日本語おもしろ発見

日々の生活から

タ行の不思議

2009-03-12 11:27:00 | 日本語豆知識
 姪っ子が小学校に上がります。妹の手作りの五十音図で平仮名、片仮名を覚えています。

 先日、外来語音の話を少ししましたが、外来語音は、五十音図には入っていません。私は母は「ファ、フィ、フェ、フォ」の発音はできないと言っています。できないのだから、当然、日常生活で使うことはないでしょう。しかし、現代の生活では、時折、耳にします。交通機関のJR、これは、ジェイアールですが、「ジャ、ジュ、ジョ」と3つしか書かれていない。「ジュ」の次の「あきま」に、「ジェ」が入ることを指摘する小学生にならないかなあと、たくさんいる姪っ子、甥っ子を見ていますが、さて、どうでしょう^^

 五十音図といっても、その性格は一様ではありません。同じ行でも発音の仕方が違う語が混ざっています。例えば、タ行。同じ調音点・調音法で発音すれば、「タ、ティ、トゥ、テ、ト」となるはず(実際、平安時代まではそのように発音されていたと思われます)。しかし、現代は「タ、チ、ツ、テ、ト」。どれが違うかというと、「チ」と「ツ」。

 おおざっぱな説明をすると、「チ」は、舌が少し後ろに下がります。「タ、テ、ト」は、とめた状態の呼気を解放した音ですが、「チ」と「ツ」は、呼気を開放し、その瞬間に隙間から息を通す音です。確かに、「タ、テ、ト」と違って、擦れた音がします。

 同じ行だからといって、同じ発音ではないのが、五十音図です。しかし、母音「イ」の前には「チ」が、「ウ」の前には「ツ」しか来ないので、同じ行にして、問題はありませんでした。が、現代では「ティ」「トゥ」が使われるようになりました。でも、まあ、これらが、「チ」や「ツ」にとってかわることはないでしょう。外来語にしか使われませんから、その勢力範囲は、無視はできませんが、もともとの日本語の音韻体系を脅かすほどではありません。 
コメント
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