アニメスタジオにもないケースも多いと聞きます。

古川:頑張って集めて欲しいけれど、もう時期を逸していると思う。いいものはだいぶ海外に流れてしまっているし、値段が安い時(注:現在は数百万で落札されるスタジオジブリのセル画が、20~30年ほど前はまんだらけでわずか数万円、数千円で購入できた)にもっと早く取り組むべきだったと思いますね。

⚫︎漫画家を目指す若い人たちは原画を見るべきだ
――古川会長はまんだらけを始める前は、漫画家としても活躍されていましたよね。それゆえ、原画に思い入れもあるのではないかと感じました。

古川:僕は子どもの頃から漫画家になりたくて、雑誌に投稿していたら、18歳のときに『COM』(注:手塚治虫が経営していた虫プロ商事が出版していた漫画雑誌)の新人賞に入選しました。上京して練馬の虫プロに行ったとき、手塚治虫さんの原稿を見せてもらい、あまりの美しさに感動しました。別の機会に石ノ森章太郎さんのもとを訪れた時にも、アシスタントの方がこれで勉強しなさいと原稿を見せてくれた。単行本でも素晴らしいと思っていた場面が、原画だと迫力が段違い。それはもう、素晴らしかったですね。50年以上経った今でも身に染みていて、忘れることができません。

――ご自身の原稿と比べてどうでしたか。

古川:僕はそれまで、自分は漫画が上手いと思っていたんですよ。でも、プロの原画を見て、ああ、自分はぜんぜん下手だとわかった。プロはなんて凄いんだろうとショックも受けたけれど、もっと絵を上手くなろう、修業しようと思えました。

――古川会長は、今でも買い取りに持ち込まれた原画を見て感動することはありますか。

古川:ありますね。手塚治虫さん、平田弘史さんは特にいい。あと、宮﨑駿さんは段違いで上手い。正直、売りたくないものがあるくらいだからね(笑)。

――私の周りでも、漫画家やアニメーターを目指したいという子どもが増えていると実感します。古川会長の話を聞き、私も原画や色紙のコレクションをしまい込むのではなく、子どもたちに見てもらう機会を作るのもいいのかな、と思いました。

古川:それは凄くいいんじゃないでしょうか。今はCGで絵を描く人も増えていますが、ぜひ生の原画を見て欲しいですね。漫画家を目指している人なら感動すると思うし、感じ取るものがあると思いますよ。そこから刺激を受けて未来の漫画家が生まれたら、素晴らしいことじゃないですか。


▶︎山内貴範(やまうち•たかのり)1985年秋田県出身。「サライ」「ムー」など幅広い媒体で、建築、歴史、地方創生、科学技術などの取材・編集を行う。大学在学中に手掛けた秋田県羽後町のJAうご「美少女イラストあきたこまち」などの町おこし企画が大ヒットし、NHK「クローズアップ現代」ほか様々な番組で紹介された。商品開発やイベントの企画も多数手がけている。

デイリー新潮編集部




💋本当,日本の大手の評価は…海外で評価されて初めて…、東大閥系の権威主義が未だ跋扈
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